2012年12月31日月曜日

段ボールの開梱に"美しさ"を宿す (ZARA)

子供服にも沢山種類があり、色々なメーカーが子供服市場で凌ぎを削っている。その中でも、個人的には、ZARAが好きだ(靴はミキハウスしか買わないけど)。ネットに掲載されているのを見て、買うケースが多い。KIDSとBABYとでセグメントは分かれるのだが、KIDSは店頭にも多くあるが、BABYを店頭に置いているお店は少ない。2-3歳の年齢なので、kIDSで合うサイズがあるのだが、BABYの方がカワイイのが多くて、よくBABYのモノをネットで買うことが多い。

しかしながら、ZARAはファーストファッションのリーディングカンパニーである。ファーストファッションは、よくマスコミ等では間違った説明がされているが、企画から製造、流通、販売のプロセスの期間が短くて、速いことからくる。売り切れ御免のファッションモノがほとんどで、品薄のモノが多い。GAPやUNIQLOと、H&M, Discover21、そしてZARAはビジネスの仕方が全く異なるのである。

と、そんなビジネスモデルの話を深堀るつもりはなくて、ZARAをネットで買物をした話である。ファーストファッションゆえ、availableなサイズは少なめなことが多い中、モノを選別し、とあるセーターとパンツを購入した。数日して、届いたモノは、なかなかの満足したものであった。しかし、そのことを書きたいのではなくて、段ボールのことを書きたいのである。

洋服を出す前の段ボール


洋服を出した後の段ボール


一目瞭然の美しさが、洋服を出した後の段ボールにあるのである。

洋服を段ボールから出す。元々段ボールにある折り目をもとに折り込むことから、段ボールを畳む段階で入れる力はゼロに等しい。そして、他の段ボールケースには、テープが貼ってあって、それをカッターか何かでカットしてから、といったケースが多いが、そのテープすら存在しない。折り畳むプロセスは固められており、かさ張ることもなくて、ゴミ出し前の収納も、ゴミ出しをする段階も、実に容易に済ませることが可能である。

以上が顧客目線からの特徴だが、ZARA目線で言えば、
- 段ボール自体において無駄がないことによる、積載効率向上による物流費減
- 段ボールのみの利用による無駄なツール(テープ等)を非利用による物流費減
- テープ等を用いない最小限の物流実現による環境負荷低減、そこからのCSR効果増
- 商品を受け取った時の上記顧客満足度向上による、リピーター増への寄与
等があり得るだろう。

これらを見ていて、思い出すのは、APPLEのパッケージング。APPLEは、顧客との接点全てに最上の経験を与えようとする。結果、パッケージングの概観、そして内部構成全てに感動的な細工をしていて、パッケージを開けた時の美しさから、APPLEの製品を買った喜びを感じさせられる、わけである。

ZARAに、そこまでの感動的な経験が内在しているかどうかは別だが、こういった取組みというのは、物流部門であったり、品質部門のボトムアップ的な取組みだけでは実現しにくいものであることから、会社ごとのトータルなエクスペリエンスデザインの考え方や品質への考え方が垣間みられるなぁ、と思えるわけで、そういった点を見つけられた会社に対しては、個人的にはかなりマインドシェアがあがるのですよね。

2012年12月24日月曜日

本質とは、変わらないモノのことを言う (「失敗の本質」野中郁次郎ら)

第二次世界大戦の敗戦要因の分析、及びリーダーシップにフォーカスした分析の二冊。



これらの本を読んでみると、組織として、競争環境下で、目的を達成する上で、障壁となること、そして、その中で必要となる要素、というのは、戦争も、企業競争も変わらないということがわかる。失敗の本質、というモノ。

失敗の本質を浮き彫りにする為に、第二次世界大戦の史実を丁寧に分析し、まとめあげたのが先の二冊であり、特に、「戦場のリーダーシップ編」は、現代の企業競争の文脈にも当てはめやすく、示唆に富んでいる内容となっている。

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少々唐突だが、一部の特出しとして、「戦場のリーダーシップ編」の冒頭にあるフロネティックリーダーと戦略に関する記載を以下に抜粋する。

  • 個別具体の物事や背後にある複雑な関係性を見極めながら、社会の共通善の実現のために、適切な判断をすばやく下しつつ、みずからも的確な行動をとることができる「実践知」のことをフロネシスという。そうした知を備えたリーダーがフロネティックリーダーだ。
  • 戦略の構想力とその実行力は、日常の知的パフォーマンスとしての賢慮の蓄積とその持続的錬磨に依存するのである。戦略は、すべて分析的な言語で語れて結論が出る様な静的でメカニカルなものではない。究極にあるのは、事象の細部と全体、コンテクスト依存とコンテクスト自由、主観と客観に向かって実践的知恵である。それは、存在論(何のために存在するのか)と認識論(どう知るのか)、あるいは理想主義とプラグマティズムを、実践においてダイナミックに綜合する賢慮そのものであろう。戦略の本質は、存在をかけた「義」の実現に向けて、コンテクストに応じた知的パフォーマンスを演ずる、自立分散的な賢慮型リーダーシップの体系を創造することである

戦略やリーダーシップの話は、そこら中に溢れているわけだが、上滑りしている内容のモノが多い。はて、戦略とはXXX、で、それは自分たちの目的を達成するのに本当に充足したモノなのだろうか、と。しかし、上記の内容は、一面的な定義に留まらない実践的な内容になっている、ということで、ちょっとひっかかったためですね。なかなか良いことが書かれています。


肉とおもてなし (大門 牛の蔵)

私はホスピタリティには、うるさい方だ。なぜか?と考えてみると、学生時代に飲食店で働いたり、クリスマスにケーキを販売したり、と接客業を経験してきたし、新卒で直ぐに国内営業の統括業務をしていたので全国津々浦々の営業マンの方々の礼儀作法の洗礼や現場でクライアントや最終顧客と接していく中で一つひとつの言動がビジネスを円滑にするし、最終的にお金を継続的に頂くことに繋がる、ということを知ったという実体験が大きく影響しているかもしれない。

しかし、普通に生活をしていると、おもてなし、がない人に遭遇することが多い。仕事をしていても、消費生活をしていても、ただ何となくの活動をしているだけで、相手が何を考え、求めているか、相手の背景には何があるか、を考えて、活動している人は少ない。何を提供するか、の前にこれらのことについて、感じ、考え、ときには、想像してみないと、相手の心を動かすような何かを提供することはできないのだが。

と、いきなり難しい話になったが、クリスマスイブに、大門の焼肉屋「牛の蔵」に行ったお話。今日のお肉は、グランドチャンピオンという賞を取ったお肉らしく、実にクオリティの高いもので、メニューの一部(赤み系)が用意できなかったりだったんだけど、ロースやカルビ等、脂がノリにのってて、素晴らしく美味しかったわけですね(後半に写真有り)。

で、ただでさえ、非常に美味しい焼肉だったのだけど、それに加えて、接客が素晴らしかった。これぞ、おもてなし、というヤツだな、と思った訳です。
- 超聞き取りやすい、音節音節でメリハリを効かせた話し方(しかし遅すぎるわけではない)
- メニューの内、今日だけの変化点について、適切な量の説明を提供
- 一枚目か二枚目のお肉を食べ終わった後に、早々に網を交換
- 烏龍茶を飲み終わったら、直ぐに、お茶またはお水を持ってくる
- 注文が出揃って、落ち着いたら、適当な注文取り
- 注文取りでは、過去の注文内容を踏まえた、レコメンドも提供
などなど、コミュニケーションの一つひとつを丁寧に拾い、それらの機会において、適切な情報や動作を提供していたわけですね。素晴らしかった。

私のテーブルをご担当されていた方だけでなく、店長の方も同様の質をもたれていたので、店全体で、おもてなし力が非常に高いのだと推察する。焼肉屋でこのレベルの接客を受けたことはない。段違いに凄いレベルのおもてなしだった。お肉がおいしい、そして、おもてなし力が高い、とくれば、リピート率は非常に高いことだろう。私もまた行ってみたいな、と思う。


最後に、お肉写真をば。ううむ、それにしても、実に美味しかったー。

こちらは、ロース。ロースでこんなに脂が入っているっていう。



中落ちカルビと、ハラミ。中落ちカルビはかなりヤバかった。


焼きしゃぶっていうモノ。しゃぶしゃぶの様なお肉を、焼いて食す。


2012年12月23日日曜日

虹色のCMと曲 (She's a Rainbow)

iMacのCM曲ですね。ローロングストーンズによるShe's a Rainbow。



なぜか、この曲が耳に蘇って、iTunesで買ってみました。当時は確か大学生の頃で、スティーブジョブズが復帰してすぐのプロダクトだったのではないだろうか。彼は、このプロダクトに、そして、このCM、この曲に、どんな思いを込めたのだろうか。

ローリングストーンズなのだけど、なんだかキラキラして、鮮やかな観賞後感を残すのよね、この曲。カラフルでポップなプロダクトととてもマッチしている。この時代のパソコンはゴテゴテして重々しいものばかりだったので、かなり異なるポジションをとったことだろう。

 

チラ見せの極み (COMME des GARÇONS)

最近iPhoneにしたせいか、毎日の生活の効率性がかなり向上した様に思う。そもそもの動作が速いし、User Centerd Designゆえ機能間がシームレスに繋がって、色々なコトの使い勝手の負荷が実に低いし、アプリがやはり良いし(アンドロイドとの違いはいまいち検証できていないけど)、容量がそこそこ多いのにしたので、アプリを制限無くDLしまくるし。

と、色々と良い所はあるのだが、中でもデザインが良い、というのがあるわけである。スティーブジョブズが頼りにしていたデザイナーであるジョナサンアイブによる徹底的なまでの洗練から生まれるデザインの美しさは、ジョブズがいなくなり、iPhoneが5になっても顕在なのである。

しかしながら、iPhoneにする前から私が抱いていたささやかな憧れ。それが、iPhoneケースをすることであった。iPhone以前のスマホは、そこまで売れているわけではないので、ケースの種類はそこまで多くなかった。他方で、iPhoneケースのバラエティの多いこと多いこと。中には、私も欲しいと思う秀逸なデザインのケースがあったわけである。

そんなわけで、iPhone5にしてからというものの、私はケースをちょこちょこ探していた。で、買ってみたのがこちら、でございます。





















COMME des GARÇONSのPLAYシリーズのフィリップ・バゴウスキーのオブジェをあしらったヤツですね。こちら、二個買いしております。どちらも捨てがたいデザインをしているのと、実は2,000円/個ということで、まあいっか、といった具合に。現状は、右のカラフルなモデルを使っていますね。左のは、セリフが多く入っているクールなモデルでこちらもなかなかいい感じ。その内換えたいと思います。

フィリップ・バゴウスキーのオブジェは、基本うるさいなと思ってて、Tシャツやらポロシャツやらを着ている人を見ていると、Rejectモードに入ってしまう訳ですが、スマホカバーのような小物で、たまにポケットから出して目に入る程度のフリークエンシーならありだろ、ということで、購入に至っているわけですね。これも、前にも書きましたが、気づく人が気づくんじゃね、ラインですね。チラ見せの極みなわけですね。いやー、もう、チラチラ見せていきますよ、これ。