2013年10月20日日曜日

一歩先をゆく読書の仕方(「野蛮人の読書術」田村耕太郎)

そもそも、読書をすること、の意味合いとして、著者の田村耕太郎氏は冒頭にこのようなことが書かれている。
  • 「生き抜く術」を最も低コストで手に入れる方法が読書
そして、本の中で取り上げられている、賢者の読書術の一人である、ライフネット生命会長の出口治明氏は、このように語っている。
  • 人間が学ぶ方法は3つしかない
    1. 人にあって話を聞いて学ぶ
    2. 自分の脚で出向いて世界から学ぶ
    3. 活字を読んで学ぶ
  • この中で圧倒的に効率が良いのが、3.の読書であり、時空間を超えて実行可能なのでとても有効
仕事をしていると、1.の量が多くて、インプットとアウトプットのコンバージョンが高い人をたまに見るが、目の前の仕事だけではなく、大局的であったり多面的な企画や判断をすることを考えた時には、3.によるインプットが必要だし、大事なのかな、と思う。

どちらにしても、自分が知り、学び、向上するために、効率的に情報をインプットすることができる、そして、思考することができるという意味で、読書というのは有効だな、ということですね。

さて、この本のメインである読書術についてだが、賢人の読書術のインタビューを書き起こしたパートがあるのだが、その中で良いなと思った点を、まとめておきました。
  • パラグラフリーディング
    • 一つの段落には一つの主張がはいっていることが多い。それは、パラグラフの最初と最後にある。だから、そこだけを読む
    • 恐らくTOEICの勉強をしたことのある人は、この読み方を学んだことがある人も多いのだろう
    • 日本語は、このような構造に即している場合ばかりではないのだけど、効率的、つまり単位時間で良い情報を入手する、という意味では確率的には有りな読み方
  • 「書き出し」読書術
    • 読書というのは、目的意識がないと意味がほとんどないわけで、その目的を明確にし、ちゃんと達成されたか否かを緊張感を持って実践するという術
    • ノーベル賞を29人も輩出しているアメリカのシンクタンクのランド研究所の方の読書の仕方
    • 本を読む時は、読む前に、この本で何を獲得したいか、を徹底的かつ具体的に記述する。そして、本を読んだ後は、実際に学べたことを書いて、読む前に書いたことと比較してチェックする
    • この仕方は取り入れようと思った。勿論目的を持って読書はするわけだが、上記のように、「徹底的かつ具体的」に明文化することで、シャープに目的を達成できたかいなかがわかり、その読書の意味合いを評価することが出来て良い
  • 効率的で継続的な仕組みとしての読書
    • 最初の50ページがつまらないと捨てる
      • 5ページ、としている人もいた
      • 要は、つまらない本に時間をかけることはムダ。つまらない本は、ほどなくしてわかるので、わかった時点でその本は離れるべき、というもの
      • 私も全てのつまらない本に対して実施しているわけでないが、断片的に実施していた術
      • 所詮2,000円くらいの本なわけだが、本を買ったコストだけでなく、自分の時間のコストも本を読むことにはコストがかかっているわけで、後者はコントロールできるので、しないとね、というお話
    • 読む時間を仕組みとして決める
      • 忙しい人が沢山の本を読んでいる
      • どう読んでいるか、というと、朝5時から難しい本を読む。朝1時間。寝る前の1時間。移動時間は本。というように決めている
      • そのように一日の過ごし方の中に仕組みとして、決め込んでいれることで、読書によるベースラインを一定以上に上げている、わけですね
「読書」の意味合いを今一度再認識し、より密度の濃い読書の仕方を取り入れ、大量にインプットを取り込んでいくか、を考える上で、一読の価値はあるかな、という内容でした。