2012年11月26日月曜日

心のスキを突く気の置けないヤツ (トミカ)

2-3歳の子供を持つ親にとって、トミカってヤツは本当に油断のならない会社である。繊細な造りをする模型は、子供の心を掴むだけでなく、お財布からお金を出す親の心もいとも容易く突き動かす。

幾つか例を出してみると、まずは、郵便車。とりあえずリアルさを認識頂けることだろうが、実物を見てみると、その質の高さに時間の過ぎるのを忘れてしまう経験をしてしまう。



で、蒸気機関車。なかなか精緻にできている。そして、レクサスIS。まあまあ、ここらへんは普通にいいよねー、的な。いいよねいいよねー、的な。



からの、水族館トラック!水族館でも、トラックでもなくて、水族館トラックて!!今まで見たことないよ、実物を!



ということで、上記はごく一部にしか過ぎないのだが、車という枠の中で現実世界を絶妙の確度でスライスして、精緻な模型に仕上げているトミカの魅力というか実力を垣間みられたのではないだろうか。

しかし、この模型の本当に油断のならないトコロは、玩具屋だけでなく、本屋等も販路としているトコロである。親が幾つかの本を見て、買ってみると、その近くの子供コーナーに、本屋であるにも関わらず、模型コーナーがある。自分が、求めていた本に出会い、手中におさめた中、子供にそんな時間をつきあわせてしまった引け目から、そのレジ横のトミカ模型コーナーに立ち寄ってしまい、一つ二つと買ってしまう。そういったケースは少なくない。

その一つの要因が、価格である。メーカー価格は378円。500円というワンコインを遥かに下回り、400円をも切る価格帯は財布を緩めるに十分なポイントなのである。しかし、この模型の種類の多さといったらなかなかのもので、フリークエンシーは高く、トータルコストはなかなか危険なレベルに達する。

そこで出てくるのが、Amazonである。Amazonには、トミカコーナーなるものがあり、かなりの安価さに仕上がっている。先の模型で言えば、
  • 通常価格:378円
  • Amazon価格:236円(▲38%)
普通に考えれば、Amazonで買わない理由はない。だから、クリスマスプレゼントは、間違いなくAmazonで買うべし、なのである。在庫薄になる前の11月に買うべし、なのである。しかし、こと模型については、店頭での引け目×衝動買い価格、というヤツによって、そんな経済的な判断がなかなかうまくできなくなってしまったりしてしまう。

そんな気の置けないヤツ。トミカの模型。まだまだ付き合っていかないと行けない代物。地味に、Amazonで幾つかのモデルを買っておいて、先の様な本屋店頭での引け目を感じた時には、鞄から、既に買ってあった新品のモデルを出して、子供に上げるという、時間差攻撃。とりあえず、次の機会には、この作戦を試してみたい。

2012年11月25日日曜日

19×19の世界の物語 (ヒカルの碁)

父と義父が、東大在学中から囲碁をやっていたということで、孫には囲碁を教えたいという話が出たりする。私も、小さい頃に少し嗜んだようだが、物心がついた頃にはやめてしまっていたようだが、自分の子供が囲碁をするのも悪くないかも、とか思ったり。そんな中、「ヒカルの碁」を手に取ってみた。一気読み。実に面白かった。9巻までが特に(集英社文庫全12巻で)。


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主人公は小学六年生の頃に、祖父の物置で、古い碁盤に遭遇し、平安時代の棋士であった亡霊 藤原佐為に取り憑かれる。藤原佐為は江戸時代に本因坊秀策にも取り憑いていたのだが、本因坊秀策は囲碁の歴史を振り返って最も強い棋士であったのではないかという位の強者。藤原佐為はとてつもなく強い棋士であったのだ。

主人公は藤原佐為と共存していく中で、近くの囲碁サロンで、同じ年齢の少年と碁を打つ。その少年は、名人を父に持ち、その年齢では圧倒的な実力であることから、同年代の大会にも出ず、棋院にも入らない天才少年であったのだが、藤原佐為の言うままに碁を打ったところ、主人公はその天才少年に勝ってしまった。主人公と天才少年とのライバル関係の始まりである。

最初は言われるままに、碁を打っていた主人公であるが、ライバルである天才少年に感化され、碁の面白さに目覚め、のめり込んでいき、自分で碁を打っていく様になる。また、取り憑いている藤原佐為からの碁の訓練を受け、とても速いスピードで、実力を上げていく。そんな主人公の成長の中で、やがて、藤原佐為は成仏され、主人公から去っていくのである。

主人公は、藤原佐為がいなくなったことで、自分を見失い、囲碁を打たないことを心に決めるが、ある時、囲碁を打たなければいけない状況になり囲碁を打ったときに、自分の中に、藤原佐為の棋風があることに気づき、自分の中に藤原佐為が生きていることを認識し、自分は碁を一生打っていくことを心に決めた。
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物語は、藤原佐為と碁を打っていく過程での主人公の成長であり、更なる高みへと持ち上げることができるライバルとの関係性の部分が核であって、物語のスピード感に惹き付けられる。また、Death Note、バクマン。の作画の小畑健の絵の美しさが物語を一段高いレベルに引き上げている。


2012年11月24日土曜日

1,000 books in your pocket (kindle store)

1,000 music in your pocket

11年前のiPodのキャチフレーズ。このキャッチコピーが全てを変えた。iPodの成功がなくして、今のAppleの成功もなかったのだから。このブログのタイトルは、そのコピーを倣っている。musicではなくbookであり、AppleではなくAmazonの話なのだが。



最近kindle whitepaperが盛り上がっているが、少し前から、kindle storeが始まった。マンガの第一巻が100円を切る値段とかで、利用のハードルを下げようとする取組み等がされているが、それほど価格が下がっているわけではないな、と思ったのは私だけだろうか?音楽の場合は、一曲250円(昔は200円)。CDのシングルが二曲で1,000円なので、一曲あたり▲50%の安価さであることを考えると、あまりコストメリットを感じられない人もいるのではないだろうか。

しかし、1,000冊をポケットに入れられることは、魅力には違いない。まだまだ品数が少ないのだが、何冊か買ってみた。隙間時間に何気なく読める本の選択肢が多い、というのはなかなか嬉しいことだな、と思う。更に、今の時代は、クラウドなので、いきなり便利。私は、kindle whtepaperを買ったわけではなく、apple製品でkindleのアプリを使っているのだけど、iPhoneでも、iPadでも、どちらでも読めて、状況に応じて最適なデバイスで読めるというのはなかなか魅力的だ。

でも、使ってみて思うのは、やはり三次元の本を、二次元の画面に制限する、というのは少々不便を感じるな、というもの。本に付箋を貼るとか、自分が読みたい所を自由に読める感覚とか、そういった三次元であるが故の魅力や便利さがなくなっているな、と。

まあ、今後、この領域でも色々な改善が加えられていくのだろう。個人的には、ゆるい本は、kindle storeで、という使い分けをしようかなと思っています。さくっと読む程度ならば、先の様な三次元的な魅力が低減されるのでね。

電子書籍にすることは、ほとんど工数が発生しない作業なので、今度加速度的に品揃えが増えるだろう。本好きには良い時代になりましたな。