2012年2月24日金曜日

セブンイレブンのプリンが好き。。。 (セブンプレミアム)

セブンイレブン、ローソン、ファミリーマートと、大手コンビニ3社。各社が工夫をしてて、個人的には、3社とも許容範囲に入っているのだけど、弁当やパン等の食品類になると、セブンイレブンが一番いいなー、って思ってしまう。そんな人は多いのでは?ちなみに、私は、最近プリンがお気に入りだ。

コンビニ大手の一店当たり平均日販(2011)は、日経MJトレンドによるこちら。
  • セブンイレブン:62万円
  • ローソン:50万円
  • ファミリーマート:50万円
セブンイレブンは、ローソン、ファミリーマートよりも、一店当たりの平均日販が10万円(+20%)以上高い。冒頭のように、食品類の購買選択において、セブンイレブンを優先しているから?セブンイレブンの歴史と共に、もう少し見てみてみた。

まずは、セブンイレブンの一店当たり平均日販の経年推移を見てみる。
  • 1970年代:40万円
  • 1990年代:70万円弱
  • 2011年:62万円
他方で、セブンイレブンが取組んだ仕組み構築の変遷も見ていく。
  • 1970年代後半:多頻度小口配送
  • 1980年代:POSデータを活用した仮説検証型発注
  • 1990年代:取引先と商品開発するチームマーチャンダイジング
両者だけ(事業環境の内外の変化は乱暴に無視する)を紐付けて考えてみると、1970年代から1990年代にかけて、一店当たり平均日販を+75%まで増加を可能とした仕組みとして、多頻度小口配送と仮説検証型発注があると考えられる。POSデータで細かく分析し、仮説検証をしながら、適切な製品をきめ細かく発注し、販売するわけだが、これらを可能としているのが多頻度小口配送というわけだ。

しかし、1990年代以降、コンビニ店舗数は増加し、同一地域内の競争が厳しくなる。そんな中、範囲の経済として、他コンビニも含めて、情報端末や物流端末等の多機能化がはかることで差別化をしあっていく訳だが、セブンイレブンは、チームマーチャンダイジングにも取組んでいくことで主要な機能である商品販売を強化していった。要は、プライベートブランド(PB)の開発・販売だ。

POSで緻密に分析してみて、顧客の顕在・潜在ニーズにミートした商品を取り揃え、売上を増加させたいといった時に、既存のナショナルブランドだけでは不十分と考え、自分たちが主体的に商品開発をする必要が出てきた、というわけだ。また、一緒に開発することになるメーカー側も、セブンイレブンの販売力により可能となる工場稼働率の向上により利益増が見込めることは悪くない話であり、各領域で有力なメーカーが協力している。例えば、こんな感じ。
  • パスタ:日清フーズ
  • 牛乳系食品:オハヨー乳業
冒頭に、私はプリンがお気に入りだと書いたが、上述の通り、オハヨー乳業が製造している「じっくり直火の焼プリン」。オハヨー乳業は、モンドセレクションで金賞を連発している知る人ぞ知る乳業メーカー。この製品は、4つで198円のパッケージで、一つ50円弱の計算。通常1つ100円強のプリンが多いと思うが、この製品を知ってしまうと、他プリンはオーバーシュートしている製品としか思えなくなる。量は若干少ないのだが、オハヨー乳業の質の高い味でこの価格ならば、完全に満足できる量であり、これよりも量が多くても満足度はそれほど上がらない。POSデータを基にした緻密な分析により可能となる商品と言えるのではないだろうか。

他のコンビニも同じ様な取組みをしているのでは?勿論しているが、できるかどうか、どのレベルまでできるかは、トヨタ生産方式と同様に、別の話。セブンイレブンは、事実上の創設者であり会長である鈴木敏文氏により仮説検証型の仕事の仕方が染み付いているのだろう。こういった根本的な能力がなければ、例えアプローチが頭でわかったとしても、実行ベースではなかなかマネできない。

 

勿論商品開発はコンビニ経営の一側面であり、他の側面での闘いも意味はある。他コンビニ各社は、強みと弱みを両にらみしつつ、セブンイレブンに勝てる取組みが必要であるし、実際に取組みが見られる。そういった意味で主要3社の動きはとても面白いし、彼らの取組みを見ていくのは、結構好きなのですよね。