2012年6月24日日曜日

勝つことのみ善 (リーガルハイ)

ドラマ「リーガルハイ」が面白すぎる。最近のドラマの中では、群を抜いて面白い。ドラマというよりかは、創り込んだ舞台か映画を見ているかのようだ。ちなみに、4-6月クールのドラマの視聴率はこのようになっている。
  • 平均視聴率:10.1 %
  • 最高平均視聴率 「鍵のかかった部屋」:15.8%
  • リーガルハイ 平均視聴率:12.4%
今クールの中で、概ね4-5位に入っており、大衆受けを狙っていない尖った内容なのにこの視聴率は、及第点を与えて良い点数と言えるだろう。

一度も裁判で負けたことの無い弁護士と人情派の新米弁護士が、法的な難関に挑み、必ず勝っていく水戸黄門的(?!)な法律ドラマだが、面白さが詰まりに詰まっている。一体、何が面白いのだろうか?

主人公の強烈なキャラクター
主演は、堺雅人である。早稲田大学時代に舞台を立ち上げ、舞台を中心に活躍した後、NHK大河ドラマ「新撰組」に出演し、お茶の間でも知名度を上げ、以降は、ドラマやテレビで堅調に活躍している役者の一人である。温厚な中でも熱さがある、という役が多い様に思うのだが、このドラマでは、これまでの彼のイメージを裏切りまくる大違いだ。一度も裁判で負けたことのない彼は、頭は切れるが傲慢で、ウソをつき、トラップをかけまくる。特異な髪型と巧みな台詞回しは、そんなキャラを助長し、非常に面白いキャラになった。脚本時点で相当面白いキャラだったのだが、堺雅人の細かい演出によって、そのキャラクターを完成させたと言って良いだろう。

論理と感性のアウフヘーベン
主人公の論理力は高い。その論理力を強みに裁判に勝っていくわけである。この世の中は、論理とは別の軸で動き、決まっていくことが多い。所謂常識や偏見である。常識や偏見に対して、精緻に事実を把握し、それらの事実を積み上げて、ほとんどの人が元々は考えていなかった様なことに対して、納得をさせていく。これは、論理力によって為せる技である。しかしながら、論理力があっても、その論理力を使うための事実がないと、常識を覆す様なことは起きない。そこで、出てくるのが、新垣結衣である。彼女も弁護士役なのだが、論理力というよりかは、感情や人情等の感性を大事にして、行動している。それらの考動によって得られる事実によって、主人公は常識を覆す論理的なストーリーを創り上げるのである。

大きくは以上の二つなのかもしれない。他に、新垣結衣が奮闘しているとか、生瀬勝久と小池栄子のチープなやり取りが良いとか、里見浩太朗が良い距離感でドラマに好感触な刺激を与えているとか、色々あって、それらが全体のクオリティを上げているとも言えるのだが。

クオリティ的には、ダントツに1位な内容だ。クオリティを考えるともっと高い視聴率でも良いのに、と思うがそれも致し方ないだろう。クオリティが高すぎて、内容についていけない人も多いだろうからだ。今視聴している顧客層はある意味コア人たちなので、それらの人向けに続編を早くリリースしてほしいものである。

さて、次回は最終回のようである。主人公は勝ち続けるのだろうか。最後に、新垣結衣にやられてしまう、というのは有りな話であるが、私は、主人公は勝ち続けるという展開を期待している。実に楽しみである。

2012年6月16日土曜日

着こなし力の見分け方の一つ (UNIQLO)

洋服については、何を着るかも重要だが、どう着るかも重要だ。全身ブランドで固めていても似合うわけでもカッコよいわけでもないし、とあるパーツ一つを取ってみても、サイズの選び方や他のパーツとのトータルコーディネートで似合うかどうかは変わってくる。そういう意味で、ある洋服の料理の仕方、つまりは、着こなし力というのは重要だ、と思う訳である。

自分の着こなしを振り返ると、大学辺りから洋服にはそれなりにこだわって、向上してきたように思う。オサレ友人と、代官山から新宿まで、明治通り沿いを中心に洋服を見まくって、選んでは失敗しつつ、自分が着たい服と自分に似合う服の両方を兼ね備えたモノを選べる様になってきたように思う。

他方で、バイトや大学で結構オサレな連中に囲まれていたせいか、見る目もなかなか鍛えられたような。バイト友達とか、欧州旅行で靴を十何足とか買ってるとか、服飾系の大学で自分で作るとか色々いて、そういった面でも毎回行くのが楽しかったものだ。

そして、大学の頃の友人も。四年時に配属された研究室はなかなか面白い人が揃っていて、90%以上は大学院に行く学科だったのに、30%しか行かなかったという強者揃い。そして、彼らはなかなかオサレだった。その中でも、ベンチマークしていたのは三人で、一人は自分に近い代官山や原宿のお店が多い系、もう一人はマルタンマルジェラしか着ない系、そしてもう一人は安い系だ。

この安い系というのがなかなかのもので。原宿系等の洋服も着るのだが、UNIQLOをうまく合わせてくるトータルコーデが非常にうまいというタイプ。例えば、UNIQLOのカーゴパンツを着ているのだが、それを9分丈で着る、とか。男だけど、ジーンズをストレッチで着て上にパタゴニアのショッキングイエローをダフッと着る、とか。
「それ、どこで買ったの?」
と聞くと、
「え?UNIQLO!」
という回答。ここに、着こなし力がある、と考えるわけですね。UNIQLOだけど、どこかのオサレブランドのモノではないか?と考えてしまうっていう。

実は、最近同じようなことがあって大学の頃を思い出して、このエントリーを書いてみた。とある海外出張先の週末に、尖った同僚と観光を。
  • ボブなんだけど、その内側は数ミリで刈上げ。ツーブロックどころではない雰囲気
  • 多面的な色遣いとシルエットを混在させた、世界の99.99%の人は着ない服を着る
  • でも、人間的にちゃんとしている
っていう面白い方。色々と話していて、ギャルソンが好きだとのこと。その日も上着はギャルソンを着ていて、靴は現地で買った現地っぽい靴を履いているのだが、これまた結構似合っている。さて、このストレッチのジーンズは、どこのだろうか?
「で、このジーンズはどこの?(x-girlだと勝手に思いながら)」
と聞くと、
「え?UNIQLOです!」
と・・・。着こなし力。そういうことなんですよね。


2012年6月3日日曜日

大人のツモリ (cat's TSUMORI CHISATO)

「ツモリチサト」というブランドを聞いてみると、やはり女のコのブランドだなー、って印象を持つ。店舗の作りであるとか、色遣いでデザインを見てみると、とてもカワイー感じでステキだ。大学生くらいの頃だったら、こんな服を彼女に着てもらうのもあり、とか思ったものだ(勿論合うコにはである)。

2003年から、「ツモリチサト」にはメンズのラインがあるのだが、自分には合わないブランドだと思っていた。女のコのラインを踏襲してて、中性的な男が選ぶブランドであって、決して自分には合わないブランドだと思っていた。

そこで、最近知ったのが、「cat's TSUMORI CHISATO」である。
  • フェミニンでハッピー、大人のためのファンタジー溢れるブランド
というコンセプトの下、2011年から新しく発売されたラインである。

実は、最近までその存在すら知らなかった。夏物のシャツを買おうと丸の内の路面店街に買い物に行った際に、zuccaの横のカフェがなくなっていて、ツモリに変わっていたのを見て入ってみて、このブランドに気づいたのである。

  • かわいさもあるけど、遊び心がある。そして、かわいすぎない、色遣いやデザイン
という第一印象であり。その30分後には色々な検討をした後に、二つのシャツ購入に至ったわけである。恐らく数年前なら買っていなかったのだけど、子供が出来て、ちょっとした可愛さにより敏感になったのと、このラインのデザインが子供に受けそうだなと思わせたのも購入決定要因に入ったようだ。

ブランドの展開て、結構難しくて、ファミリーブランドを幾つも作るけど、違いがわからないとか、そもそも違うブランドになってしまっている、とか元々のブランドとの位置付けが難しかったりすると思うのだけど、このブランドについては、元々のブランドとは異なるセグメントをうまく掴んだ商品展開をしているのでは、と。即買いした者として、それほど説得力もなく、結論付けさせてもらっちゃうわけですねー。