2013年12月8日日曜日

ブログのお引越し先

そういえば、ですが、はてなブログに引越しています。
まだ、引越最中で、今年中には、全て移行しようかな、と。

RSS等の登録をされている方は、下記に変更をお願いしますmm

たけしの華麗なる消費生活
http://takeshikarei.hatenablog.com/

2013年11月17日日曜日

「働く」人 (「ゼロ」堀江 貴文)

堀江貴文氏の「ゼロ」を読んでみた。その流れで、「稼ぐが勝ち」も読んでみた。堀江貴文氏の今と過去の両方を読み比べることができて、この読み方はオススメかもしれない。

結局、今も昔も、堀江貴文氏は、「働く」人、のようだ。「働く」ことで、社会との接点を得て、社会を変えることに面白さを感じることができて、他方で、その取組みの中から、自分のレゾンデートルを見いだしている。

でも、これって、多くの人がそうなのではないかな、とも思うのですよね。「働く」ことの意味。要は、「働く」ことの意味を明確に意識しながら働くことができているか、そうすることで、「働く」ことにフルコミットしているのか、できているのか、という部分が違いなのかな、と思いました。

  • 新聞配達からはじまり、塾講師、パソコン、そしてインターネットと起業。少しずつ自らの自由を拡張し、「できること」を増やしていった。その過程で本当の仲間も手にいれていった。働くことは、自由へのパスポートだ
  • 人生には、「いま」しか存在しない。過去を振り返っても事態は変わらず、未来におびえても先には進めない。かけがえのない「いま」に全力を尽くすこと。脇目も振らず集中すること。将来の自分とは、その積み重ねによって形成されていく
  • 挑戦と成功の間を繋ぐ架け橋は、努力しかない
  • 物事をシンプルに考え、原理原則に従うこと、そして理性の声に耳を傾けること
  • 1日は24時間しかないからこそ、しっかり8時間眠る。そうすると実質1日16時間しかなくなる。無駄なことはできないし、無駄を省こうとする意識付けができやすくなる。そして、しっかりと睡眠がとれると、日中の集中力が段違いに高まる。仕事の質は、「集中力時間」で決まる
  • 人は、「仕事が好きだから、◯◯に没頭する」のではなく、順番は逆で、「◯◯に没頭したから、仕事が好きになる」のだ
  • チャンスは誰にでも平等に流れてくる。とるに足らない些細な選択の積み重ねによって、人の人生は決まってくる
上記は、「ゼロ」からの抜粋なのだが、「稼ぐが勝ち」との重複も多い。「働く」ことの行動習慣は昔からあまり変わらないということ。しかし、読み比べてみると、社会との関わり方であり、コミュニケーションの仕方については、変わってきているようだ。会社としての認知向上のフックとしての「稼ぐが勝ち」とは異なり、失敗と学びを基に、ゼロからもう一度働き始め、続けるといったスタンスからの違いなのだろうね。

なんにせよ、「働く」人であり、「働く」ことのプロ、であることには違いありませんね。私は、「ゼロ」を読んでから、「稼ぐが勝ち」を読んだのですが、逆の順番の方が良いかもしれませんね。

2013年11月16日土曜日

何も諦めない「今」を積み重ねる生き方 (「川本裕子の時間管理革命」川本裕子)

これまた、マッキンゼーの川本裕子さんの著書。最近は、何かの本を読んでみて、結構良い内容だったら、その著者の本をブルドーザー的に読んでいく傾向がありますね。


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人生は有限である。当然のこと。しかし、毎日家で起きて朝ご飯を食べて仕事に行き、仕事から帰ってきて夕ご飯を食べて床につき、そしてまた朝起きて朝ご飯を食べて会社に行く・・・。そんな毎日を過ごしていれば、そんな毎日が、この先もずっと続くのかどうかすらも考えず、人生は有限であるという当たり前のことも忘れがちになる。

しかし、人生は絶対的に有限であり、「今」は今にしかなくて、今しかできないことが沢山ある。自分だけでなく、周りの全ての人やモノゴトは時間の経過と共に変わっていってしまうもの。その唯一無二な瞬間の重なりをどう過ごしていくか、を考えることは、時間の使い方を考えることとイコールであるとも言える。

そんな中、「今」を過ごして行く上で、何も諦めない「今」を積み重ねるための考え方と工夫が詰まっている本なのかな、と思う。所謂コンサルティングのアプローチを、時間の使い方に適用した本質的な内容と、トップレベルのナレッジワーカーである川本さんの時間の使い方の創意工夫なtipsが沢山あるという意味で、結構リッチな内容になっている。

重要な要素を幾つかあげると、主に、3つ。
  • 出口から考える
  • 問題は書き出して整理する
  • 時間は総量管理し、作ったスケジュールは忠実に守る

ゲームは、ゴールをあげることが大事であり、パスをつなげることではない
仕事でもプライベートでも何でも良いが、何かをするときには、必ずゴールがある。例えば、資産運用の本を読む場合は、その本を置いた次の瞬間には申し込みをする、といった自分に適した資産運用方法を見つけることが主なゴールになる。よって、そのゴールに関係がある箇所を読むことが最短ルートになる。その著者が、なぜ資産運用方法の本を書くに至ったか、というような頁稼ぎのチャプラーであったり、自分とは環境が異なるセグメント向けの資産運用方法のチャプターを今読んでも意味がないわけである。

つまり、ゴールをあげるためにしないといけないことは何であるかを明確にし、それを実行することが大事なわけである。そうすることで、ムダなプロセスは省かれ、自分がかける時間は相当短縮化され、それにより他の大事なことに時間を充てることができる。

これをシャープに精度良く高いレベルで遂行することはなかなか奥が深い世界。構造化思考や仮説思考や、プロジェクトマネジメント等の基本スキルについて、スポーツにおける基本能力の底上げと同様に、常に磨き続けることが大事であり、中長期的に影響力があることなのかなと思う。


案ずるより書くが如し
コンサルティングではホワイトボードやら紙やらに、問題を書き出すことが多い。問題は書き出して整理する、は自分の思考を可視化することを意味するが、それにより、現状を構造的に明記し、その中の問題の位置付けを整理し、その上で、解決策を考える、というのが通常のプロセスが企画を中心とした仕事であることを考えたとき、理にかなったことだと思っている。だから、ある程度、込み入った問題の場合には紙に書き出すことが多いと思う。

しかし、最近私は、書き出しのハードルを下げていて、かなりの対象について書き出すことにしている。シャープにモノゴトを遂行したいと考えたとき、書き出すことによる可視化は、どんなにシンプルなことでもその時点の現状や次点の課題特定や解決策立案、そして実行計画が自然と明確になることから、一連の遂行プロセスがシャープにスピーディに進めることに繋げることができると思っているため。小さなことでもこれをちゃんと実施することで、単位時間あたりに片付けられる仕事量は相当あがると思う。


24時間×7日間を計画し、実行し、継続する
ちょうどこの本を読む少し前から運用し始めていた。Google Calenderをベースに。私がやり始めた意図は、集中するため。スケジュールに、会議もタスクも全て入れ込む。そして、その時間帯では、その会議やタスクに集中する。集中するために、書き込んでいた。

この本で推奨されているのは、少し観点が異っていて、仕事もプライベートについても、計画を立てて、忠実に守ることを進めること、にある。しないといけないことや、したいことが優先順位やメンタリティのアップサイドやダウンサイド等も含めて計画し、スケジュールに落とし込んでいく。そのスケジュールを着実に実行することは、目的達成に直結しているわけで、理にかなったこと。プライベートでも、仕事でも、その計画を遂行することが、自分が望む時間の過ごし方とイコールになるわけなのです。


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と、色々と書いてきたけど、上記について、高い精度で遂行していくことはなかなか難しいこと。時間の使い方は、計画と実行を繰り返し、試行錯誤の上で、改善し、その精度を高めていくことが大事だと思う。先を見通して、自分がしたいことをスケジュールに落とし込みつつ、「今」に集中して、そして、楽しんで、人生を積み重ねることができたら、それは、幸せなのではないか、と思ったわけです。

2013年11月7日木曜日

面白い!を第一に (ソフトバンクモバイル)

ソフトバンクモバイルのCMは、vodafoneからソフトバンクモバイルになって以来、面白いCMが多くて、注目度合いが強い。認知率は勿論想起率もかなり高いことだろう。昔、何かで読んだが、ソフトバンクモバイルのCMの企画を担っているシンガタの佐々木宏さんが、とにかくCMでは目立つ、と話していた。確かに、毎回毎回目立ってるよ。

で、最近のCMが半沢直樹。まさかのドラマからのスライド。これはゼロベースに近いアイデアですね。半沢直樹のドラマ自体とても楽しく見ていたのですが、このCMも気に入っています。特に、こちらの一個目の会議室編。


「いいか、勝ったのはソフトバンクじゃない。ソフトバンクのユーザーだ。」

  • 半沢直樹が「言いそう」な言葉回し
  • それでいて、ソフトバンクがとても言いたいメッセージ
の二点をうまく結びつけている所が巧み技です。半沢直樹が目立つのだけど、それに負けず劣らず、ソフトバンクのアピールポイントも目立っている。そして、くすっと笑える。こういうのをセンスっていうんだよね、きっと。

そういえば、ソフトバンクて、半沢直樹」で堺雅人の奥さん役だった上戸彩もいるじゃん。近いうちに、コラボること必至ですな。

2013年11月4日月曜日

毎日子供と一緒に本を読む、という習慣 (「親子読書のすすめ」川本裕子)

マッキンゼーで活躍し、今は早稲田大学大学院の教授である川本裕子さんによる、「親子読書のすすめ」。彼女は、日本で最も多忙なワーキングマザーの一人でしょう。彼女が、子供と一緒に読んだ本というだけでも、とても興味深いですし、コラム的な形で、彼女のお子様方が小さかった時の苦労話や工夫話も興味深く読めます。



親子で読む本については、今風で言えば、キュレーション、のようなモノになるのでしょうか。具体的には、季節や月別に本を厳選し、概要を紹介されているので、本リストの一つとして、何か良い本がないかな、と思った時に、当該月を中心に探してみて、子供の興味が持てそうな本を選んで、買ってみたり、借りてみたりしたら良いと思います。

この本の背景としてあるのが、夜、寝る前に一緒に本を読むという習慣。毎日最低一冊は一緒に本を読んでから寝る。この習慣により、母と子が同じ時間と空間を共有し、同じテーマについて一緒に考える機会を定期的にもうけることが出来るのは、母子の関係において、とてもポジティブだと思いました。加えて、この習慣により、毎日物語りを読んで、その物語の内容について考えを巡らせることになるわけですから、子供の言語能力や思考能力を鍛えるのにもとても役立つと思います。良い習慣ですね。

彼女がワーキングマザーど真ん中の頃の話(今では、中学生や高校生になっている模様)は、どんなに優秀な人でも、子育ては大変なんだな、と勇気付けられますね。子供との時間、そして、家族との時間を大切にしながら、仕事も頑張るわけですが、時々心が折れることもあるでしょうが、そんな時には、こんなことで頑張れるようになれる、みたいな話で、小さな話なのですが、良いですね。仲間だね!と勝手に思っちゃいます。読んでて、うれしくなりました。


2013年11月3日日曜日

nendo design = 最強の右脳と左脳による非常識なMethodology × 超プロフェッショナルなAttitude (「ウラからのぞけばオモテが見える」佐藤オオキ nendo)

正直、読む前の本への期待値を大幅に越える内容でした。デザイン事務所nendo代表の佐藤オオキ氏とnendo自体の思考と行動に迫った内容なのですが、世間に流布する常識からはかなり異なる方法論 | Methodologyと、その背景にある右脳と左脳間でアウフヘーベンが起きまくっている思考 | Think、そして、根底にあるプロフェッショナルな姿勢 | Attitudeは、元々想定していた新進気鋭のデザイン事務所から想像する華やかなイメージからは、かけ離れた内容になっていて、驚きました。

佐藤オオキ氏は、早稲田大学理工学部建築学科を首席で、そして大学院も卒業。私も早稲田の理工で年次がかぶっているので、大久保キャンパスで4年間一緒だったようです。そういえば、かなり背が高い人が建築学科の方にいたような。というような記憶はさすがにないわけですが。あのキャンパスを一緒に過ごした人たちの中から、このような活動とパフォーマンスをしていることは、嬉しい限り。


佐藤"オオキ"と佐藤"可士和"
さて、みなさんは、デザイン事務所に、どんなイメージがあるでしょうか?少し特殊な日常を過ごす中で、キラリと光るアイデアが生まれ、そのアイデアを美大出身の人が、得意とするアプローチで、形にして、世に出て、みなが目にする。そんなイメージがあったりするように思います。

最近注目を集めているのが、佐藤可士和氏。彼はそんなイメージとは対極のアプローチをしている。クライアントであるトップとの対話を通じて、トップや企業、そして、商品・サービスの課題に迫り、その企業や商品・サービスの時系列的な実績や行動を分析し、コンセプトを固め、コミュニケーションにおけるグラフィックデザインに落とし込まれていく。そのアプローチは、コンサルティングファームにも通じる、論理的で本質的なアプローチ。普通の美大出身の人にはできないでしょう。小さい頃から長い間、整理、というキーワードに基づいて自分の行動であり思考をしてきた佐藤可士和氏だからできること。普通のデザイナーにはできません。

では、佐藤オオキ氏のデザインとは、どのようなものなのか?本質的には、佐藤可士和氏に近いと思います。企業や商品・サービスに対して、論理的で分析的、そして多面的に本質に迫ります。具体的には、全ての店舗で、その会社の一つのメッセージを作ろうとするアプローチや、商品ラインアップを全体で統一性を持たせてブランディングを高めるアプローチ、等。そうすることで、企業側からのメッセージ性を強くしているのと同時に、競合との差別化であり模倣のリスクをミニマイズすることも考え尽くした上でのアウトプットになっているので、なかなかのものです。


非常識なアイデア創出・実現の方法論
しかし、具体的なデザインをしていく段階で、とてもユニークな点を感じさせられました。大きく二つ。
  • アイデアを出すために目的意識は持たない
    • 何かの情報が欲しい、という目的意識を持つことで、関連する情報が目に入りやすくなる。所謂カラーバス効果。本を読む時も、街を歩く時もどんな時も、常に目的意識を持たないといけない、と普通考えがちです
    • しかし、佐藤オオキ氏は、アイデアを出すために何か特別のことはせず、常に脳を空にすることを意識して、日々のルーティンの中から、違和感に気づくことを大切にしている。頑張って目的意識を持つことで、その目的以外の面白いアイデアには気づかずに、アイデアは逃げていってしまう。だから、目的意識を持って焦点を絞って毎日を過ごすのではなく、広い世界を見える様にする
  • 100点をいきなり取ろうとしない
    • 「70点」のアイデアを沢山見つける
      • 100点のアイデアを見つけようとすると、ホームランか三振になってしまう。失敗しないことがプロとしての最低ラインである中、100点を取ろうとすることは、リスキー
      • アイデアを出す天才ではないことを自分でもわかっているので、エグゼキューション能力を高めている。最終成果物はアイデアだけではできなくて、エグゼキューションがあって、両者の掛け算。アイデアが100でも、エグゼキューションが50の場合、結果は50点になる。しかし、アイデア70、エグゼキューション100だと、結果は70点になる。クライアントがどちらに満足するかは、明白
      • そして、アイデアのパフォーマンスはばらつきが出やすい(100のときもあれば50のときも)が、エグゼキューションのそれは安定的(100をキープしやすい)
    • クライアントの期待値を超えるプレゼン資料を「三倍速」でまとめる
      • 時間をかければ良いモノができるという法則はない
      • 通常の三倍速でアイデアを形にすれば、同じスケジュールで三倍速でアイデアを形にすれば、同じスケジュールで三倍の量を提案できるし、そうでなくても、1/3の時間を提案にかけて、残り2/3の時間を軌道修正にあてて、完成度をあげることができる

目的意識は持たない。そうすることで、幅広い気づきを得る
上記一つ目の目的意識を持たない話は、とても印象的でした。結局、他の誰でもない自分が何か新しいことを生み出すことを考えた場合、何かのテーマがあったとしても、そのテーマに対する解を出す段階で、色々な要素を盛り込むことになる、つまり、創造とは、何かと何かを組み合わせることで新しいモノができることだと思いますが、実は、その片方の要素というのは、このような気づきから、生まれるのだろうなと思わされたからです。

実は、私も、一時期、日常生活の文脈の中での「気づき」については、はまったことがあります。とある、会社でのプレゼンでもそんなスピーチをしたことがあるのですが。しかし、その「気づき」にはまるだけではなくて、その「気づき」を何かの創造の一要素に確実につなげていく、ということはできていなかったな、と読んでいて思いました。

また、アイデアで100点をとらないことを心がけている点にも、驚きを感じます。佐藤オオキ氏であり、nendoは、世界的なデザインの賞を幾つもとってきているからです。100点をとろうとしていないのに、100点、つまり、世界的なデザインの賞をとれているってこと?!というわけです。

しかし、この算数は正しくないですね。佐藤オオキ氏の100点が、世界的な水準での100点とはイコールではないということです。これは、佐藤オオキ氏たちの考える100点がとても高いということもあるとは思いますが、先程のアイデアとエグゼキューションの掛け算の結果が、評価対象となる最終成果物の点数になる、ことに通じると思います。

この世に出ているモノやコトというのは、沢山の人が妥協せずに創りあげているわけですが、その過程で、なんらかの理由により、品質が下落していく要素は多分にあるということだと思います。そう考えてみると、アイデア70、エグゼキューション100の時間の掛け方や、ケーパビリティの開発の仕方、についても、磨く余地があるのかな、とも思いました。


圧倒的なスピードで、成功を引き寄せる
スピードの話は、コンサル業界でよく使われる、quick and dirtyとほぼ同じ。本中には、試作品を高速で作る話があるのだけど、この点は、世界的なデザインファームである、IDEOのプロトタイプの考え方にも近い。

特徴的なのは、試作品を超スピードで作っている点。企業側からオリエンテーションがあった3-4日後には、試作品ができている、というスピード感。オリエンが終わったら直ぐに、オリエン中にできた佐藤オオキ氏のアイデアから、試作品制作に取りかかるというムダのなさ。全体のアイディエーションもディレクションもこなす佐藤オオキ氏が海外にいたとしても、FEDEXで試作品を滞在ホテル先に送りつけ、判断と改善を推進していく超スピード。

ここで実現している超スピードの背景には、クライアントとの信頼構築・期待値コントロール、デザインプロセスや物理的なオペレーションプロセスの磨き込み、根底となる品質に対するコミットメント、実力重視の人材登用・活用、等様々な要素が混在した結果になります。

デザインだけでなく、デザイン事務所であり、高付加価値ビジネスの運営という意味でも、非常に示唆に富んだ内容だと思います。


厳しいプロフェッショナルな姿勢
そのようなアプローチの方法論について、とても興味深く読んでいたわけですが、やはり、方法論だけでは、世界レベルには到達しませんし、継続的なパフォーマンスを出して行く機会も掴むことができません。左脳と右脳が同居し、その両者が高次元で闘うことで、最高のパフォーマンスを出しているわけですが、その根底には、デザインや仕事に対する姿勢 | attitude があります。
  • 妥協は最大の不名誉。クライアントから指示されてからではなく、気づいたことを全力で行う。この「全力」が大事。自分たちが120%納得できていないとクライアントは100%満足させられない
  • あらゆるプロセスで手を抜かず、徹底してデザイン案を検討する。そのために、できるだけ精巧な試作品を常に高速で作る。そうすることで、より具体的で質の高い会話をクライアントとし、より良いデザインに繋げることができる
  • 他のデザイナーよりも優れた武器を持っているとは思わない。できることを生真面目にひたすら一生懸命やる。どこのデザイン事務所よりもデザインのことを考えている時間が長いだけ

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Coolで涼しい顔で、センスの良いデザインをどんどん出していく、イケてるデザイン事務所。その背景には、超最高の方法論と姿勢があるわけですね。とても、興味深くこの本を読みました。かなりレビューが長くなりましたが、具体的な方法論については、ここではあまり紹介していませんので、是非、一度、この本を読んで頂ければと思います。

2013年11月2日土曜日

予定調和を壊し続ける (「リーガルハイ」フジテレビ)

実に面白いドラマ。一年前の前作では、こんなエントリーをしていたみたい。

 勝つことのみ善。

ラグビー全日本 元監督であり、三井住友銀行の元執行役員でもあった故 宿澤広朗氏の言葉ですね。勝たないと仕方なくて、勝たないと見えない出来ないことがあるわけです。そのために用意周到な準備を施し、絶対に勝つわけです。

と、いきなり話がずれました。法廷での審議が進む過程で、視聴者を裏切り続け、最後には必ず勝つ。水戸黄門ですね。エキセントリックな主人公 古美門のキャラに加えて、人間のキタナイ部分を包み隠さず、しかしポップな軽いタッチで表現しつつ、テンポの良いスピード感のある演出で重層的で奥行きを持たせていて、全く飽きないドラマでした。

しかし、今回の「リーガルハイ」。初回で、いきなり古美門を負けさせました。不敗神話を初回で覆す展開。ちょっと予想していなかったですね。水戸黄門的な展開で全然満足していたのに。しかし、実に面白い回が続いています。毎回のストーリーはこれまでを超える表裏も書き切った秀逸な展開が。

今クールを横串で繋いでいる魔性の女小雪はちょっと勘弁で、仲間由紀恵はオファーしたのか、という感じですが。今回新しく加えた、岡田将生のキャラクターは良いですね。前作は、元事務所所長との法廷闘争が中心で、キタナイ元上司であり立場的には強い相手を古美門が倒す、という立ち位置でしたが、今回は根っからの正直者の若手と戦うというダブルな二項対立を持ち出した所に変化を付けています。

勿論、岡田将生のキャラ付けも、アメリカ帰りのメルヘンな事務所に仕立てていて、バカらしくて笑えるようになっています。論理をベースとした法廷でのやり取りとのバランスをうまくとっていますね。色々な要素を盛り込むが、絶妙のバランスで、作品自体を食傷気味に陥らせない所が、脚本家 古沢良太氏の腕が光っているところですね。

ということで、前回を上回る面白さになっています。かの秋元康は、予定調和を壊すことがエンターテイメントである、と言ってしますが、そういう意味では、この作品は、最高のエンターテイメント作品になってますね。毎週存分に楽しみたいと思います。

2013年10月29日火曜日

伝統的な場所に、伝統的な食が重なった味(「薮蕎麦」浅草)


そもそも、浅草自体久し振りだったのだけど、いつの間にか、外人の観光客が超増えていますね。道行く人の20-30%が外国人のイメージでしょうか。浅草駅に到着するや、駅のホームには外人客ばかりいるし、地上に出ても同様な状況。浅草寺にも行ったのですが、お土産屋も外人客への販売に力を入れているのか、アルファベット表記も目立ちましたね。焼きそば等の屋台にも「YAKISOBA」等と書かれていましたからね。隔世の感がありました。

で、昼ご飯に訪れたのが、薮蕎麦。昔家族でたまに来ていたお店。自分の家族と来たのは始めてでした。せっかく浅草に来たので、浅草っぽいご飯を食べたかったので、こちらに。

薮蕎麦(外観)

時間は、12時少し前だったのですが、10分程で中に入れました。食事を終えて外にでた12時半くらいには、15人くらいならんでいたのでしょうか。やはり人気店ゆえ、訪問する時間帯には注意が必要だと思います。

で、中に入ったら、天ざるを注文。1,700円とそこそこするわけですが、久し振りに浅草に来たのですから、最も良いメニューを注文しないとですね。ちなみに、隣のテーブルの人は、海苔を食べていました。なぜ、海苔を、と思ってしまうトコロですが、お酒のおつまみに海苔を食べるのですよね。何枚で1セットかわかりませんが、この焼き海苔は、700円します。えぇ、なかなかクオリティの高いお店なわけです。

さて、天ざるが到着しました。蕎麦の歯応えが絶妙で美味しい。蕎麦汁は少し辛くて刺激的。天ぷらは、ししとうが一つに、海老が四つも入っていて、リッチな感じ。当然揚げたてでホクホク。この味を四回楽しめるのは贅沢。1,700円の価値は十分あるわけですね。

天そば



また、おもてなしの力も高い。席数に対して、店員さんが多くて、4-5人はいらっしゃって、お客さんの動きを待っているわけですが、みな、おもてなし力は高くて、こちらの動きに対して、迅速で、自然な、サービスを提供されます。この自然さ、というのが品を感じさせるわけですね。伝統がなせる技とでも言うのでしょうか。

ということで、かなり満足度が高いランチでした。浅草を訪れる際には、是非、といったお店でございました。



2013年10月27日日曜日

仕事で人を感動させたい (「人を感動させる仕事」前刀 禎明)

著者である前刀 禎明氏は、なんだか自分に似ている人なのだろうな、と勝手に思っていた。SONY -> Bain -> Disney -> AOL -> 起業 -> Apple -> 起業、といった経歴なんだけど、転職の多さと、各企業の種類であったり尖り具合はかなり似通っている。

そして、マーケティング思考であり、Business Developmentを生業としているトコロ。勿論、私の方はまだまだ未熟なのだが、仕事に対する価値観や、仕事で実現したいことが近しいのだろうな、と思っていた。

で、このタイトルの本。「人を感動させる仕事」。私も、いつからか、仕事を通じて、人を感動させたいと思う様になって、仕事をするようになっていたので、この本を目にしたとき、即購入、となったわけです。



前作の「僕は、誰の真似もしない」のように、この本全体を通じて、自分の言葉を使って、メッセージングされていて、かつ、自分の経験に基づいて得られた気づきが語られていて、とても印象深い内容が多かった。

幾つか印象に残ったトコロを残しておこうと思う。

  • 「見る」「視る」「観る」「俯瞰してみる」
    • 「見る」は、漠然と視野に入っている。「視る」は、「何だろう」という気づきも含めてみている。「観る」は、徹底的に観察する。「俯瞰してみる」は、客観的に冷静にあらゆる角度からみる
    • 局面や対象によって、「みる」を使い分けることで、価値のある洞察を得ることができるだろう。ベースとしては、問題意識を常に持つことで、「視る」や「観る」量を増やすことが大事。加えて、「おや」「なぜ」というような直感的な疑問を大事にすることも重要
  • 必ず自分が「体験」する
    • 五感で感じ取って、感じたことを記憶に留めて、引き出しに入れる
      • 五感というのが大事で。歩きながらiPodを聞くと感覚をフルに使えなくなるので、やめるべき
    • やはり、「体験」することが大事なのだと思う。「体験」するのと、しないのとでは気づきの量が格段に異なる。しかし、「体験」しないで済ますことは結構多い。ちょっと心が動いたような対象物に対して、「体験」していれば、もっとリアリティのある気づきを得ることができるというのに、時間や金か何かのなんかしら言い訳をして「体験」しない。これは、とてももったいないことなので、どんどん「体験」していきたい、と思う
  • ライバルは、SONYの盛田昭夫、井深大、ウォルトディズニー、スティーブジョブズ
    • 簡単には辿り着けないレベルにいる人たちをライバルにおいて、彼らを意識しながら仕事をし、発憤材料にする
    • 先に書いてあるような人たちは、ライバルというよりかは、憧れにする人が多いと思うけど、そこが違うトコロ
  • 妥協せず最高を追求する
    • 世界を人を動かすために、三つの要素をあげている
      • 情熱とビジョンを持つ
      • 妥協せず最高を追求する
      • 自分の体験を信じる
    • この二つ目の妥協せず最高を追求するの文脈であげていた、Appleのデザイン担当役員のジョナサンアイブの言葉は真なり
      • Most of our competitors are interested in doing something different, or want to appear new — I think those are completely the wrong goals. A product has to be genuinely better. This requires real discipline, and that’s what drives us — a sincere, genuine appetite to do something that is better.
      • 誰かを意識し過ぎではいけなくて、最高とは他に惑わされることのない真実のことなのかもしれなくて、それを常に現状を否定して追求していくことなのかもしれない
  • 常に情熱を燃やせること
    • iPod miniのプロモーションが大成功して、Appleであり前刀氏を見る目が一変した。そうした時、その状況に酔いしれるのではなく、早くアップルを辞めないといけない、と思ったという。実際程なくして辞めている
    • 最高のコンフォートゾーンを抜け出して、新しいことに挑戦して、もっと感動しようと思ったのだ
    • 自分と常に対峙し、内なる声を大事にし、自分を信じることができていないと、なかなかこのような行動はとれないだろう

2013年10月25日金曜日

読書と思考 (「戦略読書日記」楠木 健)

部分的に積読していたのですが、全般的に積読しました。結果、結構面白いと思いました。ご一読をオススメします。

「ストーリーとしての競争戦略」という売れた本を出した、一橋大学教授の楠木 健氏の読書感想文、ならぬ、戦略読書日記。「戦略」と書かれているのはご愛嬌ですね。私は、「ストーリーとしての競争戦略」を読んでいないのですが、この本を読んでいると、著者の人柄がよくわかる。大学教授なのに型にはまらず、ユニークな視点で、洞察を得ていく感じ。先にご愛嬌と書いたように、「戦略」読書日記、というタイトルを付けても許せるな、と思いました。


ということで、この本は、読書感想文なのですが、よくもまあ、これだけの読書感想文を書けるなぁ、といったリッチな内容になっています。

いきなり少し前の話なのですが、とても優秀な人と一緒に仕事をしていました。彼と一緒に仕事をしていた時には、「考える」ことについて、とても考えさせられたかな、と思います。一つの情報を得て、何かの意見を発するわけですが、その意見が、色々な目線で、色々な情報と接続して、ユニークだが腑に落ちる示唆に富んだ内容だったので、こういうことを思考力というし、頭が良い、知性がある、ということなのだろうな、と思わされたわけです。

一つの領域だけでなく、多領域に股がる情報について、浅薄でもなくある程度の深いレベルまで収集されていて、かつ、キレイに引き出しにストックされている。そして、ある情報を入手した時には、既にある引き出しから、関連する情報を即座に出してきて、うまくコーディネートしてくれるな、と思わされたわけですね。京都大学理学部で脳科学の研究で博士まで行く人ってこんなか、って感じで。

それに、近い感覚を少し感じました。正確には、先の彼よりも、幅広い知性を有していると感じさせられたわけではなくて、職業柄得られる情報のアービトラージ等も含めた、ユニークな意見であり捉え方が面白かったりするのですが、まあ、それも有りかな、と思いました。

ちなみに、ロングインタビューにある「僕の読書スタイル」というのがなかなか面白い。難易度で本を3レイヤーに分類し、各レイヤーに属す本を同時並行的に読み進め、読書をして読書をする、つまり、難しい本を読んだら、少し易しい本を読んで、という流れで、10時間とか読書をし続ける、話とか。仕事の文脈以外で、本を年間300冊程読むらしいですが、その読書スタイルもなかなかユニークでしたね。仕事以外で、年間300冊で、この本にある読書感想文レベルで思考も巡らすと、なかなかの脳運動だと思いますが。「思考」で勝負している人の読書スタイルを読んでみるというのも面白いかもしれませんね。

2013年10月24日木曜日

自分が欲しい帽子を買うなんて、ステキすぎるんじゃないだろうか?(CA4LA 表参道)

前からオーダーメイドの帽子を創りたかったのですよね。自分が本当に欲しいと思える帽子に出会ったことがないので。帽子屋には、売場スペースの問題もあれば、そもそも自分が欲しいと思えるデザインが自分で明確になっていないから、自分が欲しい帽子に出会うわけがない、というのもあるのだと思う。

そんな問題を解決できるのが、オーダーメイドなのだけど、帽子のオーダーメイドについては、たまに探していたのだけど、なかなか良い帽子屋が見つからなかった。しかし、久し振りに検索してみたら、CA4LAがオーダーメイドを始めたようで、見つけて、早速行ってみた、というわけ。ちなみに、表参道店しか、オーダーメイドはやっていないので注意が必要。

ということで、CA4LA 表参道店のオーデーメイド体験記を書いておきます。

まず、予約から始まります。いきなり表参道店に行っても受け付けてはくれません。ここで注意しておくのは、メールフォームからではなく、表参道店のアトリエに直接メールをすること。転送とかしてくれないので、何度もメールを打つことになってしまうので、直接アトリエにメールしましょう。

さて、メールのやり取りをしていく中で、オーダーメイドをする日時が決まるわけですが、このやり取りの中で、希望の帽子の種類が決まっているようなら教えて下さい、というお話を先方から頂きます。勿論決まっていなくても良いと思いますが、こちらのページを見て、自分なりにイメージを湧かせておいて、幾つかの帽子の種類を目当てしといた方が、お互いスムースに話が進んでよいと思います。

そうして、いざ、表参道店へ。スーツやYシャツこそ、何度もオーダーメイドをしてきましたが、帽子のオーダーメイドは人生で初だったので、ちょっと緊張しました。そして、CA4LAの表参道店は、表参道ヒルズのすぐ横にあるわけですが、オサレ度も高く、緊張を助長する感じがあります。

しかし、実際に、デザイナーの方とお話してみると、物腰柔らかで、あまり緊張しなくなりました。かなり丁寧にニーズを拾ってくれて、時折提案もしてくれる感じ。元々、かなりふんわりしたイメージしか持って行かなかったのですが、周りに展示されてある帽子でイメージを擦り合せていって、加えて、色々な素材や色を出してくれる。

さらに、こちら側が、これがいいかも、的な発言は基本は受け入れてくれますが、変になりかねないチョイスについては、「ちょっと奇抜になってしまうかもしれません」と言って、ナチュラルに誘導してくれる。なかなか心地よかったです。これぞ、オーダーメイド。

そんなわけで、帽子ができました。というのは、先走りでして、もう直出来上がりでございます。なかなか楽しみですね。この待っている時間てやつが、オーダーメイドの醍醐味なのですよね。

2013年10月21日月曜日

3日でおむつとサヨナラした方法 (おむつ離れ)

小さな子供を育てていると、イベントは盛り沢山で毎日が楽しくて仕方ない。その中には、子供の確かな成長の一面に遭遇することで感動的なことだったりするのだけど、その感動的な一面に遭遇するために、親側の努力を必要とすることもあったりする。そう、3歳児の親の一大事。

 おむつ離れ

おむつにサヨナラをすることは、とても大変だと話を聞いていたのだけど、私達の場合は、首題の通り、3日でサヨナラすることができたので、情報共有として、書いておきますね。

大元は、「一日でおむつがはずせる」という本の内容を、出来る限り実践したのですが、その概要はこちら。

  • 当日以前:おむつ離れの練習は全くしない
  • 当日:
    • 「今日からパンツだよ」と言って、いきなりパンツにする
    • 玩具を片付け、テレビは付けないで、トイレの練習のみに集中する
    • おしっこの出る仕様の玩具、または、人形にスポイトを付けて、おしっこの実演(手本)をみせる
    • 15分程したら、パンツをチェックする。この時に、
      • おしっこをしていなかったら、ジュースかお菓子を少量あげる
      • おしっこをしていたら、批判する
        • 批判とは、直情的に怒ることではない
        • 「おしっこはトイレでするものですよ」「パンツをぬらしてはいけませんよ」と、建設的に、思考をリードする
    • 濡らした始末は、子供にさせる
    • また、再度、おしっこの実現(手本)をみせる。また、子供も一緒に、実演自体に携わる。
    • そして、15分程したら、パンツをチェックする・・・(あとは同じ)
    • これを一日中繰り返す
この手法のキーポイントとしては、こちらがあるのかな、と思っています。
  • 批判する
    • 子供は、おしっこをちゃんとしないと怒られる、というネガティブな観点をテコに取組むのではない
    • おしっこをすることは、トイレですることである、ということを何度も丁寧に言われることで、頭で理解する
  • 濡らした始末は、子供にさせる
    • トイレにおしっこをしないことには、ペナルティが発生するということを、身を持って知ることができる
    • トイレでおしっこをすることに対する動機付けに繋がる
  • おしっこをしていなかったら、ジュースかお菓子を少量あげる
    • パンツにおしっこをしないことへのご褒美をあげることで、パンツにおしっこをしないことが正しいことと認識する
    • ジュースをあげることで、おしっこの頻度を増加させ、練習の機会を増やす
プロセスの一つひとつの意味合いを理解して実行しないと、無理矢理子供につらいことをさせてる雰囲気になり、お互いつらくなるのかな、と思います。

私達のケースでは、厳密に、上記の通り実施できたわけではない。違う点としては、こちらのみ。
  • 当日以前に、何回か練習した
  • 玩具やテレビもつけていた
  • 濡らした始末は、子供にさせなかった
結果、3日で、おむつとサヨナラすることができました。なんだかんだで一週間くらいかかるのかな、と思っていたので、意外に短くて驚きました。宜しければ、上記の内容を参考にして頂いて、取組んで頂ければ。

2013年10月20日日曜日

一歩先をゆく読書の仕方(「野蛮人の読書術」田村耕太郎)

そもそも、読書をすること、の意味合いとして、著者の田村耕太郎氏は冒頭にこのようなことが書かれている。
  • 「生き抜く術」を最も低コストで手に入れる方法が読書
そして、本の中で取り上げられている、賢者の読書術の一人である、ライフネット生命会長の出口治明氏は、このように語っている。
  • 人間が学ぶ方法は3つしかない
    1. 人にあって話を聞いて学ぶ
    2. 自分の脚で出向いて世界から学ぶ
    3. 活字を読んで学ぶ
  • この中で圧倒的に効率が良いのが、3.の読書であり、時空間を超えて実行可能なのでとても有効
仕事をしていると、1.の量が多くて、インプットとアウトプットのコンバージョンが高い人をたまに見るが、目の前の仕事だけではなく、大局的であったり多面的な企画や判断をすることを考えた時には、3.によるインプットが必要だし、大事なのかな、と思う。

どちらにしても、自分が知り、学び、向上するために、効率的に情報をインプットすることができる、そして、思考することができるという意味で、読書というのは有効だな、ということですね。

さて、この本のメインである読書術についてだが、賢人の読書術のインタビューを書き起こしたパートがあるのだが、その中で良いなと思った点を、まとめておきました。
  • パラグラフリーディング
    • 一つの段落には一つの主張がはいっていることが多い。それは、パラグラフの最初と最後にある。だから、そこだけを読む
    • 恐らくTOEICの勉強をしたことのある人は、この読み方を学んだことがある人も多いのだろう
    • 日本語は、このような構造に即している場合ばかりではないのだけど、効率的、つまり単位時間で良い情報を入手する、という意味では確率的には有りな読み方
  • 「書き出し」読書術
    • 読書というのは、目的意識がないと意味がほとんどないわけで、その目的を明確にし、ちゃんと達成されたか否かを緊張感を持って実践するという術
    • ノーベル賞を29人も輩出しているアメリカのシンクタンクのランド研究所の方の読書の仕方
    • 本を読む時は、読む前に、この本で何を獲得したいか、を徹底的かつ具体的に記述する。そして、本を読んだ後は、実際に学べたことを書いて、読む前に書いたことと比較してチェックする
    • この仕方は取り入れようと思った。勿論目的を持って読書はするわけだが、上記のように、「徹底的かつ具体的」に明文化することで、シャープに目的を達成できたかいなかがわかり、その読書の意味合いを評価することが出来て良い
  • 効率的で継続的な仕組みとしての読書
    • 最初の50ページがつまらないと捨てる
      • 5ページ、としている人もいた
      • 要は、つまらない本に時間をかけることはムダ。つまらない本は、ほどなくしてわかるので、わかった時点でその本は離れるべき、というもの
      • 私も全てのつまらない本に対して実施しているわけでないが、断片的に実施していた術
      • 所詮2,000円くらいの本なわけだが、本を買ったコストだけでなく、自分の時間のコストも本を読むことにはコストがかかっているわけで、後者はコントロールできるので、しないとね、というお話
    • 読む時間を仕組みとして決める
      • 忙しい人が沢山の本を読んでいる
      • どう読んでいるか、というと、朝5時から難しい本を読む。朝1時間。寝る前の1時間。移動時間は本。というように決めている
      • そのように一日の過ごし方の中に仕組みとして、決め込んでいれることで、読書によるベースラインを一定以上に上げている、わけですね
「読書」の意味合いを今一度再認識し、より密度の濃い読書の仕方を取り入れ、大量にインプットを取り込んでいくか、を考える上で、一読の価値はあるかな、という内容でした。

2013年10月19日土曜日

老若男女が幅広く楽しめるアミューズメントパーク (あらかわ遊園)

あらかわ遊園」というアミューズメントパークをご存知でしょうか?HPを見に行って頂ければおわかりだと思いますが、キャッチコピーが、「わくわくメルヘンランド」とあり、行くと、わくわく、そして、メルヘンな気分になるパークでございます。

というのは、漠然としすぎていて、よくわかりませんね。基本は、遊園地なのですが、動物園もあり、釣り堀もあり、首題の通り、老若男女が興味の強いコンテンツを、それぞれが楽しむことができるアミューズメントパークなのかな、と思いました。

遊園地や動物園等の一つひとつは結構コンパクトにおさまっているので、本格的なコンテンツを求める人には若干物足りなさがあると思います。しかし、小さな子供と一緒に行くならば、子供の興味にささる内容が、遊園地にも動物園にも十分あるので、興味関心のピーク状態で、それぞれを楽しむことができるのかな、と思いました。コンパクト、という言葉があうコンテンツ。

三連休中に行ったのですが、それほど混んでもいないで、あまり待ったずに乗り物に乗れました。ですので、通常の土日はなおさらストレスレスに楽しむことが できるのではないでしょうか。

若干古い施設だし、場所も都電荒川線の荒川遊園地前というなかなかニッチな立地にあることもあり、そもそも知らない人が多いことでしょう。私自身も親に連れて行かれて始めて知ったわけで。

しかし、コンテンツがリッチで、他方で混んでいてなかなか乗り物に乗れない施設とのメリット・デメリットと比較すると、そこまで悪いわけではないかな、とちょっと応援気味な要素は入っていますが、思いました。あー、今日はどこに行こうかなー、先週は●●で混んで大変だったなー、というような少しまったりしたい、だけど、子供にはちゃんと楽しんでもらいたい、といった週末に、訪れてみるのが良いかもしれませんね。

2013年10月17日木曜日

「おかあさんといっしょ」のコンサートに行く方法

小さな子供をもつ親になったら、「おかあさんといっしょ」のコンサートに行ってみたい、と思うのは一度や二度ではないと思いますが、この夏行ってみました。うちの子供も3歳になるのですが、「おかあさんといっしょ」のど真ん中世代に入ってきたこともあり、本気でコンサートに行こう、と思い立ち、夏休みにいったわけです。

で、コンサートに行く方法、ですが、結論としては、応募すれば行けます。応募するか、応募しないか、でしかない話ですね。Just Do It。しかし、全ての人に当てはまる話でもないかもしれませんね。

この夏のコンサートに向け、私が応募したのは二つ。
  • 千葉県のとある市でのコンサート
  • 埼玉スーパーアリーナのコンサート
当たったのは、後者の方。これは、「スペシャルステージ」という大規模なコンサートで、土日各二部で開催しているタイプ。さいたまスーパーアリーナなだけに、一部だけでも集客人数はとても多いわけで、全4部もあれば相当な人数。かなり当たる確率は高まるわけですね。かつ、私の家は、夫婦各自で応募しました。念には念を入れて。結果、二セット当たりまして、友人に一セットは譲るという流れになりました。

他方で、前者のコンサートは、当たりませんでした。そもそものハコが小さい上に、首都圏近郊の人が応募しているでしょうから、相当な倍率だったことでしょう。なかなか難しい。

ということで、最初の話になりますが、応募すればかなりの確率で当たることでしょう。おかあさんといっしょを体感することができます。確率を倍増するために、夫婦で、または祖父母も、といった形で倍率を高めるのは常套手段であって、まあやるべきでしょう。

ちょっとでも行きたいと思ったら、応募した方が良いと思います。中身については、詳しく書きませんが、ディズニーランドと同じレベルの満足感を得られますので。

2013年10月16日水曜日

アニメがドラマに攻め込んだ (「安堂ロイド」TBS)

キムタクの新しいドラマ。半沢直樹の名残でビデオに撮れていたので、見てみました。所感としては、結構面白かったかな、と思います。

ドラマの世界観として、異質さを感じました。時空を超えた究極のラブストーリー、とうコピーがある通り、近未来的であり、IT的SW的であり、そして、アニメ的な創りがあるからかな、と思います。製作陣を見てみると、庵野秀明や「エヴァンゲリオン」の鶴巻和哉等がいるので、彼らの思想が入っているようですね。納得な感じ。そんな異質さを際立たせようとした演出が目立つわけですが、桐谷美鈴や本田翼は、アニメ的な異質感を出そうとするけど、演技力が追いつかないで厳しいかな、という風でちょっと切なかったですね。

その流れで、役者陣について書いてみると、キムタクはちょっと厳しかったですね。アンドロイド役はまあ有りでしたが、天才物理学者は天然さを創ろうとしたけど、ただ抜けている人みたいな感じになっちゃいました。全然天才物理学者ではないですよね。どう好意的にみても。他方で、柴咲コウは良かった。見ていて、安心できる。この柴咲コウとキムタクのタッグは、"GOOD LUCK"以来なわけですが、正直、新鮮さはゼロで厳しいかなと、見る前は思ったわけですが、見てみると、柴咲コウが頑張ってて、一応有り、なレベルまで来ていました。柴咲コウはなかなか良いですな。

ちょっとネガティブな調子で書いてきていますが、冒頭にも書いている通り、結構面白かったと思っています。今までに見たことがない感覚を受ける。時空を超えているので、当然近未来的なテイストがされているのだけど、まあ、そこそこなCGが出来ているので、近未来感がちゃんと担保されている。やっぱりアニメ的マンガ的なわけですが、AKIRAとか見たことないけど、実写版になったら、こんな感じなのかな、とか思う。

そんな第一回の視聴率は、19.2%だったようですね。これが高いのか低いのか、というのは人それぞれかもしれませんが、個人的には、キムタクのドラマとしては低いと言えると思っています。

まず、わかりやすさ、はとても大事だと思います。このドラマを誰が見ているのかというと、結局30代が中心なのかな、と思うけど、今の30代てそんなにアニメとかはみないし、そこまでITのリテラシーが高い人もそこまで多くないと思うことを考えると、近未来感は出すのだけど、わかりやすさを自然に担保しないと厳しいかな、と。

あと、やはり、時間の軸を一つ入れると、見ていて混乱することは多いと思う。未来については、ある程度まで、謎を持たせるので、混乱してしまう。ドラマを見ていて、自分がドラマの世界の中のどこにいるか、を認識しながら見れていない可能性がある。これは、良い面もあるかもしれないけど、悪い面もあるのかな、と。

あとは、第一回で、未来警察の人があと10人いるという話をしていたことから、容易に推察できる、あと10回未来警察の人とキムタクが戦う、というお決まりのパターン。お決まりのパターン自体は良いと思うのだけど、いきなり全11回のドラマです、というのをドラマの中でご連絡頂かなくてもいいかな、と思いつつ。そんなお決まりのパターンの中でも、謎めいた部分を如何に適切な量で、視聴者に提供していって、面白さを感じてもらうか、が大事なのかな、と思いました。

まあ、第二回も見ようかな、と思います。

2013年10月14日月曜日

「運」とは何か? (「絶対ブレない「軸」のつくり方」南壮一郎)

「運」て何なのでしょう?

運がある/ない、運が良い、とかたまに話があがるのだけど、一体、「運」とは何なのだろう?そんな話を書いているのは、こんな記事を読んだから。

よく「南さんて運がいいですね」と言われますが、僕はあまり運を信じていません。仮にそんな運のようなものが人生や仕事にあったとしても、そんな非効率な前進を待つよりも、チャンスや機会を自らの行動で掴み取った方が早いです。ちなみに、自分の想像を超える何かが起きて欲しいなら、普段の自分の行動パターンと違うことを仕掛け続けたら、普通に起こると思います。

ビズリーチの南壮一郎さんのコメント記事。なかなか真理だと思います。

自分が期待していることを早期に叶えられたとき、運が良いと思うのかもしれません。例えば、宝くじで2億円があたった時、運が良いと思われる。例えば、会社を立ち上げて、1-2年程度で軌道に乗って、採用がどんどん増えていくような状態になった時なども。

しかし、本当に「運」と言えるのは、宝くじに当たることくらいかな、と思います。考えるに、自分がコントローラブルな範囲が僅少な中で、期待にミートできた時だけ、本当に運が良いと言えるのかな、と思います。

他のケースでは、コントローラブルな範囲が少ないと思っていても、実はコントローラブルな範囲は結構あって、その範囲内で頑張り続ける人は、期待にミートできる確率が上がっていく、ということなのかな、と思います。

南壮一郎さんは、どんどん行動し続けて、コントローラブルな範囲を拡げ続けていった。行動する中で得られる情報を活かし続けて、そして行動し続けて、成功にアドレスし続けた。人の10倍は頑張っているでしょう。しかし、その頑張りの一部しか見えない人にとっては、南壮一郎さんは「運」が良い人に見えてしまうのかもしれません。

結局、「運」はあるとかないとか、良いとか悪いとか、ではなくて、自分が「運」を引き寄せるための行動をし続けることができたかできなかったか、という捉え方になるのかな、と思います。

2013年9月9日月曜日

エグゼクティブと新書 (「聞く力」阿川佐和子)

※タイトルにある本とは前々関係のないお話。

私が大学生の頃。とある電機・エンターテイメント会社でインターンシップをしていて、とあるサービスのマーケティングを考えていた。ターゲットセグメントになりきって、どのようなサービスであればうれしいのか、を学生なりに必死に考えていたのだけど、学生であり、ムダな知識がなかったせいか、カスタマーセントリックな本質的なアプローチをしていたかもしれない、とか回想しちゃったりする。

その時、とある方にヒアリングに行った。日本で最も権威のある高級ホテルの役員をされていた方で、色々なコネクションをつたって、彼にアプローチしたのでした。色々なお話をしたのだけど、脱線してお話された内容が、ひっかかった(サービスとは全く関係がないのだけど)。

彼は、新書を読みなさい、と仰っていた。彼は、毎日、会社の行き帰りでは、新書を読んでいる、と。逆に、新書以外は何も持たずに、新書だけを持って、通勤しているとのこと。毎日通勤の時に読んでいると、当然だが、色々な領域の新書を読む。新書は、色々な業界の色々なテーマの本があるので、色々な知識が入ってきて、知見が広がる。高級ホテルゆえ、日本だけでなく、様々な国の要職の方々と会話をする機会に、とても役に立つというお話だった。

新書なのがミソ。なのだと思う。新書は、素人にもわかり易いエントリーなお話が多い。全体像はわかりやすくて、基本的な内容に加えて、最新のトピックス等にも触れられていて、ポイントを掴みやすい。新書を沢山読むことで、知識の広がりを期待することができるわけですね。知識が広がれば、誰かに会った時に、相手に興味を持つことができるチャンスが増える。基本的な知識があるので、相手との話の基盤ができていて、適切な質問をすることで、内容を深堀することも可能だろう。そんな効用を話していたような、話していないような。

本を読む。では、何を読むか?興味がある領域について深堀する本を読むのも良いと思うけど、新書を読むのも良いかな。そんなお話でした。

2013年8月25日日曜日

ムダをなくすよ、渋滞学(「シゴトの渋滞学」西成 活裕)

結構前のことだが、日経ビジネスの人物特集で、「渋滞学」について研究している東大教授がいた。航空宇宙学か何かを元々研究していたが、最終的に行き着いたのが、渋滞学とのことで、年間10兆円以上の社会価値損失を生んでいる交通領域の課題を解決しようとしているという話であったと記憶している。

で、最近、本屋で目に入ったのが、こちら。渋滞の現象とその要因や解決のアプローチは、交通に限った話ではなく、個人個人の仕事であり、会社や経営にも応用が利くよ、という話。なんでも東大の改革に関しても、渋滞学の観点からアプローチをしているとのこと。



渋滞学の流れで出てくるのが、トヨタのカンバン方式。この周辺の話は、ムラ、ムリ、ムダ、をなくせ、という話とか、それなりに知っていると思っていたのだが、どうも明確に理解していなかった模様。
  • ムラがあるからムリをする。ムリをするからムダになる
ムラとムリとムダに関する腑に落ちる関係性。だから、ムラをなくすような標準的なプロセスや行動習慣を磨いて時間の過ごし方とアウトプットのベースラインを上ることで、ムリをなくせて重要なんだね、という、なんだか色々が繋がった感があったり。

また、渋滞学のキーポイント二つが、なかなか良いと思った。
  • 未来を予測しておくこと
  • かならず予定を踏まえて進めること
自動車の運転が上手なドライバーは、結構先の車までの状況を見た上で、アクセルやブレーキを踏むため、運転のペースは安定していて、渋滞は起きにくい。

他方で、仕事でも、先を見据えて計画的(この部分は、他に数点参考になるトピックスがありました)に仕事をこなすことで、余計なブレーキやアクセルがなく、周囲も含めて、安定した仕事、アウトプットを出すことにつながるよね、という話。

本書は、基本的には、渋滞学を軸とした話にしようとしているが、スピンオフ的に、筆者の仕事観や行動習慣等がポロポロ展開されていて、参考になる点も多かったですね。