2013年12月8日日曜日

ブログのお引越し先

そういえば、ですが、はてなブログに引越しています。
まだ、引越最中で、今年中には、全て移行しようかな、と。

RSS等の登録をされている方は、下記に変更をお願いしますmm

たけしの華麗なる消費生活
http://takeshikarei.hatenablog.com/

2013年11月17日日曜日

「働く」人 (「ゼロ」堀江 貴文)

堀江貴文氏の「ゼロ」を読んでみた。その流れで、「稼ぐが勝ち」も読んでみた。堀江貴文氏の今と過去の両方を読み比べることができて、この読み方はオススメかもしれない。

結局、今も昔も、堀江貴文氏は、「働く」人、のようだ。「働く」ことで、社会との接点を得て、社会を変えることに面白さを感じることができて、他方で、その取組みの中から、自分のレゾンデートルを見いだしている。

でも、これって、多くの人がそうなのではないかな、とも思うのですよね。「働く」ことの意味。要は、「働く」ことの意味を明確に意識しながら働くことができているか、そうすることで、「働く」ことにフルコミットしているのか、できているのか、という部分が違いなのかな、と思いました。

  • 新聞配達からはじまり、塾講師、パソコン、そしてインターネットと起業。少しずつ自らの自由を拡張し、「できること」を増やしていった。その過程で本当の仲間も手にいれていった。働くことは、自由へのパスポートだ
  • 人生には、「いま」しか存在しない。過去を振り返っても事態は変わらず、未来におびえても先には進めない。かけがえのない「いま」に全力を尽くすこと。脇目も振らず集中すること。将来の自分とは、その積み重ねによって形成されていく
  • 挑戦と成功の間を繋ぐ架け橋は、努力しかない
  • 物事をシンプルに考え、原理原則に従うこと、そして理性の声に耳を傾けること
  • 1日は24時間しかないからこそ、しっかり8時間眠る。そうすると実質1日16時間しかなくなる。無駄なことはできないし、無駄を省こうとする意識付けができやすくなる。そして、しっかりと睡眠がとれると、日中の集中力が段違いに高まる。仕事の質は、「集中力時間」で決まる
  • 人は、「仕事が好きだから、◯◯に没頭する」のではなく、順番は逆で、「◯◯に没頭したから、仕事が好きになる」のだ
  • チャンスは誰にでも平等に流れてくる。とるに足らない些細な選択の積み重ねによって、人の人生は決まってくる
上記は、「ゼロ」からの抜粋なのだが、「稼ぐが勝ち」との重複も多い。「働く」ことの行動習慣は昔からあまり変わらないということ。しかし、読み比べてみると、社会との関わり方であり、コミュニケーションの仕方については、変わってきているようだ。会社としての認知向上のフックとしての「稼ぐが勝ち」とは異なり、失敗と学びを基に、ゼロからもう一度働き始め、続けるといったスタンスからの違いなのだろうね。

なんにせよ、「働く」人であり、「働く」ことのプロ、であることには違いありませんね。私は、「ゼロ」を読んでから、「稼ぐが勝ち」を読んだのですが、逆の順番の方が良いかもしれませんね。

2013年11月16日土曜日

何も諦めない「今」を積み重ねる生き方 (「川本裕子の時間管理革命」川本裕子)

これまた、マッキンゼーの川本裕子さんの著書。最近は、何かの本を読んでみて、結構良い内容だったら、その著者の本をブルドーザー的に読んでいく傾向がありますね。


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人生は有限である。当然のこと。しかし、毎日家で起きて朝ご飯を食べて仕事に行き、仕事から帰ってきて夕ご飯を食べて床につき、そしてまた朝起きて朝ご飯を食べて会社に行く・・・。そんな毎日を過ごしていれば、そんな毎日が、この先もずっと続くのかどうかすらも考えず、人生は有限であるという当たり前のことも忘れがちになる。

しかし、人生は絶対的に有限であり、「今」は今にしかなくて、今しかできないことが沢山ある。自分だけでなく、周りの全ての人やモノゴトは時間の経過と共に変わっていってしまうもの。その唯一無二な瞬間の重なりをどう過ごしていくか、を考えることは、時間の使い方を考えることとイコールであるとも言える。

そんな中、「今」を過ごして行く上で、何も諦めない「今」を積み重ねるための考え方と工夫が詰まっている本なのかな、と思う。所謂コンサルティングのアプローチを、時間の使い方に適用した本質的な内容と、トップレベルのナレッジワーカーである川本さんの時間の使い方の創意工夫なtipsが沢山あるという意味で、結構リッチな内容になっている。

重要な要素を幾つかあげると、主に、3つ。
  • 出口から考える
  • 問題は書き出して整理する
  • 時間は総量管理し、作ったスケジュールは忠実に守る

ゲームは、ゴールをあげることが大事であり、パスをつなげることではない
仕事でもプライベートでも何でも良いが、何かをするときには、必ずゴールがある。例えば、資産運用の本を読む場合は、その本を置いた次の瞬間には申し込みをする、といった自分に適した資産運用方法を見つけることが主なゴールになる。よって、そのゴールに関係がある箇所を読むことが最短ルートになる。その著者が、なぜ資産運用方法の本を書くに至ったか、というような頁稼ぎのチャプラーであったり、自分とは環境が異なるセグメント向けの資産運用方法のチャプターを今読んでも意味がないわけである。

つまり、ゴールをあげるためにしないといけないことは何であるかを明確にし、それを実行することが大事なわけである。そうすることで、ムダなプロセスは省かれ、自分がかける時間は相当短縮化され、それにより他の大事なことに時間を充てることができる。

これをシャープに精度良く高いレベルで遂行することはなかなか奥が深い世界。構造化思考や仮説思考や、プロジェクトマネジメント等の基本スキルについて、スポーツにおける基本能力の底上げと同様に、常に磨き続けることが大事であり、中長期的に影響力があることなのかなと思う。


案ずるより書くが如し
コンサルティングではホワイトボードやら紙やらに、問題を書き出すことが多い。問題は書き出して整理する、は自分の思考を可視化することを意味するが、それにより、現状を構造的に明記し、その中の問題の位置付けを整理し、その上で、解決策を考える、というのが通常のプロセスが企画を中心とした仕事であることを考えたとき、理にかなったことだと思っている。だから、ある程度、込み入った問題の場合には紙に書き出すことが多いと思う。

しかし、最近私は、書き出しのハードルを下げていて、かなりの対象について書き出すことにしている。シャープにモノゴトを遂行したいと考えたとき、書き出すことによる可視化は、どんなにシンプルなことでもその時点の現状や次点の課題特定や解決策立案、そして実行計画が自然と明確になることから、一連の遂行プロセスがシャープにスピーディに進めることに繋げることができると思っているため。小さなことでもこれをちゃんと実施することで、単位時間あたりに片付けられる仕事量は相当あがると思う。


24時間×7日間を計画し、実行し、継続する
ちょうどこの本を読む少し前から運用し始めていた。Google Calenderをベースに。私がやり始めた意図は、集中するため。スケジュールに、会議もタスクも全て入れ込む。そして、その時間帯では、その会議やタスクに集中する。集中するために、書き込んでいた。

この本で推奨されているのは、少し観点が異っていて、仕事もプライベートについても、計画を立てて、忠実に守ることを進めること、にある。しないといけないことや、したいことが優先順位やメンタリティのアップサイドやダウンサイド等も含めて計画し、スケジュールに落とし込んでいく。そのスケジュールを着実に実行することは、目的達成に直結しているわけで、理にかなったこと。プライベートでも、仕事でも、その計画を遂行することが、自分が望む時間の過ごし方とイコールになるわけなのです。


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と、色々と書いてきたけど、上記について、高い精度で遂行していくことはなかなか難しいこと。時間の使い方は、計画と実行を繰り返し、試行錯誤の上で、改善し、その精度を高めていくことが大事だと思う。先を見通して、自分がしたいことをスケジュールに落とし込みつつ、「今」に集中して、そして、楽しんで、人生を積み重ねることができたら、それは、幸せなのではないか、と思ったわけです。

2013年11月7日木曜日

面白い!を第一に (ソフトバンクモバイル)

ソフトバンクモバイルのCMは、vodafoneからソフトバンクモバイルになって以来、面白いCMが多くて、注目度合いが強い。認知率は勿論想起率もかなり高いことだろう。昔、何かで読んだが、ソフトバンクモバイルのCMの企画を担っているシンガタの佐々木宏さんが、とにかくCMでは目立つ、と話していた。確かに、毎回毎回目立ってるよ。

で、最近のCMが半沢直樹。まさかのドラマからのスライド。これはゼロベースに近いアイデアですね。半沢直樹のドラマ自体とても楽しく見ていたのですが、このCMも気に入っています。特に、こちらの一個目の会議室編。


「いいか、勝ったのはソフトバンクじゃない。ソフトバンクのユーザーだ。」

  • 半沢直樹が「言いそう」な言葉回し
  • それでいて、ソフトバンクがとても言いたいメッセージ
の二点をうまく結びつけている所が巧み技です。半沢直樹が目立つのだけど、それに負けず劣らず、ソフトバンクのアピールポイントも目立っている。そして、くすっと笑える。こういうのをセンスっていうんだよね、きっと。

そういえば、ソフトバンクて、半沢直樹」で堺雅人の奥さん役だった上戸彩もいるじゃん。近いうちに、コラボること必至ですな。

2013年11月4日月曜日

毎日子供と一緒に本を読む、という習慣 (「親子読書のすすめ」川本裕子)

マッキンゼーで活躍し、今は早稲田大学大学院の教授である川本裕子さんによる、「親子読書のすすめ」。彼女は、日本で最も多忙なワーキングマザーの一人でしょう。彼女が、子供と一緒に読んだ本というだけでも、とても興味深いですし、コラム的な形で、彼女のお子様方が小さかった時の苦労話や工夫話も興味深く読めます。



親子で読む本については、今風で言えば、キュレーション、のようなモノになるのでしょうか。具体的には、季節や月別に本を厳選し、概要を紹介されているので、本リストの一つとして、何か良い本がないかな、と思った時に、当該月を中心に探してみて、子供の興味が持てそうな本を選んで、買ってみたり、借りてみたりしたら良いと思います。

この本の背景としてあるのが、夜、寝る前に一緒に本を読むという習慣。毎日最低一冊は一緒に本を読んでから寝る。この習慣により、母と子が同じ時間と空間を共有し、同じテーマについて一緒に考える機会を定期的にもうけることが出来るのは、母子の関係において、とてもポジティブだと思いました。加えて、この習慣により、毎日物語りを読んで、その物語の内容について考えを巡らせることになるわけですから、子供の言語能力や思考能力を鍛えるのにもとても役立つと思います。良い習慣ですね。

彼女がワーキングマザーど真ん中の頃の話(今では、中学生や高校生になっている模様)は、どんなに優秀な人でも、子育ては大変なんだな、と勇気付けられますね。子供との時間、そして、家族との時間を大切にしながら、仕事も頑張るわけですが、時々心が折れることもあるでしょうが、そんな時には、こんなことで頑張れるようになれる、みたいな話で、小さな話なのですが、良いですね。仲間だね!と勝手に思っちゃいます。読んでて、うれしくなりました。


2013年11月3日日曜日

nendo design = 最強の右脳と左脳による非常識なMethodology × 超プロフェッショナルなAttitude (「ウラからのぞけばオモテが見える」佐藤オオキ nendo)

正直、読む前の本への期待値を大幅に越える内容でした。デザイン事務所nendo代表の佐藤オオキ氏とnendo自体の思考と行動に迫った内容なのですが、世間に流布する常識からはかなり異なる方法論 | Methodologyと、その背景にある右脳と左脳間でアウフヘーベンが起きまくっている思考 | Think、そして、根底にあるプロフェッショナルな姿勢 | Attitudeは、元々想定していた新進気鋭のデザイン事務所から想像する華やかなイメージからは、かけ離れた内容になっていて、驚きました。

佐藤オオキ氏は、早稲田大学理工学部建築学科を首席で、そして大学院も卒業。私も早稲田の理工で年次がかぶっているので、大久保キャンパスで4年間一緒だったようです。そういえば、かなり背が高い人が建築学科の方にいたような。というような記憶はさすがにないわけですが。あのキャンパスを一緒に過ごした人たちの中から、このような活動とパフォーマンスをしていることは、嬉しい限り。


佐藤"オオキ"と佐藤"可士和"
さて、みなさんは、デザイン事務所に、どんなイメージがあるでしょうか?少し特殊な日常を過ごす中で、キラリと光るアイデアが生まれ、そのアイデアを美大出身の人が、得意とするアプローチで、形にして、世に出て、みなが目にする。そんなイメージがあったりするように思います。

最近注目を集めているのが、佐藤可士和氏。彼はそんなイメージとは対極のアプローチをしている。クライアントであるトップとの対話を通じて、トップや企業、そして、商品・サービスの課題に迫り、その企業や商品・サービスの時系列的な実績や行動を分析し、コンセプトを固め、コミュニケーションにおけるグラフィックデザインに落とし込まれていく。そのアプローチは、コンサルティングファームにも通じる、論理的で本質的なアプローチ。普通の美大出身の人にはできないでしょう。小さい頃から長い間、整理、というキーワードに基づいて自分の行動であり思考をしてきた佐藤可士和氏だからできること。普通のデザイナーにはできません。

では、佐藤オオキ氏のデザインとは、どのようなものなのか?本質的には、佐藤可士和氏に近いと思います。企業や商品・サービスに対して、論理的で分析的、そして多面的に本質に迫ります。具体的には、全ての店舗で、その会社の一つのメッセージを作ろうとするアプローチや、商品ラインアップを全体で統一性を持たせてブランディングを高めるアプローチ、等。そうすることで、企業側からのメッセージ性を強くしているのと同時に、競合との差別化であり模倣のリスクをミニマイズすることも考え尽くした上でのアウトプットになっているので、なかなかのものです。


非常識なアイデア創出・実現の方法論
しかし、具体的なデザインをしていく段階で、とてもユニークな点を感じさせられました。大きく二つ。
  • アイデアを出すために目的意識は持たない
    • 何かの情報が欲しい、という目的意識を持つことで、関連する情報が目に入りやすくなる。所謂カラーバス効果。本を読む時も、街を歩く時もどんな時も、常に目的意識を持たないといけない、と普通考えがちです
    • しかし、佐藤オオキ氏は、アイデアを出すために何か特別のことはせず、常に脳を空にすることを意識して、日々のルーティンの中から、違和感に気づくことを大切にしている。頑張って目的意識を持つことで、その目的以外の面白いアイデアには気づかずに、アイデアは逃げていってしまう。だから、目的意識を持って焦点を絞って毎日を過ごすのではなく、広い世界を見える様にする
  • 100点をいきなり取ろうとしない
    • 「70点」のアイデアを沢山見つける
      • 100点のアイデアを見つけようとすると、ホームランか三振になってしまう。失敗しないことがプロとしての最低ラインである中、100点を取ろうとすることは、リスキー
      • アイデアを出す天才ではないことを自分でもわかっているので、エグゼキューション能力を高めている。最終成果物はアイデアだけではできなくて、エグゼキューションがあって、両者の掛け算。アイデアが100でも、エグゼキューションが50の場合、結果は50点になる。しかし、アイデア70、エグゼキューション100だと、結果は70点になる。クライアントがどちらに満足するかは、明白
      • そして、アイデアのパフォーマンスはばらつきが出やすい(100のときもあれば50のときも)が、エグゼキューションのそれは安定的(100をキープしやすい)
    • クライアントの期待値を超えるプレゼン資料を「三倍速」でまとめる
      • 時間をかければ良いモノができるという法則はない
      • 通常の三倍速でアイデアを形にすれば、同じスケジュールで三倍速でアイデアを形にすれば、同じスケジュールで三倍の量を提案できるし、そうでなくても、1/3の時間を提案にかけて、残り2/3の時間を軌道修正にあてて、完成度をあげることができる

目的意識は持たない。そうすることで、幅広い気づきを得る
上記一つ目の目的意識を持たない話は、とても印象的でした。結局、他の誰でもない自分が何か新しいことを生み出すことを考えた場合、何かのテーマがあったとしても、そのテーマに対する解を出す段階で、色々な要素を盛り込むことになる、つまり、創造とは、何かと何かを組み合わせることで新しいモノができることだと思いますが、実は、その片方の要素というのは、このような気づきから、生まれるのだろうなと思わされたからです。

実は、私も、一時期、日常生活の文脈の中での「気づき」については、はまったことがあります。とある、会社でのプレゼンでもそんなスピーチをしたことがあるのですが。しかし、その「気づき」にはまるだけではなくて、その「気づき」を何かの創造の一要素に確実につなげていく、ということはできていなかったな、と読んでいて思いました。

また、アイデアで100点をとらないことを心がけている点にも、驚きを感じます。佐藤オオキ氏であり、nendoは、世界的なデザインの賞を幾つもとってきているからです。100点をとろうとしていないのに、100点、つまり、世界的なデザインの賞をとれているってこと?!というわけです。

しかし、この算数は正しくないですね。佐藤オオキ氏の100点が、世界的な水準での100点とはイコールではないということです。これは、佐藤オオキ氏たちの考える100点がとても高いということもあるとは思いますが、先程のアイデアとエグゼキューションの掛け算の結果が、評価対象となる最終成果物の点数になる、ことに通じると思います。

この世に出ているモノやコトというのは、沢山の人が妥協せずに創りあげているわけですが、その過程で、なんらかの理由により、品質が下落していく要素は多分にあるということだと思います。そう考えてみると、アイデア70、エグゼキューション100の時間の掛け方や、ケーパビリティの開発の仕方、についても、磨く余地があるのかな、とも思いました。


圧倒的なスピードで、成功を引き寄せる
スピードの話は、コンサル業界でよく使われる、quick and dirtyとほぼ同じ。本中には、試作品を高速で作る話があるのだけど、この点は、世界的なデザインファームである、IDEOのプロトタイプの考え方にも近い。

特徴的なのは、試作品を超スピードで作っている点。企業側からオリエンテーションがあった3-4日後には、試作品ができている、というスピード感。オリエンが終わったら直ぐに、オリエン中にできた佐藤オオキ氏のアイデアから、試作品制作に取りかかるというムダのなさ。全体のアイディエーションもディレクションもこなす佐藤オオキ氏が海外にいたとしても、FEDEXで試作品を滞在ホテル先に送りつけ、判断と改善を推進していく超スピード。

ここで実現している超スピードの背景には、クライアントとの信頼構築・期待値コントロール、デザインプロセスや物理的なオペレーションプロセスの磨き込み、根底となる品質に対するコミットメント、実力重視の人材登用・活用、等様々な要素が混在した結果になります。

デザインだけでなく、デザイン事務所であり、高付加価値ビジネスの運営という意味でも、非常に示唆に富んだ内容だと思います。


厳しいプロフェッショナルな姿勢
そのようなアプローチの方法論について、とても興味深く読んでいたわけですが、やはり、方法論だけでは、世界レベルには到達しませんし、継続的なパフォーマンスを出して行く機会も掴むことができません。左脳と右脳が同居し、その両者が高次元で闘うことで、最高のパフォーマンスを出しているわけですが、その根底には、デザインや仕事に対する姿勢 | attitude があります。
  • 妥協は最大の不名誉。クライアントから指示されてからではなく、気づいたことを全力で行う。この「全力」が大事。自分たちが120%納得できていないとクライアントは100%満足させられない
  • あらゆるプロセスで手を抜かず、徹底してデザイン案を検討する。そのために、できるだけ精巧な試作品を常に高速で作る。そうすることで、より具体的で質の高い会話をクライアントとし、より良いデザインに繋げることができる
  • 他のデザイナーよりも優れた武器を持っているとは思わない。できることを生真面目にひたすら一生懸命やる。どこのデザイン事務所よりもデザインのことを考えている時間が長いだけ

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Coolで涼しい顔で、センスの良いデザインをどんどん出していく、イケてるデザイン事務所。その背景には、超最高の方法論と姿勢があるわけですね。とても、興味深くこの本を読みました。かなりレビューが長くなりましたが、具体的な方法論については、ここではあまり紹介していませんので、是非、一度、この本を読んで頂ければと思います。

2013年11月2日土曜日

予定調和を壊し続ける (「リーガルハイ」フジテレビ)

実に面白いドラマ。一年前の前作では、こんなエントリーをしていたみたい。

 勝つことのみ善。

ラグビー全日本 元監督であり、三井住友銀行の元執行役員でもあった故 宿澤広朗氏の言葉ですね。勝たないと仕方なくて、勝たないと見えない出来ないことがあるわけです。そのために用意周到な準備を施し、絶対に勝つわけです。

と、いきなり話がずれました。法廷での審議が進む過程で、視聴者を裏切り続け、最後には必ず勝つ。水戸黄門ですね。エキセントリックな主人公 古美門のキャラに加えて、人間のキタナイ部分を包み隠さず、しかしポップな軽いタッチで表現しつつ、テンポの良いスピード感のある演出で重層的で奥行きを持たせていて、全く飽きないドラマでした。

しかし、今回の「リーガルハイ」。初回で、いきなり古美門を負けさせました。不敗神話を初回で覆す展開。ちょっと予想していなかったですね。水戸黄門的な展開で全然満足していたのに。しかし、実に面白い回が続いています。毎回のストーリーはこれまでを超える表裏も書き切った秀逸な展開が。

今クールを横串で繋いでいる魔性の女小雪はちょっと勘弁で、仲間由紀恵はオファーしたのか、という感じですが。今回新しく加えた、岡田将生のキャラクターは良いですね。前作は、元事務所所長との法廷闘争が中心で、キタナイ元上司であり立場的には強い相手を古美門が倒す、という立ち位置でしたが、今回は根っからの正直者の若手と戦うというダブルな二項対立を持ち出した所に変化を付けています。

勿論、岡田将生のキャラ付けも、アメリカ帰りのメルヘンな事務所に仕立てていて、バカらしくて笑えるようになっています。論理をベースとした法廷でのやり取りとのバランスをうまくとっていますね。色々な要素を盛り込むが、絶妙のバランスで、作品自体を食傷気味に陥らせない所が、脚本家 古沢良太氏の腕が光っているところですね。

ということで、前回を上回る面白さになっています。かの秋元康は、予定調和を壊すことがエンターテイメントである、と言ってしますが、そういう意味では、この作品は、最高のエンターテイメント作品になってますね。毎週存分に楽しみたいと思います。

2013年10月29日火曜日

伝統的な場所に、伝統的な食が重なった味(「薮蕎麦」浅草)


そもそも、浅草自体久し振りだったのだけど、いつの間にか、外人の観光客が超増えていますね。道行く人の20-30%が外国人のイメージでしょうか。浅草駅に到着するや、駅のホームには外人客ばかりいるし、地上に出ても同様な状況。浅草寺にも行ったのですが、お土産屋も外人客への販売に力を入れているのか、アルファベット表記も目立ちましたね。焼きそば等の屋台にも「YAKISOBA」等と書かれていましたからね。隔世の感がありました。

で、昼ご飯に訪れたのが、薮蕎麦。昔家族でたまに来ていたお店。自分の家族と来たのは始めてでした。せっかく浅草に来たので、浅草っぽいご飯を食べたかったので、こちらに。

薮蕎麦(外観)

時間は、12時少し前だったのですが、10分程で中に入れました。食事を終えて外にでた12時半くらいには、15人くらいならんでいたのでしょうか。やはり人気店ゆえ、訪問する時間帯には注意が必要だと思います。

で、中に入ったら、天ざるを注文。1,700円とそこそこするわけですが、久し振りに浅草に来たのですから、最も良いメニューを注文しないとですね。ちなみに、隣のテーブルの人は、海苔を食べていました。なぜ、海苔を、と思ってしまうトコロですが、お酒のおつまみに海苔を食べるのですよね。何枚で1セットかわかりませんが、この焼き海苔は、700円します。えぇ、なかなかクオリティの高いお店なわけです。

さて、天ざるが到着しました。蕎麦の歯応えが絶妙で美味しい。蕎麦汁は少し辛くて刺激的。天ぷらは、ししとうが一つに、海老が四つも入っていて、リッチな感じ。当然揚げたてでホクホク。この味を四回楽しめるのは贅沢。1,700円の価値は十分あるわけですね。

天そば



また、おもてなしの力も高い。席数に対して、店員さんが多くて、4-5人はいらっしゃって、お客さんの動きを待っているわけですが、みな、おもてなし力は高くて、こちらの動きに対して、迅速で、自然な、サービスを提供されます。この自然さ、というのが品を感じさせるわけですね。伝統がなせる技とでも言うのでしょうか。

ということで、かなり満足度が高いランチでした。浅草を訪れる際には、是非、といったお店でございました。



2013年10月27日日曜日

仕事で人を感動させたい (「人を感動させる仕事」前刀 禎明)

著者である前刀 禎明氏は、なんだか自分に似ている人なのだろうな、と勝手に思っていた。SONY -> Bain -> Disney -> AOL -> 起業 -> Apple -> 起業、といった経歴なんだけど、転職の多さと、各企業の種類であったり尖り具合はかなり似通っている。

そして、マーケティング思考であり、Business Developmentを生業としているトコロ。勿論、私の方はまだまだ未熟なのだが、仕事に対する価値観や、仕事で実現したいことが近しいのだろうな、と思っていた。

で、このタイトルの本。「人を感動させる仕事」。私も、いつからか、仕事を通じて、人を感動させたいと思う様になって、仕事をするようになっていたので、この本を目にしたとき、即購入、となったわけです。



前作の「僕は、誰の真似もしない」のように、この本全体を通じて、自分の言葉を使って、メッセージングされていて、かつ、自分の経験に基づいて得られた気づきが語られていて、とても印象深い内容が多かった。

幾つか印象に残ったトコロを残しておこうと思う。

  • 「見る」「視る」「観る」「俯瞰してみる」
    • 「見る」は、漠然と視野に入っている。「視る」は、「何だろう」という気づきも含めてみている。「観る」は、徹底的に観察する。「俯瞰してみる」は、客観的に冷静にあらゆる角度からみる
    • 局面や対象によって、「みる」を使い分けることで、価値のある洞察を得ることができるだろう。ベースとしては、問題意識を常に持つことで、「視る」や「観る」量を増やすことが大事。加えて、「おや」「なぜ」というような直感的な疑問を大事にすることも重要
  • 必ず自分が「体験」する
    • 五感で感じ取って、感じたことを記憶に留めて、引き出しに入れる
      • 五感というのが大事で。歩きながらiPodを聞くと感覚をフルに使えなくなるので、やめるべき
    • やはり、「体験」することが大事なのだと思う。「体験」するのと、しないのとでは気づきの量が格段に異なる。しかし、「体験」しないで済ますことは結構多い。ちょっと心が動いたような対象物に対して、「体験」していれば、もっとリアリティのある気づきを得ることができるというのに、時間や金か何かのなんかしら言い訳をして「体験」しない。これは、とてももったいないことなので、どんどん「体験」していきたい、と思う
  • ライバルは、SONYの盛田昭夫、井深大、ウォルトディズニー、スティーブジョブズ
    • 簡単には辿り着けないレベルにいる人たちをライバルにおいて、彼らを意識しながら仕事をし、発憤材料にする
    • 先に書いてあるような人たちは、ライバルというよりかは、憧れにする人が多いと思うけど、そこが違うトコロ
  • 妥協せず最高を追求する
    • 世界を人を動かすために、三つの要素をあげている
      • 情熱とビジョンを持つ
      • 妥協せず最高を追求する
      • 自分の体験を信じる
    • この二つ目の妥協せず最高を追求するの文脈であげていた、Appleのデザイン担当役員のジョナサンアイブの言葉は真なり
      • Most of our competitors are interested in doing something different, or want to appear new — I think those are completely the wrong goals. A product has to be genuinely better. This requires real discipline, and that’s what drives us — a sincere, genuine appetite to do something that is better.
      • 誰かを意識し過ぎではいけなくて、最高とは他に惑わされることのない真実のことなのかもしれなくて、それを常に現状を否定して追求していくことなのかもしれない
  • 常に情熱を燃やせること
    • iPod miniのプロモーションが大成功して、Appleであり前刀氏を見る目が一変した。そうした時、その状況に酔いしれるのではなく、早くアップルを辞めないといけない、と思ったという。実際程なくして辞めている
    • 最高のコンフォートゾーンを抜け出して、新しいことに挑戦して、もっと感動しようと思ったのだ
    • 自分と常に対峙し、内なる声を大事にし、自分を信じることができていないと、なかなかこのような行動はとれないだろう

2013年10月25日金曜日

読書と思考 (「戦略読書日記」楠木 健)

部分的に積読していたのですが、全般的に積読しました。結果、結構面白いと思いました。ご一読をオススメします。

「ストーリーとしての競争戦略」という売れた本を出した、一橋大学教授の楠木 健氏の読書感想文、ならぬ、戦略読書日記。「戦略」と書かれているのはご愛嬌ですね。私は、「ストーリーとしての競争戦略」を読んでいないのですが、この本を読んでいると、著者の人柄がよくわかる。大学教授なのに型にはまらず、ユニークな視点で、洞察を得ていく感じ。先にご愛嬌と書いたように、「戦略」読書日記、というタイトルを付けても許せるな、と思いました。


ということで、この本は、読書感想文なのですが、よくもまあ、これだけの読書感想文を書けるなぁ、といったリッチな内容になっています。

いきなり少し前の話なのですが、とても優秀な人と一緒に仕事をしていました。彼と一緒に仕事をしていた時には、「考える」ことについて、とても考えさせられたかな、と思います。一つの情報を得て、何かの意見を発するわけですが、その意見が、色々な目線で、色々な情報と接続して、ユニークだが腑に落ちる示唆に富んだ内容だったので、こういうことを思考力というし、頭が良い、知性がある、ということなのだろうな、と思わされたわけです。

一つの領域だけでなく、多領域に股がる情報について、浅薄でもなくある程度の深いレベルまで収集されていて、かつ、キレイに引き出しにストックされている。そして、ある情報を入手した時には、既にある引き出しから、関連する情報を即座に出してきて、うまくコーディネートしてくれるな、と思わされたわけですね。京都大学理学部で脳科学の研究で博士まで行く人ってこんなか、って感じで。

それに、近い感覚を少し感じました。正確には、先の彼よりも、幅広い知性を有していると感じさせられたわけではなくて、職業柄得られる情報のアービトラージ等も含めた、ユニークな意見であり捉え方が面白かったりするのですが、まあ、それも有りかな、と思いました。

ちなみに、ロングインタビューにある「僕の読書スタイル」というのがなかなか面白い。難易度で本を3レイヤーに分類し、各レイヤーに属す本を同時並行的に読み進め、読書をして読書をする、つまり、難しい本を読んだら、少し易しい本を読んで、という流れで、10時間とか読書をし続ける、話とか。仕事の文脈以外で、本を年間300冊程読むらしいですが、その読書スタイルもなかなかユニークでしたね。仕事以外で、年間300冊で、この本にある読書感想文レベルで思考も巡らすと、なかなかの脳運動だと思いますが。「思考」で勝負している人の読書スタイルを読んでみるというのも面白いかもしれませんね。

2013年10月24日木曜日

自分が欲しい帽子を買うなんて、ステキすぎるんじゃないだろうか?(CA4LA 表参道)

前からオーダーメイドの帽子を創りたかったのですよね。自分が本当に欲しいと思える帽子に出会ったことがないので。帽子屋には、売場スペースの問題もあれば、そもそも自分が欲しいと思えるデザインが自分で明確になっていないから、自分が欲しい帽子に出会うわけがない、というのもあるのだと思う。

そんな問題を解決できるのが、オーダーメイドなのだけど、帽子のオーダーメイドについては、たまに探していたのだけど、なかなか良い帽子屋が見つからなかった。しかし、久し振りに検索してみたら、CA4LAがオーダーメイドを始めたようで、見つけて、早速行ってみた、というわけ。ちなみに、表参道店しか、オーダーメイドはやっていないので注意が必要。

ということで、CA4LA 表参道店のオーデーメイド体験記を書いておきます。

まず、予約から始まります。いきなり表参道店に行っても受け付けてはくれません。ここで注意しておくのは、メールフォームからではなく、表参道店のアトリエに直接メールをすること。転送とかしてくれないので、何度もメールを打つことになってしまうので、直接アトリエにメールしましょう。

さて、メールのやり取りをしていく中で、オーダーメイドをする日時が決まるわけですが、このやり取りの中で、希望の帽子の種類が決まっているようなら教えて下さい、というお話を先方から頂きます。勿論決まっていなくても良いと思いますが、こちらのページを見て、自分なりにイメージを湧かせておいて、幾つかの帽子の種類を目当てしといた方が、お互いスムースに話が進んでよいと思います。

そうして、いざ、表参道店へ。スーツやYシャツこそ、何度もオーダーメイドをしてきましたが、帽子のオーダーメイドは人生で初だったので、ちょっと緊張しました。そして、CA4LAの表参道店は、表参道ヒルズのすぐ横にあるわけですが、オサレ度も高く、緊張を助長する感じがあります。

しかし、実際に、デザイナーの方とお話してみると、物腰柔らかで、あまり緊張しなくなりました。かなり丁寧にニーズを拾ってくれて、時折提案もしてくれる感じ。元々、かなりふんわりしたイメージしか持って行かなかったのですが、周りに展示されてある帽子でイメージを擦り合せていって、加えて、色々な素材や色を出してくれる。

さらに、こちら側が、これがいいかも、的な発言は基本は受け入れてくれますが、変になりかねないチョイスについては、「ちょっと奇抜になってしまうかもしれません」と言って、ナチュラルに誘導してくれる。なかなか心地よかったです。これぞ、オーダーメイド。

そんなわけで、帽子ができました。というのは、先走りでして、もう直出来上がりでございます。なかなか楽しみですね。この待っている時間てやつが、オーダーメイドの醍醐味なのですよね。

2013年10月21日月曜日

3日でおむつとサヨナラした方法 (おむつ離れ)

小さな子供を育てていると、イベントは盛り沢山で毎日が楽しくて仕方ない。その中には、子供の確かな成長の一面に遭遇することで感動的なことだったりするのだけど、その感動的な一面に遭遇するために、親側の努力を必要とすることもあったりする。そう、3歳児の親の一大事。

 おむつ離れ

おむつにサヨナラをすることは、とても大変だと話を聞いていたのだけど、私達の場合は、首題の通り、3日でサヨナラすることができたので、情報共有として、書いておきますね。

大元は、「一日でおむつがはずせる」という本の内容を、出来る限り実践したのですが、その概要はこちら。

  • 当日以前:おむつ離れの練習は全くしない
  • 当日:
    • 「今日からパンツだよ」と言って、いきなりパンツにする
    • 玩具を片付け、テレビは付けないで、トイレの練習のみに集中する
    • おしっこの出る仕様の玩具、または、人形にスポイトを付けて、おしっこの実演(手本)をみせる
    • 15分程したら、パンツをチェックする。この時に、
      • おしっこをしていなかったら、ジュースかお菓子を少量あげる
      • おしっこをしていたら、批判する
        • 批判とは、直情的に怒ることではない
        • 「おしっこはトイレでするものですよ」「パンツをぬらしてはいけませんよ」と、建設的に、思考をリードする
    • 濡らした始末は、子供にさせる
    • また、再度、おしっこの実現(手本)をみせる。また、子供も一緒に、実演自体に携わる。
    • そして、15分程したら、パンツをチェックする・・・(あとは同じ)
    • これを一日中繰り返す
この手法のキーポイントとしては、こちらがあるのかな、と思っています。
  • 批判する
    • 子供は、おしっこをちゃんとしないと怒られる、というネガティブな観点をテコに取組むのではない
    • おしっこをすることは、トイレですることである、ということを何度も丁寧に言われることで、頭で理解する
  • 濡らした始末は、子供にさせる
    • トイレにおしっこをしないことには、ペナルティが発生するということを、身を持って知ることができる
    • トイレでおしっこをすることに対する動機付けに繋がる
  • おしっこをしていなかったら、ジュースかお菓子を少量あげる
    • パンツにおしっこをしないことへのご褒美をあげることで、パンツにおしっこをしないことが正しいことと認識する
    • ジュースをあげることで、おしっこの頻度を増加させ、練習の機会を増やす
プロセスの一つひとつの意味合いを理解して実行しないと、無理矢理子供につらいことをさせてる雰囲気になり、お互いつらくなるのかな、と思います。

私達のケースでは、厳密に、上記の通り実施できたわけではない。違う点としては、こちらのみ。
  • 当日以前に、何回か練習した
  • 玩具やテレビもつけていた
  • 濡らした始末は、子供にさせなかった
結果、3日で、おむつとサヨナラすることができました。なんだかんだで一週間くらいかかるのかな、と思っていたので、意外に短くて驚きました。宜しければ、上記の内容を参考にして頂いて、取組んで頂ければ。

2013年10月20日日曜日

一歩先をゆく読書の仕方(「野蛮人の読書術」田村耕太郎)

そもそも、読書をすること、の意味合いとして、著者の田村耕太郎氏は冒頭にこのようなことが書かれている。
  • 「生き抜く術」を最も低コストで手に入れる方法が読書
そして、本の中で取り上げられている、賢者の読書術の一人である、ライフネット生命会長の出口治明氏は、このように語っている。
  • 人間が学ぶ方法は3つしかない
    1. 人にあって話を聞いて学ぶ
    2. 自分の脚で出向いて世界から学ぶ
    3. 活字を読んで学ぶ
  • この中で圧倒的に効率が良いのが、3.の読書であり、時空間を超えて実行可能なのでとても有効
仕事をしていると、1.の量が多くて、インプットとアウトプットのコンバージョンが高い人をたまに見るが、目の前の仕事だけではなく、大局的であったり多面的な企画や判断をすることを考えた時には、3.によるインプットが必要だし、大事なのかな、と思う。

どちらにしても、自分が知り、学び、向上するために、効率的に情報をインプットすることができる、そして、思考することができるという意味で、読書というのは有効だな、ということですね。

さて、この本のメインである読書術についてだが、賢人の読書術のインタビューを書き起こしたパートがあるのだが、その中で良いなと思った点を、まとめておきました。
  • パラグラフリーディング
    • 一つの段落には一つの主張がはいっていることが多い。それは、パラグラフの最初と最後にある。だから、そこだけを読む
    • 恐らくTOEICの勉強をしたことのある人は、この読み方を学んだことがある人も多いのだろう
    • 日本語は、このような構造に即している場合ばかりではないのだけど、効率的、つまり単位時間で良い情報を入手する、という意味では確率的には有りな読み方
  • 「書き出し」読書術
    • 読書というのは、目的意識がないと意味がほとんどないわけで、その目的を明確にし、ちゃんと達成されたか否かを緊張感を持って実践するという術
    • ノーベル賞を29人も輩出しているアメリカのシンクタンクのランド研究所の方の読書の仕方
    • 本を読む時は、読む前に、この本で何を獲得したいか、を徹底的かつ具体的に記述する。そして、本を読んだ後は、実際に学べたことを書いて、読む前に書いたことと比較してチェックする
    • この仕方は取り入れようと思った。勿論目的を持って読書はするわけだが、上記のように、「徹底的かつ具体的」に明文化することで、シャープに目的を達成できたかいなかがわかり、その読書の意味合いを評価することが出来て良い
  • 効率的で継続的な仕組みとしての読書
    • 最初の50ページがつまらないと捨てる
      • 5ページ、としている人もいた
      • 要は、つまらない本に時間をかけることはムダ。つまらない本は、ほどなくしてわかるので、わかった時点でその本は離れるべき、というもの
      • 私も全てのつまらない本に対して実施しているわけでないが、断片的に実施していた術
      • 所詮2,000円くらいの本なわけだが、本を買ったコストだけでなく、自分の時間のコストも本を読むことにはコストがかかっているわけで、後者はコントロールできるので、しないとね、というお話
    • 読む時間を仕組みとして決める
      • 忙しい人が沢山の本を読んでいる
      • どう読んでいるか、というと、朝5時から難しい本を読む。朝1時間。寝る前の1時間。移動時間は本。というように決めている
      • そのように一日の過ごし方の中に仕組みとして、決め込んでいれることで、読書によるベースラインを一定以上に上げている、わけですね
「読書」の意味合いを今一度再認識し、より密度の濃い読書の仕方を取り入れ、大量にインプットを取り込んでいくか、を考える上で、一読の価値はあるかな、という内容でした。

2013年10月19日土曜日

老若男女が幅広く楽しめるアミューズメントパーク (あらかわ遊園)

あらかわ遊園」というアミューズメントパークをご存知でしょうか?HPを見に行って頂ければおわかりだと思いますが、キャッチコピーが、「わくわくメルヘンランド」とあり、行くと、わくわく、そして、メルヘンな気分になるパークでございます。

というのは、漠然としすぎていて、よくわかりませんね。基本は、遊園地なのですが、動物園もあり、釣り堀もあり、首題の通り、老若男女が興味の強いコンテンツを、それぞれが楽しむことができるアミューズメントパークなのかな、と思いました。

遊園地や動物園等の一つひとつは結構コンパクトにおさまっているので、本格的なコンテンツを求める人には若干物足りなさがあると思います。しかし、小さな子供と一緒に行くならば、子供の興味にささる内容が、遊園地にも動物園にも十分あるので、興味関心のピーク状態で、それぞれを楽しむことができるのかな、と思いました。コンパクト、という言葉があうコンテンツ。

三連休中に行ったのですが、それほど混んでもいないで、あまり待ったずに乗り物に乗れました。ですので、通常の土日はなおさらストレスレスに楽しむことが できるのではないでしょうか。

若干古い施設だし、場所も都電荒川線の荒川遊園地前というなかなかニッチな立地にあることもあり、そもそも知らない人が多いことでしょう。私自身も親に連れて行かれて始めて知ったわけで。

しかし、コンテンツがリッチで、他方で混んでいてなかなか乗り物に乗れない施設とのメリット・デメリットと比較すると、そこまで悪いわけではないかな、とちょっと応援気味な要素は入っていますが、思いました。あー、今日はどこに行こうかなー、先週は●●で混んで大変だったなー、というような少しまったりしたい、だけど、子供にはちゃんと楽しんでもらいたい、といった週末に、訪れてみるのが良いかもしれませんね。

2013年10月17日木曜日

「おかあさんといっしょ」のコンサートに行く方法

小さな子供をもつ親になったら、「おかあさんといっしょ」のコンサートに行ってみたい、と思うのは一度や二度ではないと思いますが、この夏行ってみました。うちの子供も3歳になるのですが、「おかあさんといっしょ」のど真ん中世代に入ってきたこともあり、本気でコンサートに行こう、と思い立ち、夏休みにいったわけです。

で、コンサートに行く方法、ですが、結論としては、応募すれば行けます。応募するか、応募しないか、でしかない話ですね。Just Do It。しかし、全ての人に当てはまる話でもないかもしれませんね。

この夏のコンサートに向け、私が応募したのは二つ。
  • 千葉県のとある市でのコンサート
  • 埼玉スーパーアリーナのコンサート
当たったのは、後者の方。これは、「スペシャルステージ」という大規模なコンサートで、土日各二部で開催しているタイプ。さいたまスーパーアリーナなだけに、一部だけでも集客人数はとても多いわけで、全4部もあれば相当な人数。かなり当たる確率は高まるわけですね。かつ、私の家は、夫婦各自で応募しました。念には念を入れて。結果、二セット当たりまして、友人に一セットは譲るという流れになりました。

他方で、前者のコンサートは、当たりませんでした。そもそものハコが小さい上に、首都圏近郊の人が応募しているでしょうから、相当な倍率だったことでしょう。なかなか難しい。

ということで、最初の話になりますが、応募すればかなりの確率で当たることでしょう。おかあさんといっしょを体感することができます。確率を倍増するために、夫婦で、または祖父母も、といった形で倍率を高めるのは常套手段であって、まあやるべきでしょう。

ちょっとでも行きたいと思ったら、応募した方が良いと思います。中身については、詳しく書きませんが、ディズニーランドと同じレベルの満足感を得られますので。

2013年10月16日水曜日

アニメがドラマに攻め込んだ (「安堂ロイド」TBS)

キムタクの新しいドラマ。半沢直樹の名残でビデオに撮れていたので、見てみました。所感としては、結構面白かったかな、と思います。

ドラマの世界観として、異質さを感じました。時空を超えた究極のラブストーリー、とうコピーがある通り、近未来的であり、IT的SW的であり、そして、アニメ的な創りがあるからかな、と思います。製作陣を見てみると、庵野秀明や「エヴァンゲリオン」の鶴巻和哉等がいるので、彼らの思想が入っているようですね。納得な感じ。そんな異質さを際立たせようとした演出が目立つわけですが、桐谷美鈴や本田翼は、アニメ的な異質感を出そうとするけど、演技力が追いつかないで厳しいかな、という風でちょっと切なかったですね。

その流れで、役者陣について書いてみると、キムタクはちょっと厳しかったですね。アンドロイド役はまあ有りでしたが、天才物理学者は天然さを創ろうとしたけど、ただ抜けている人みたいな感じになっちゃいました。全然天才物理学者ではないですよね。どう好意的にみても。他方で、柴咲コウは良かった。見ていて、安心できる。この柴咲コウとキムタクのタッグは、"GOOD LUCK"以来なわけですが、正直、新鮮さはゼロで厳しいかなと、見る前は思ったわけですが、見てみると、柴咲コウが頑張ってて、一応有り、なレベルまで来ていました。柴咲コウはなかなか良いですな。

ちょっとネガティブな調子で書いてきていますが、冒頭にも書いている通り、結構面白かったと思っています。今までに見たことがない感覚を受ける。時空を超えているので、当然近未来的なテイストがされているのだけど、まあ、そこそこなCGが出来ているので、近未来感がちゃんと担保されている。やっぱりアニメ的マンガ的なわけですが、AKIRAとか見たことないけど、実写版になったら、こんな感じなのかな、とか思う。

そんな第一回の視聴率は、19.2%だったようですね。これが高いのか低いのか、というのは人それぞれかもしれませんが、個人的には、キムタクのドラマとしては低いと言えると思っています。

まず、わかりやすさ、はとても大事だと思います。このドラマを誰が見ているのかというと、結局30代が中心なのかな、と思うけど、今の30代てそんなにアニメとかはみないし、そこまでITのリテラシーが高い人もそこまで多くないと思うことを考えると、近未来感は出すのだけど、わかりやすさを自然に担保しないと厳しいかな、と。

あと、やはり、時間の軸を一つ入れると、見ていて混乱することは多いと思う。未来については、ある程度まで、謎を持たせるので、混乱してしまう。ドラマを見ていて、自分がドラマの世界の中のどこにいるか、を認識しながら見れていない可能性がある。これは、良い面もあるかもしれないけど、悪い面もあるのかな、と。

あとは、第一回で、未来警察の人があと10人いるという話をしていたことから、容易に推察できる、あと10回未来警察の人とキムタクが戦う、というお決まりのパターン。お決まりのパターン自体は良いと思うのだけど、いきなり全11回のドラマです、というのをドラマの中でご連絡頂かなくてもいいかな、と思いつつ。そんなお決まりのパターンの中でも、謎めいた部分を如何に適切な量で、視聴者に提供していって、面白さを感じてもらうか、が大事なのかな、と思いました。

まあ、第二回も見ようかな、と思います。

2013年10月14日月曜日

「運」とは何か? (「絶対ブレない「軸」のつくり方」南壮一郎)

「運」て何なのでしょう?

運がある/ない、運が良い、とかたまに話があがるのだけど、一体、「運」とは何なのだろう?そんな話を書いているのは、こんな記事を読んだから。

よく「南さんて運がいいですね」と言われますが、僕はあまり運を信じていません。仮にそんな運のようなものが人生や仕事にあったとしても、そんな非効率な前進を待つよりも、チャンスや機会を自らの行動で掴み取った方が早いです。ちなみに、自分の想像を超える何かが起きて欲しいなら、普段の自分の行動パターンと違うことを仕掛け続けたら、普通に起こると思います。

ビズリーチの南壮一郎さんのコメント記事。なかなか真理だと思います。

自分が期待していることを早期に叶えられたとき、運が良いと思うのかもしれません。例えば、宝くじで2億円があたった時、運が良いと思われる。例えば、会社を立ち上げて、1-2年程度で軌道に乗って、採用がどんどん増えていくような状態になった時なども。

しかし、本当に「運」と言えるのは、宝くじに当たることくらいかな、と思います。考えるに、自分がコントローラブルな範囲が僅少な中で、期待にミートできた時だけ、本当に運が良いと言えるのかな、と思います。

他のケースでは、コントローラブルな範囲が少ないと思っていても、実はコントローラブルな範囲は結構あって、その範囲内で頑張り続ける人は、期待にミートできる確率が上がっていく、ということなのかな、と思います。

南壮一郎さんは、どんどん行動し続けて、コントローラブルな範囲を拡げ続けていった。行動する中で得られる情報を活かし続けて、そして行動し続けて、成功にアドレスし続けた。人の10倍は頑張っているでしょう。しかし、その頑張りの一部しか見えない人にとっては、南壮一郎さんは「運」が良い人に見えてしまうのかもしれません。

結局、「運」はあるとかないとか、良いとか悪いとか、ではなくて、自分が「運」を引き寄せるための行動をし続けることができたかできなかったか、という捉え方になるのかな、と思います。

2013年9月9日月曜日

エグゼクティブと新書 (「聞く力」阿川佐和子)

※タイトルにある本とは前々関係のないお話。

私が大学生の頃。とある電機・エンターテイメント会社でインターンシップをしていて、とあるサービスのマーケティングを考えていた。ターゲットセグメントになりきって、どのようなサービスであればうれしいのか、を学生なりに必死に考えていたのだけど、学生であり、ムダな知識がなかったせいか、カスタマーセントリックな本質的なアプローチをしていたかもしれない、とか回想しちゃったりする。

その時、とある方にヒアリングに行った。日本で最も権威のある高級ホテルの役員をされていた方で、色々なコネクションをつたって、彼にアプローチしたのでした。色々なお話をしたのだけど、脱線してお話された内容が、ひっかかった(サービスとは全く関係がないのだけど)。

彼は、新書を読みなさい、と仰っていた。彼は、毎日、会社の行き帰りでは、新書を読んでいる、と。逆に、新書以外は何も持たずに、新書だけを持って、通勤しているとのこと。毎日通勤の時に読んでいると、当然だが、色々な領域の新書を読む。新書は、色々な業界の色々なテーマの本があるので、色々な知識が入ってきて、知見が広がる。高級ホテルゆえ、日本だけでなく、様々な国の要職の方々と会話をする機会に、とても役に立つというお話だった。

新書なのがミソ。なのだと思う。新書は、素人にもわかり易いエントリーなお話が多い。全体像はわかりやすくて、基本的な内容に加えて、最新のトピックス等にも触れられていて、ポイントを掴みやすい。新書を沢山読むことで、知識の広がりを期待することができるわけですね。知識が広がれば、誰かに会った時に、相手に興味を持つことができるチャンスが増える。基本的な知識があるので、相手との話の基盤ができていて、適切な質問をすることで、内容を深堀することも可能だろう。そんな効用を話していたような、話していないような。

本を読む。では、何を読むか?興味がある領域について深堀する本を読むのも良いと思うけど、新書を読むのも良いかな。そんなお話でした。

2013年8月25日日曜日

ムダをなくすよ、渋滞学(「シゴトの渋滞学」西成 活裕)

結構前のことだが、日経ビジネスの人物特集で、「渋滞学」について研究している東大教授がいた。航空宇宙学か何かを元々研究していたが、最終的に行き着いたのが、渋滞学とのことで、年間10兆円以上の社会価値損失を生んでいる交通領域の課題を解決しようとしているという話であったと記憶している。

で、最近、本屋で目に入ったのが、こちら。渋滞の現象とその要因や解決のアプローチは、交通に限った話ではなく、個人個人の仕事であり、会社や経営にも応用が利くよ、という話。なんでも東大の改革に関しても、渋滞学の観点からアプローチをしているとのこと。



渋滞学の流れで出てくるのが、トヨタのカンバン方式。この周辺の話は、ムラ、ムリ、ムダ、をなくせ、という話とか、それなりに知っていると思っていたのだが、どうも明確に理解していなかった模様。
  • ムラがあるからムリをする。ムリをするからムダになる
ムラとムリとムダに関する腑に落ちる関係性。だから、ムラをなくすような標準的なプロセスや行動習慣を磨いて時間の過ごし方とアウトプットのベースラインを上ることで、ムリをなくせて重要なんだね、という、なんだか色々が繋がった感があったり。

また、渋滞学のキーポイント二つが、なかなか良いと思った。
  • 未来を予測しておくこと
  • かならず予定を踏まえて進めること
自動車の運転が上手なドライバーは、結構先の車までの状況を見た上で、アクセルやブレーキを踏むため、運転のペースは安定していて、渋滞は起きにくい。

他方で、仕事でも、先を見据えて計画的(この部分は、他に数点参考になるトピックスがありました)に仕事をこなすことで、余計なブレーキやアクセルがなく、周囲も含めて、安定した仕事、アウトプットを出すことにつながるよね、という話。

本書は、基本的には、渋滞学を軸とした話にしようとしているが、スピンオフ的に、筆者の仕事観や行動習慣等がポロポロ展開されていて、参考になる点も多かったですね。

2013年8月18日日曜日

基本を知らんやつは何もできねーんだ (「世界のエリートはなぜ、この基本を大事にするのか?」戸塚隆将)

著者は、新卒でゴールドマンサックス、その後自費留学でハーバードビジネススクール、卒業後マッキンゼーで経験を積み、今は独立してコンサルティング会社を経営している方。

投資銀行、経営コンサルティングファーム、MBAのトップを全てゲットしている方はなかなかいないと思うので、経歴的に超エリートと言えるでしょう。そんな彼が、過去色々な優秀な方々と一緒に仕事やスタディをする中で、学んだ仕事や処世の「基本」をまとめたのが本書となります。

「基本」。私は、30歳過ぎまで、この「基本」を全く認識してこなかったですね。正確に言うと、「基本」を「基本」と認識していなかった節があります。スラムダンクが好きで、首題は赤木の言葉の加工引用ですが、そんな印象的なセリフを楽しみながらも、基本をちゃんと認識して、対峙していなかったと思います。

しかし、何かの能力をちゃんと身につけたいと考えたとき、「基本」を深いレベルまで習得することの必要性に行き着くことに気づいたのが30歳をすぎた位でしょうか。結局、全ては、「基本」が何かの状況によって変わったものでしかないということ。で、何かの状況に応じて変えるには、「思考」することが必要。つまり、「基本」と「思考」の二つの要素を身につけることが大事なのかな、と考えています。

さて、これは閑話でして、本書は、結構テクニカルな項目が沢山詰まっていて、本を読んでみて、各人が、気に入った項目を取り入れていけば良いのかな、と思います。この本でいう「基本」とは、ビジネスにおける行動原理の文脈における「基本」といえると思います。「基本」を忠実に継続的に実践していけば、ビジネスを構成する各要素のパフォーマンスのベースラインを上げられるし、結果、周囲からの信頼関係も深まり、ポジティブなループを創り、たどることができるのかなと思います。



では、何を継続的に実践する「基本」とするか?詳しくは本書をご一読し、自分なりに、その意味合いを咀嚼し取り入れればと思いますが、私目線で、気になった項目について、本書の内容を伺い知って頂く意味でも、加工引用しておきますので、ご参考下さい。
  • 初対面の相手とは、挨拶の過程で3回は相手の名前を呼んで憶える。人の名前を憶えることは、相手の心象効果も含めて重要な要素
  • 引き受けた仕事はその場で5分間だけやる。状況を明確に認識している間に取りかかり、8割方の見通しを付ける。仮に不明なことがあっても、直後だから、聞きやすい面も有り
  • メールは朝一にはしない。移動中や午後の生産性の低い時間帯にする。時間当たりのパフォーマンス密度は異なるので、タスクと時間帯の紐付けを最適化する
  • 日曜夜には、週末に楽しんだことを振り返り、月曜に備える。遊んだから頑張る、ということを明確に意識して、月曜にのぞむ
  • 資料の細部にこだわる、手元に残るのは発言ではなく資料。タスクがマルチかつパラレルに沢山走ると資料への力の掛け方も考えてしまうが、完璧な資料作成を図るべき

2013年8月16日金曜日

合理とケチの間に。 (「世界の日本人妻は見た」TBS)

テレビ番組「世界の日本人妻は見た」でオランダ人に嫁いだ方の話が特集されていて、彼女のオランダでの生活のトピックスが幾つか取り上げられていた。その一つが、オランダ人はケチ、という話。これがかなり面白かった。ケチのエピソードとしてあったのが、例えば、こちら。
  • 年間5円の消費電力を節約するために、家電購入に何日もかける
  • 朝のパンの具は一種類。二種類以上使うと怒られる
  • 日中は家中の電気を消して回る
  • トイレットペーパーの一回当たり使用量が超短い。そもそも市販のトイレットペーパーの幅は日本製比較で狭く、一区画も短い
などなど。非常に興味深い内容であった。収録会場にいたオランダ人の肩身の狭いっていったらなかった。常に苦笑いっていうw

しかし、このように日々倹約につとめて捻出したお金は、バカンスに行って太っ腹に使ったり、献金に使ったり(一人当たり献金額が世界一)で、有効活用されているようだ。ただのケチではなく、合理的なのだ。

個人的には、倹約、つまりは、無駄を排除した合理的な毎日を過ごすことには大賛成だし、志向している。しかし、あくまでテレビで特集されていた内容は、度を超しているな、と思った。前にSLAについて記載したが、無駄を排除するために極度に時間を費やしたりすることは、その費やした時間こそ無駄になったりするので、バランスが必要だな、と思うわけですね。

ちなみに、ドイツも、倹約文化なのですよね。倹約が身に付いている国民性というのは、根が真面目で、着実できめ細かいパフォーマンスを出す様に思えたりする。実際、GDPは高い。思い返せば、日本も、倹約文化があったのだが、最近は見る影もない様に思うのは気のせいだろうか。これまた常にパフォーマンスが高い、トヨタ等の愛知企業や県民くらいにはまだ残っているが。

ということで、倹約、というキーワードから、色々考えられますなぁ。まあ、何にせよ、私は倹約を是とする、というか、無駄を排除して、日々を過ごそうという思いを強くした次第でございます。

2013年8月13日火曜日

毎日「捨てる」 (「佐藤可士和の超整理術」佐藤可士和)

更に生産性を上げたいな、と課題意識があるわけですね。そういった時に、「整理」というのが一つの打ち手として、久し振りにでてきたわけです。

外資企業に勤めていた時は、先述の通り、生産性向上の鬼のような会社だったので、結構「整理」していました。労働裁量制でフリーアドレスだったので、仕事の荷物は最小限で、紙も持たないで全てPCで完結するオペレーション。

このオペレーションは身体に染み付いて、他の会社で働いても、仕事道具はほとんど持たなくなりました。私の机の上には何もない、みたいな。机の中には、一応書類やらの資料が入っているのですが、野口悠紀雄氏の超仕事法に倣って、上からどんどん置いていって、しばらくしたら下の方から捨てていく流れ。机の中もほとんどモノがない。

ということで、会社の机周りは良いのですが、家の中や他のシーンでも、もっと「整理」をしたいと思うわけですね。
  • 何かを探す時間というのは、それ自体無駄だし、その前後の行動との接続の必要が生まれる観点からも無駄だし、何かを探すことをゼロナイズしたい
  • そもそも、いらないモノがあることは、空間を無駄に圧迫するし、自分の視界に入って、目に入ったモノを基点に思考が始まることでも無駄が生じる
ということで、無駄のない空間と思考のために、「整理」をしたいな、と。

色々と、「整理」の方法はあると思います。基本的に、タイトルにもいれている「佐藤可士和の超整理術」は空間や情報や思考を整理するという観点で、とても良書。tips的な整理方法もあるけれども、上位には、コンサル的な思考フレームワークがあって、レベルが高い。この本をちゃんと理解して実践に落とし込むことができると、相当パフォーマンスがあがるでしょう。情報や思考の整理については、レベルが高いので、日々の鍛錬が必要ですが。


そんな閑話もありつつ、最近私が習慣的にやり出したのは、「捨てる」ことですね。捨てる技術とか色々本が出ている様な気がしますが、それらの本は全く読まないで、「捨てる」ことを毎朝・夜のタスクに盛り込んでいます。

しばらく前から思うのは、普通に生活をしていると、モノが増えていく。油断するとどんどん増えていく。で、いつの間にか部屋はある程度圧迫され、モノを見てみれば、あれ、これってなんだっけ?と。そういうの、なくしたい。無駄でしかないから。

毎日、意識的に、「捨てる」。「捨てる」ことを考えると、その前後では、「整理」も考えている。また、「捨てる」という出口を考えていると、何かを「買う」という入り口のエントリーマネジメントも考えるようになる。「捨てる」って、生活を清流化する基点となるアクションだな、と試行してみる中で、とても思ったという話。

2013年7月28日日曜日

生産性向上、再び (「ハーバード式「超」効率仕事術」ロバート・C・ポーゼン)

私は「忙しい」という言葉を基本的に使わないのですが、最近めっきり「忙しい」ですわ。この「忙しい」という状態は、外部的な要因もあれば、内部的な要因もあるわけですが、外部的な要因の解決には限界があるので、内部的な要因に目を向ける必要があるのは言うまでもありません。で、この本を手にとったわけですが、手に取る前だか後だかに、自分の仕事の仕方について、振り返って少し考えてみました。

とある外資企業に勤めていたとき、当該企業は生産性向上のソリューションが一つの大きなサービスだったこともあり、会社自体が生産性向上の鬼でした。ツールも業務プロセスも、マネジメントも。私は、その生産性を高める、ということが身体に染み付いたわけですが、生産性だけでは、自分が考える新しい価値を創造することは難しいと思ったものです。

違う会社で働いていたとき、考え抜くことを重視する巨大企業の中枢の企画集団と1年半近く仕事をしていた間。この間は、考え抜くことが仕事でした。生産性は最低限担保するものの、優秀なプロジェクトメンバーよりも考え抜いて、企画のアウトプットを出すことが仕事で、多面的に何次元もの軸で考え抜いて、一つの解を出して行くことが必要でした。でないと、そこにいる意味がないので。脂の乗った年代の選りすぐりの方々と、毎日一緒に仕事をしていた時間はとても貴重でした。

結果、考え抜く、という姿勢が基本としてあって、自分の存在価値は、決まったことを着実に迅速にやっていくことよりも、新しいことを考えていくことにあると考えている点があります。で、ここで気をつけないと行けないのは、考え抜くということには結構時間がかかるということです。及第点として、70点をとるには、10分で済むかもしれないが、100点ないし、95点等の高得点をとるためには、60分かかるかもしれない、ということ。Service Level Agreementの設定の際に出てくる、時間=コストとService Levelに近いかもしれません。

だから、全てにおいて、考え抜くと時間がとてもかかってしまうわけです。だから、考え抜く対象を選んでから、考えないといけない。これは、当たり前の様でいて、個人的には、運用していくために、Try and Errorが必要と思います。考え抜く必要がない仕事って、あるかな?と思うわけです。どんな仕事も、考えていくと、もっと良い仕事のやり方がみつかったり、より広義の仕事に変化して、より価値が高まったりするわけで。仕事とは、自分から創るものであり、自分の周りに存在するモノ・コトは全て仕事になりうる状態に身を置いている、というのが基本。そして、人と関わって行く中で、自分が考えることで提供できる価値というのは日々の業務の中で無数に存在して、出会うものなのかな、と実感値としてもあるわけです。そん中で、やはり、自分の中で、対象に対する重み付けが必要になってくるなと思うわけです。

ということで、首題の本の話にやっと繋がりました。著者の略歴はこちら。
  • 資産運用会社フィデリティ・インベストメンツの副会長
  • MFSインベストメント・マネジメント会長
  • ワシントンの法律事務所のパートナー弁護士
  • HBSの上級講師
  • ブルッキングス研究所の上席研究員

で、これらの経歴や実績が、家族とは毎日19時から、一緒に食事の時間を共有しつつ、8時間睡眠をした上での話なのが大きな特徴。猛烈に仕事をする人たちがいて、その中で、家族との時間や睡眠やらなにやらの時間をカットしていたりするのですが、この方は、そういったことを完全に否定しています。

キーとなるのは、冒頭の話に繋がる点で、要は、自分の仕事上の目的や目標を明確にし、目的や目標を達成することに関連する仕事であり情報に限定して仕事をするもので、それ以外のほとんどはカットしていく。超目的的な時間の使い方。とても割り切られた仕事術なわけですね。

そんな考え方が最も重要な点であり、彼の生産性向上の施策は全てその考え方に帰着するのですが、その過程で、Hacks的にテクニックがあったりします。自分なりに、生産性を高める様な工夫は常に図るべきだと思いました。最近、おろそかにしていたかもな、と思い返しました。

自分の目的に即した業務にフォーカスして時間を利用する。考え抜くところは考え抜くし、その中で、生産性を最も向上させるような仕事の仕方の工夫もしていく。書いてみると、シンプルなのですが、磨いても磨いてもな、内容でもありますね、これ。

2013年7月21日日曜日

やりきっているか?(「経営請負人の時代」盛岡康一×南壮一郎)

仕事をしていて大事なコト。仕事中やら昼休みやら飲みの席やらそこかしこででてくる仕事のお話。大事なコト、となると色々なレイヤーとメッシュで話がされるわけだが、こんな話を聞いたことがある人は多いのではないだろうか。
  • できるか、できないか、ではない。やるか、やらないか、が大事
「やらない」と何も始まらない。「できるか」、「できないか」、はやってみないとわからない。そもそも「やらない」と何もわからない。やはり、「やらない」と何も始まらない。「やってみる」と、結構「できたり」する。メッシュの小さなことなら「できる」。でも、「やらない」人が多い。だから、「やった」人が勝つ。「やる」ことが大事。そんな意味合いも含まれている。

でも、やったらできるコト、の範囲も実は限られていて、やったらできる、とは限らない領域があったりする。そんな領域があると認識していない人も多いかもしれない。とことんやってみないと、そんな領域に出くわさない。で、そんな領域の話について、本タイトルの対談で、faceebook日本法人事業開発責任者 盛岡康一と、ビズリーチ代表 南壮一郎はしている。読んでいて、ピンとくる人は少ないかも。そこで書かれている内容をこちらに抜粋(原文)。
  • 南「ビジネスパーソンとしての市場価値を考えている方は多いと思いますが、価値を高めていくにはどうしたら良いとお考えですか?」
  • 盛岡「やりきることです。できる・できないではなく、やりきったか・やりきっていないかだと思います。人は失敗するごとに自分の言葉で語れるようになるから、そのバリエーションが多い人ほど価値が高いのではないでしょうか。教科書に書いてあることを読む人よりも、経験を元に語れる人の方が圧倒的に強い。だから、たとえ失敗したとしてもやりきったほうがいいと思います。」
Strongly agree. やりきる、って大変。厳しい局面があって、それを自分自身がなんとかすると決めて、自分が納得がいく最高水準のアウトプットを目指して、考え抜いて、色々な人をなんとか動かして、結果を出す。その背景には、絶対的な自分事化があって、覚悟がある。

他人事ではなくて自分事。なんとかなると思っている。誰かがやっているのをちょっと口を加えて見て、なんとなく言葉を発して、やったきになって終わる。そういうのではなくて、全体に自分がなんとかするという熱さ。何かの使命感を背負っていて、鬼気迫る感じ。ちょっとテンションが違くて、背後にオーラがうねっている感じ。そんな姿勢を持って仕事にのぞめているか、のぞめていないか。そんな人については、見ていて、違いが明確。やりきる力を持っている人とは、熱く仕事を一緒にしたいと思わせるものを持っている。

最近強く思っている、仕事で大事なコト。それが対談で語られていて、おぉぉ、と思って、取り上げてみました。そんな視点で、自分や周りの人の仕事っぷりを見てみると何か気づきがあるかもしれませんね。

2013年7月20日土曜日

強い者に真っ正面から立ち向かう(「半沢直樹」TBS)

今クールのドラマの中では、TBSの「半沢直樹」が最も面白い。全体ストーリーは、こちらをご覧頂ければと思うが、何が面白いか?を一言で言うと、

強い者に、真っ正面から、堂々と勝負を挑んでいく様が、清々しい

という点に尽きるだろう。主人公の銀行員は、行内の権力闘争の中で、上司のミスを全てなすり付けられる中で、そのミスをチャラにするべく、上下関係が厳しい銀行の中で、本社や上司らと真っ正面から堂々と戦っていく。サラリーマンであるならば、仕方ない、と諦めてしまいがちな局面で、絶対に勝つという意思を持って突き進んでいる所に、感情移入する人は多いでしょう。

日曜21時から、このドラマを放送しているのは、日本のサラリーマンに向けた応援、といった位置付け。月曜から再び営業日が始まるサラリーマンが多い中で、ドラマの主人公の様にとまでは言わないまでも、厳しい局面でも頑張って、という応援メッセージが、このドラマに込められているのであろう。

原作は、直木賞作家の池井戸潤のこちらの本。

 

さてさて、このドラマは面白い。厳しい局面にさらされては、真っ正面から立ち向かい、一矢報いはするのだけど、そうそううまくはいかないのがリアリティ。当然打ちのめされたりするのだが、そこで諦めない姿勢が一貫しているのが主人公であり、このドラマの中心的なエッセンスなわけです。

これまで、二回見てみて思うトコロ。先述の通り面白いのだけど、先の構成がワンパターンになると面白さは半減する。ワンパターンな水戸黄門的な楽しさでも、それはそれで良いのだけどれども、飽きがこない工夫が必要。

ストーリーの根幹には、主人公の幼年期の原体験があり、父親の会社が銀行員の貸し渋り、不良債権回収のあおりで追いつめられ、自殺するという話があり、それが基点となって、主人公がその当該銀行の行員になり、逆に、銀行を変える、自分が思う様な銀行、社会的な役割に変えたいという野心を持っている(原作を読んでいないのだけど)部分がある。

恐らく、父親を自殺に追いやった銀行員が、現在は表裏で銀行を牛耳る常務取締役の香川照之なのだろうが、その香川照之との闘いの距離感や時間感覚の持たせ方が、ドラマをいかに面白くするかのキーファクターなのだろうな、と。ここの創り込み方が要注目ですな。

あと、主人公の堺雅人が良いですね。「リーガルハイ」くらいの時から、型が破れた感がありますな。かつては、にこやかな笑顔とセットで温厚な脇役をしている姿しか記憶にないのだけど、「リーガルハイ」から、役の触れ幅が広がって、実に面白くて魅力的になってます。彼が、この役を演じているのも、このドラマが受け入れられている要因の一つだろう。

2013年7月15日月曜日

Good Designに囲まれた毎日(G型醤油さし)

私の家で使用している醤油さしがこちら。











非常に、ミニマルなデザインで、テーブルの上に置いた時の安定感は半端無いわけですね。こちらの醤油さしが、とある百貨店で入ったお寿司屋さんでも使われていて、ちょっとうれしくなって取り上げてみました。

ミニマルで、機能的で、デザイン的に飽きがこなくて・・・ということで、こちら、Good Design Awardをとられている森正洋氏のデザイン。Good Design Awanrdて、対象テーマは幅広くて、私も電機メーカーに勤めていた時に担当商材が受賞していて、受賞の販促物を作った記憶がありますが、カスタマに対して、少なからずなポジティブなインパクトを与える称号なわけでございます。まあ、私の場合は、買って使ってみた後に気づいたことなのですがね。

デザイン性の高いモノに囲まれて生きていきたいな、と思います。正確に言うと、自分が良いなと思うモノに囲まれて。人生短いので。何か気に食わないモノに囲まれて、時間や空間を過ごすよりも、気に入ったモノに囲まれて、時折目にする瞬間や、囲まれているという空間への認識の積み重ねというのは、人生の質を上げると思うのですよね。

人生の質とは、時間の積み重ねであって、時間の構成要素の中に、身の回りのモノ、の重みというのは結構だったりするのですよね。そんなわけで、自分が気に入ったモノが見つかった時には、即買いした方が良いと思うのですね。

2013年7月13日土曜日

まず、楽しいコトを見つけよう(「天職」秋元康 | 鈴木おさむ)

何か新しいことを考えて、形にすること。この機能については、テーマとしては色々あるわけだけど、華やかな世界でトップランナーとして活躍する秋元康と鈴木おさむによる対談は非常に興味深い。

ポイントとしてあるのは、好奇心、の部分。自分が面白いと思うことを最も大事にしている。面白いと思う情報を取りに行くし、面白いと思うことを考え、形にしていく、例えば、何かが先にスケジューリングされていたとしても、面白い、を大事にして、スケジュールを変えたりしてでも、優先する。

秋元康の本を読んでいると、運の話が出てくる。最終的には、運、ですよ、と。そして、運を掴むための準備の話とかもあったりするのだけど、その前提として、面白い、と思えることの延長線上にあるかどうか、が大事なのかなと思うわけです。でないと、いつ運が目の前を通るかわからない中で、膨大な準備なんてできない。いや、恐らく、その前提条件が備わっている時には、準備、とすら思っていないのかもしれない。それくらい、面白い、と思えるかどうかは大事なんだと思う。

とある局面でとある方々に、仕事をする喜びとは何か?なぜ仕事をするか?という話をしたことがある。僕は、二つあるのかな、と思っている。一つは、やりがいがあること。もう一つは、やりたいことがあること。やりがいとは、周囲から期待があって、その期待に応え、期待にミートすること、そして、超えること。他方で、やりたいこととは、自分が仕事を通じて、社会をどう変えたいか、の核が自分の価値観と共鳴していること。

秋元康や鈴木おさむは、やりたい、と思えることをとても大事にして、コミットしているのだな、と読んでいて思ったわけですね。先の二つは、どちらも大事だと思うのだけど、まず後者があって、で、前者も備えている、もしくは、備わせる、というのがあるべき順番かな、と。

ということで、つらつらと好き勝手書いてみました。キーとなるセンテンスは抜粋してみました。前半が秋元康で、後半が鈴木おさむ。やはり、秋元康の方が、ディファレンスを取った考え方が一貫してますね。なか面白い本なので、一読の価値有りでございます。


秋元康

  • 「人間の幸せは何で決まるか?」「今が楽しいと思えるか?」それしかない。
  • 仕事でも自分からアプローチはしない。アイデアの種があっても、ことさらプレゼンしない
  • 人脈は、あとで気づけば人脈になっているだけ
  • 便りがないのは縁がない、なの
  • みんな、そのときの運の流れ、空気の流れよりも、先に決めたスケジュール通りに生きようとする
  • 自分が「おもしろそうだな」と思えるかどうかが一番
  • 一番重要なのは「好奇心」だけど、もう一つ挙げるならば「スピード」
  • 忙しくなるのがわかっていても、仕事を引き受ける理由
    • まずは好奇心
    • 小さな誘いや依頼を断りたくない
  • どうしたら放送作家になれる?って聞いてるやつはダメで、そこで何かを思いつくやつが放送作家なんだよ
  • 最終的には、やるか、やらないかしかない。やったやつが成功するんだよ
  • いいときでも悪い時でも、淡々とやっているうちに、運がくる
  • 仕事が終わって、飲みに行くか、女の子と遊ぶか、寝ちゃうか、そこで、さらに書けるかどうかの差。誰に頼まれているわけでもない中で
  • 誰もがやりたいことをやるだけの時間しかないと思う


鈴木おさむ

  • 今、世間の真ん中にあるものに近づくっていうよりかは、自分が思ったことにみんなに触れさせたい
  • 人に会うのって、自分の計算外のことが起きるってこと
  • やりたい仕事は待ってたら取られちゃう。だから、格好付けずに口に出して言う



適切な行動習慣の徹底(「とことんやれば、必ずできる」原田泳幸)

最近、部屋の模様替えをしたことで、本棚に本が整理されているという当たり前のことができるようになって、それに伴って、昔読んだ本を整理しているのですが、マクドナルドの原田泳幸氏の本が何冊かあり、付箋が貼られていた部分を中心に読み返した、というのが背景としてあります。

周知の通り、マクドナルドの前は、APPLEの日本法人の社長をしていたわけで、マーケティングの機能を軸として、経営の能力も高くて、結果を出すための徹底的にやり抜く、という部分が突出していることがわかります。

加えて、この本を読んでみると、やはり、根本としてある、成長志向と、そこからの行動原理・習慣にしっかりと落ちているというのがわかります。当然、そこができていないと、実態が伴わないので、当たり前と言えば当たり前で、その当たり前がちゃんとできているのがすごいことなのですよね。

以下、ちょっと気になった部分を抜粋しました。
  • 仕事でも趣味でも、会社も個人も全ての面で成長したい
  • 時間を消費に使うか、投資に使うかで、人生は大きく変わる。では、何を投資というか。それは、新しいプロセスに取組むこと。毎日の行動には同じことの繰り返しが沢山あるが、その中で違う結果を出す様に頑張ることが、時間に投資するということ
  • 仕事とは、与えられた作業を終わらせることではなく、与えられた時間の中で、与えられた目標を達成するということ
  • 戦略的思考とは、自分で素晴らしい戦略を考えるだけではなく、その戦略に周囲が賛同し、動いて初めて有効になるもの
  • 説明抜きでもわかるような絵がかけたときは、相手がわかりやすいだけではなく、自分の頭でも戦略が明快な形になっている
  • ひたすら自分の知識・技能を磨く姿勢を公私にわたって貫く。自分の能力が開発されることは間違いない
  • ビジネスに「謙虚」は通用しない
  • 成功体験の分析は常に心がける
  • 健康を維持するために一番大事なのは、自分の精神力・体力の限界を超えるまで頑張りすぎないこと


2013年7月7日日曜日

とても欲しい技術 (「記憶する技術」伊藤真)

弁護士試験の塾の伊藤塾の塾長による、記憶するための技術に関する本。
  • 記憶力は、一生、鍛えることができる
本を開いてみると、まず、こんなことが書かれている。ちなみに、一生、は赤字で。普通に考えると、記憶力は、年をとればとる程衰えそうなものだが、記憶力を鍛え続けることができる技術とは、どのようなものなのだろうか。


本文中から、ポイント抜粋。
  • 同じことを何度も飽きずに繰り返すことができるということ。当たり前のことだと思うかもしれないが、これこそが、記憶する技術の極意
    • 基礎学習のように同じことの繰り返しでも、毎回「意識のポイント」を変え、新たな発見をする。傍からみれば同じことを繰り返すように見えても、本人にとっては毎回が新鮮になる。これが、記憶する技術の核心
    • 理解して記憶しておくと、理解のしかたを憶えているので、次の理解に取組みやすい
    • 努力を続けた人は、ある時点から急カーブを描く様に、理解と記憶力が増す。だから、努力し続けることは大事
    • 記憶することは、「強く印象に残す」と言い換えられる。興味をもって、強く印象づけると、記憶できる
    • 抽象的なことを覚えようとするときであればるほど、自分の経験をいかにそれに結びつけ、経験記憶にしていくかが重要
  • 記憶する技術
    • もっとも大事なことは「復習」
      • それまでの全てをざっと復習すること
      • 常に全体の復習をすることで、それぞれがつながってくるし、記憶の定着にもなる
    • テキストを目で見て、集中して読みながら、音読することによって、目と耳の両方が刺激される
    • 記憶とは、出来事を印象づけて頭の中に保管し、それを引き出すこと。記憶力を伸ばしたかったら、「憶えて」「それを思い出す」訓練をすれば良い。そのために効果があるのが、「一日を振り返ること」
      • 「昼は何を食べたんだっけ」などを細部まで思い出してみると記憶の訓練になる
      • 仕事に関連づけて思い出せば、次の日の準備になる
    • 記憶力を減退させる一番の的は、ものぐさ
      • 整理が苦手な人は、記憶力も弱い
上記を意識しながら、自分の毎日の習慣に落とし込めば、記憶力を底上げすることが中長期的にできると思われる。

ちょっと脱線になるが、「記憶力」という一つのテーマについて、よくここまで書けるな、と思う程リッチな内容。しかも、学術的に、色々なところから情報をかき集めて統合した内容ではないのですよね。ほとんどが、伊藤真氏が自分でトライして検証した、帰納的な内容が詰まっているわけです。

結局、自分自身の記憶に関するクセであり、課題に気づいて、それに対して、解決するような施策を打たないといけないわけで。伊藤真氏は、如何に効率よく、記憶力を上げて、パフォーマンスを上げるか、をとても客観的に自分を分析して、行動であり習慣に落とし込んで行ったのだな、と気づかされる。

だから、先に、意識しながら、自分の毎日の習慣に落とし込めば、記憶力は上がる、と書いたが、実は正確ではなくて、自分が得意・不得意なやり方をちゃんと認識して、毎日継続できる様な行動習慣の項目リストに落とし込むことで、かなり記憶力があがるのではないか、と思うわけです。毎日頑張って、一生記憶力を高めて行きたいですね。

徹底的にやり抜いて結果を出すために (「101の言葉」 原田泳幸)


この本については、所謂テクニックや知識的なtipsも色々と詰まっているわけですが、結果を出した経営者が、結果を出すために徹底的にやり抜いたことであり、結果を出すか出さないかの境目に何をするべきか、ということがリアルに書かれていることが、大きな良いポイントかな、と思うわけですね。

読んだのは結構昔のことなのですが、その頃、私が、ポストイットを貼ったのはこんなセンテンスについて。
  • 通常、戦略とは、企業を戦略に導くために、「あれをやろう、これをやろう」と新たな施策を打ち出し続けることだが、「何をやらないか」を考えるのも企業戦略の重点施策の一つ
  • 不可能に挑戦してこそ、成長できる
  • 人生を生きる上でも、当たり前のことをやるのが一番難しい
  • 大切なことは、戦略を如何に素早く、効率的に実行するかであり、それは、「人の力」によるものでしかない。それが、戦略の原点
  • 経営者の仕事とは、一瞬のひらめきを検証して、仕組みをつくり、人を説得して動かすこと
  • とにかく自分の発想や考えは、絵に描いてみることが大切

幾つかについては、自分自身が大事にしていて実践していることであり、幾つかはとても難しいことでもあり、実践するために頭を使っていることもあり、とても共感したことでもあるわけですね。経営者の立場、または、リーダーの立場として、事業や会社を引っ張っていっている人や、最前線で自分事として困難な課題を解決しようとしている人にとって、この本は励みになるのかな、と思います。

2013年6月11日火曜日

目の前の人を喜ばすコトにこだわる (「考えないヒント」小山薫堂)

人を心を動かして、行動を引き起こして、その人の人生を変えることができたら。そんなことを仕事にすることができたらいいなと思う。しかし、事業を通じて、より沢山の人に対して、とか考えてみると、多大なリソースを駆使するために、色々と難しい検討をしながら・・・とややこしくなっていって、手の届かない何かを掴もうとしているのかもしれない、とか少し遠くに目をやったりすることもないことはない。

しかし、実は、そんなに難しいことではないのかもしれない。目の前の人を喜ばすこと、その連続であったり、そこが基点となることで、沢山の人を喜ばすことができるかもしれない。そんなシンプルなことを大事にすることの大切さ。そんなことを考えさせられた本、なのかもしれない。



もう少し具体的に書いてみると。
  • 自分の身体をアイデア創出体質にすることが大切。何かを見ては、オレだったらこうするのに、という「勝手にテコ入れ」してみることを習慣とすることが重要。そして、自分ならこうする、というアティチュードが根本的な部分
  • 関係するが、日常をいかに面白くするかに力を入れる。そこにアイデアであり、時間をかけていく。非常にシンプルな動機付けなのだけど、理にかなっているかな、と
  • 面白いのは、面白くするために取組む対象が、別に営利目的というわけではなく、全然つまらない、お金にもならないことにも手を抜かずに、取組んでいく、という点。しかし、取組んだ一つひとつのコトが偶然的に大きな機会に結びつくこともある
  • 観察するコトや、人と話すコトが大事。アイデアの種はそこら中に転がっている。個人的には観察するコトや話すコトの前提として、感じるコト、気づくコトが大事だと思う。でないと、何も残らないので
小山薫堂氏のコトが気になり出したのは、こないだエントリーしたこちらの番組を見てから。料理の鉄人等のヒット番組やアカデミー賞等をとっていて、とても凄いのに、なんだか自然体で、好奇心やこだわりが人一倍ある感じなのだが、その様がおかしくって。で、その対談相手の佐藤可士和と違いすぎていて面白かった。きっと僕は、佐藤可士和系の人なので、違うアプローチをする人に興味がわいたのですね。

でも、実は、アイデアを出すという根本については、佐藤可士和も小山薫堂も変わらないのかな、とも思う。最も根本的には、先にも書いた様に、人やモノを観察すること、そして、人が対象だった場合は話すこと、その結果、アイデアの種に気づくことが大事。という部分があるのかな、と思う。

2013年6月8日土曜日

仕事の意味は、自分で見つけないといけない (「ユニクロ思考術」柳内 正 監修)

ユニクロが好きだ。大学の頃は、キャンパスの対面に店舗があって、研究室のみんながフリース買ったりして。すげー流行ってたからね。同じ研究室のオサレさんが、ユニクロの服をうまくコーディネートするのな。パタゴニアのショッキングイエローのジャケットに、ユニクロのカーゴパンツ合わせる?あー、そのメガネとカーゴパンツの丈がキーだよね、みたいな。彼には影響をうけて、ユニクロをうまく着こなす、というのには今でも課題の一つですよ。って、なんのこっちゃ。

そんな観点もあるのだが、会社がいいよね、っていう。大学の経営学の授業で、ソニーの盛田昭夫がニューヨークに行って、アメリカ進出のために苦労しながら攻略し、世界に認られていった話を聞いて憧れたものだった。なんてエキサイティングなんだ、と。しかし、ユニクロを持つファーストリテイリングは、「今」、そんなエキサイティングな挑戦をしている会社なわけなのだ。採用のHPに行くと、こんなコピーが出てくる。「世界企業に入るか、世界企業を作るか。」

勢いのある企業には、優秀な人材が集まっていく。この本では、佐藤可士和氏や片山正通氏などの社外から、堂前宣夫氏や勝部健太郎氏などの社内の人材の仕事感や仕事術などが書かれている。ファーストリテイリングに関連する飛びきりのプロフェッショナル人材なのだから、こだわりや強みのエッジがかなり尖っているという印象を受けるし、ユニクロすごいや、不況しらずだわ、ということがわかる。



「終わりに」の柳井正氏のコメントがよかった。過去に、松下幸之助や盛田昭夫など名経営者はいたが、現在活躍する経営者の中では、彼は特別素晴らしいと思わされる。ブログで引用するなんてナンセンスだと思うのであまりしないが、良かったので、少し長いけど、引用(一部中略)してみた。若い人は特に読んでみてみて欲しいところ。どんな優秀な経営者も迷って、それを乗り越えてきていたりするということ。目の前の課題にガチで向き合って、自分で答えを見つけていかないといけないのだ。

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サラリーマンになるなんて、意味がないと思っていた。卒業後もぶらぶらしていると、父親から「ジャスコに行け」と言われて、何の目標も持たずに就職した。当然、仕事に対するモチベーションなどなく、目の前の作業は作業でしかなかった。「仕事とは何か」など考えることもなく、わずか9カ月で辞めた。山口県宇部に戻り、家業の洋服屋を継ぐことになってから、俄かに仕事に対するモチベーションが高まった。洋服屋の仕事が向いていたというよりも、失敗すれば何もなくなるという状況にだったからだろう。これは、今だから思うことだが、ぼくは仕事に「向いている」「向いていない」はないと考えている。とにかく「それしかない」と思うこと。自分の一生の仕事と思えることを見つける、あるいは、そう思わざるを得ない状況に自分を追い込むことが重要なのだと思う。そして、それは早い方が勝ちだ。

仕事に意味はない。もっといえば、そもそも人生に意味はない、と考えることができる。しかし、人生の意味は、一人ひとりが仕事を通して発見し、作っていくものだと思う。悩まない人はいない。みんな自分だけが悩んでいると錯覚して、他の人は悩んでいないように見えてしまう。でも、全員が悩みながらも仕事をやっていると思わなくてはいけない。ぼくも昔はそうだったが、一人机の上で本を広げて考えていてもダメで、人と一緒に仕事をしながら体で感じていくことが重要だ。

2013年6月4日火曜日

ドラえもんから学ぶ絶妙な距離の想像力 (ドラえもん)


少し前の話。所謂知的な人と一緒に仕事をしていた時があって、論理的で構造的な思考を持っているのは勿論、科学も歴史も政治も何かもと言っても良いくらい広範で深い知識をもち、その知識を基にユニークで説得力のある意見を組み立て"続ける"人だったのですね。根本的に知的好奇心が強くて何でも理解し、得られた知識は丁寧に脳みそにストックされ、尚かつ、いつでも引き出しから出せる様な状況になっている様は、とても美しくて感動したりしたわけですね。また、話し方も整然としていて、・・・とまあ、彼の話はこの程度にしておきますが。

彼とは、過去1年3ヶ月程度の間、平日はほぼ一緒にいたのですが、先の通りの人なので、ランチの時ですら、油断できないトークが多かったわけです。クライアントも、around 40の脂ののった人ばかりで、技術系の人の割合も多かったせいか、ランチのときも、緩い話というよりかは、最新のテクノロジーの話をしていたわけです。

そんな最中、大学の学問の在り方から始まって、米の大学の研究費の大部分は国防費からでており、その資金力が日米の大学の研究の質であり、成果の違いに結びついているといいう話があったりした。で、その流れで、とある研究成果として、「ドラえもん」の「手」ができた、というトピックがでて、とても面白くて、記憶に残っている話。

ドラえもんの手は、球体なのだが、何でも掴むことが可能。考えてみればとても不思議な構造であり機能をしているのだが、アメリカの大学で、同様の機能を果たす手ができた、という。所謂手の部分は、通常球体で流体(確か)なのだが、モノに触れると、流体であるため変形し、モノを持った状態になる。その状態で相転移させることで、がっちりと「掴んだ」状態にできる。ということらしい。

そもそもは、地雷除去等の危険物を触る時に利用することを想定して開発されたわけだ(この点が、先の国防費の話と繋がったわけですね)が、「ドラえもん」の「手」に違いないよね。その研究結果を見て、ドラえもんの手にすぐに結び付けられた点も凄いことだし、そもそもその研究成果について、とある論文を見て、気づく点もすごいかな、とも思いますな。

しかし、ちょっと違う面から見てみると、「ドラえもん」の世界に出てくるコンテンツて、非常にクリエイティブで凄い、とも思わされるわけですね。科学技術力から絶妙な距離感の想像力、とでも言うのだろうか。そう考えたとき、逆説的に考えると、ドラえもんを読んでみると、そこに到達するための科学技術のヒントがあるかもしれない。そして、再度戻ってみると、ドラえもんを読むことが想像力への刺激的なコンセプトがあるないか、なんて思ったりしたのですよね、当時。企画屋は、ドラえもんを読もう!なのでございます。

2013年6月3日月曜日

「有言実行」なるか?(再) (HONDA)

HONDAという会社は、戦後、日本が復興し、世界第二位の経済大国になる過程で中心的な役割を果たし、地方の町工場から世界企業に成長したというJapanese Dreamを体現した会社の一つとして、日本人、特に、高齢の方にとって、強い印象が残っている。不可能を可能にするチャレンジ精神を有する会社として、今でも、この会社に期待する人は、多いと思う。そんな話を、こちらのエントリーにも書いた。

実は、今日電車から降りたら、こんな屋外広告が。思わず、立ち止まって読んでしまった。そして、写真をぱちり、と。

















それで、先の一年近く前のエントリーを思い出した次第です。技術を中心とした会社であるという自認がズレておらず、会社のコアコンピテンシーであり、進むべき方向性と広告の内容とがズレているわけではなくて、良いと思うのだけど、答えを出して下さい、に尽きますね。広告にある通り。言うだけではなく、形にしてほしい。HONDAなら。期待しているから、答えを見たいのです。HONDAの四輪車を出して50周年だからこの広告ができた、のではなく、答えがもうすぐ出るので、この広告を出した、ということを期待します。

2013年6月2日日曜日

自分流を突き詰める (「達人達」NHK Eテレ)

NHKのEテレで、「達人達」という番組がある。一言で言えば、一対一の対談番組なわけなのだけど、これがなかなか面白い。

例えば、クリエイティブディレクターの佐藤可士和と、放送作家・脚本家の小山薫堂の回。二人は、年齢が同じであり、新しい何かを企画して、大衆の心を動かし、行動を動かすことを考えるトップランナーであるわけだが、そのアプローチは全く異なる。

佐藤可士和は、超合理的なクリエイティブアプローチ。クライアントとのヒアリングをも基に、コミュニケーションの本質を探り出し、その本質を基点にデザインに落とし込み、マスプロモーションで、大衆を動かしていく。



他方で、小山薫堂は、化学反応を大事にする。何かと何かを合わせることで起きる面白い何かを突破口に、創り出しているように思う。その観察であり洞察は丁寧で巧み。継続的にヒットする企画を生み出すトップランナーの一面を垣間みれるわけである。



互いの仕事場に行き、対談をするのであるが、佐藤可士和の職場が、無駄なモノが全くない美しいまでに整理された合理的な仕事場なのに対して、小山薫堂の職場には、一見無駄なものが多いのであるが、仕事時間にアクセントを加え、通常とは違う流れを引き起こす仕掛けがされた仕事場になっていて、その違いは歴然で非常に面白い。

二人とも、新しい何かを創り、人の心を動かし、行動を動かすことを目指し、実現しているのだが、全くそのアプローチが異なる点にとても面白さがある。

佐藤可士和と小山薫堂の回は一例なわけだが、毎回、様々な業界で活躍するトップランナーが、対談することで浮き彫りになる、各者が仕事で大事にしていること、行動規範であり原理のようなものが、全く異なる点が面白かったりするのですね。成功のアプローチは多様であり、正解はない。自分流を突き詰めていくことが実は結構大事なのかもしれない、とか思わされるわけですね。

結構、この番組はオススメです。

自分"だけ"のプロダクト (土屋鞄製作所)

5年くらい前、かわいがっていた後輩が土屋鞄製作所の新書のブックカバーをプレゼントしてくれた。当時、ブックカバーには全く興味がなかったが、"プレゼント"という偶然のモノとの出会いを生んでくれる出来事を通じて、土屋鞄の上質な革製品のブックカバーに心動かされたわけなのである。

そこから、何かの小物を買う時には、革製品であり、土屋鞄が一つの選択肢になっていて、パスポートだけでなく旅行小物がはいるパスポートケース等も買ったりしていた。

革製品の何が良いか?というと、時間が経過する毎に、質感が変わり、馴染んできて、自分"だけ"のプロダクトになっていくのである。時間をかけて少しずつ変わっていくので、時間がかかった分愛着が湧いてくるわけですね。

最近、買ったのがペンケース。ペンの出し入れの時間がもったいないなという効率性の観点からペンペースは長期間使っていなかった。でも、気に入っている万年筆とかボールペンが、むき出しのままでもったいない、というか、大事にしたい、という感情もあるわけで。そういうモノのためにも、ペンケースがあるといいかな、と思った次第なわけです。












写真がこちら↑なのですが、なかなかいいですね。これを使い込んでいくことで、どんな風に変わっていくか。今から楽しみです。

2013年5月5日日曜日

日本を元気にする15分(「あまちゃん」NHK)

朝の連続テレビ小説「あまちゃん」が面白い。「おひさま」以来の非常に面白いドラマ(全然カテゴリ違うけど)。一体何が面白いのか?素で笑ってしまうのか?のめり込んでしまうのか?ということで、
  1. 朝ドラの型破り
  2. 宮藤官九郎脚本の新しい魅力
  3. 主役も脇役も光る役者陣
の観点で紐解いていこうかなと思います。


1. 朝ドラの型破り
そもそも、2.に通じるが、宮藤官九郎を朝ドラの脚本に起用している時点で、常識を破っている。宮藤官九郎の脚本は渋谷系等と言われていた。つまり、10代後半から20代の若者に人気がある脚本家なわけだ。

他方で、朝ドラの視聴者は、主婦や会社を引退された方々、つまりは、30代・40代以上の女性が中心なのである。宮藤官九郎のこれまでの客層とは完全にミスマッチ。それなのに、宮藤官九郎を起用したNHKのプロデューサーの方にまずは拍手を送りたい。(逆に、昔、「池袋ウエストゲートパーク」等を見ていた20代の方々が、今主婦になっている、という考え方もできるのだけど、それよりももっと上の年代が朝ドラのメインターゲットだと思われる。)

で、結論として大成功している。初回視聴率は7年ぶりの高視聴率20.1%(関東地区)。04/17視聴率は22.0%(同)と近年希にみる視聴率となっている。実際、私の60代の父母も「あまちゃん」を見ている。「くどかんでしょー、超面白いよね」と言っている。私の父母が平均的な60代かどうかは別だが、かなり高齢者にも受け入れられているようだ。

また、他にも、色々と新しい観点を取り入れているのかな、と。
  • 鉄拳のパラパラ漫画
    • 鉄拳の人気を取り込んだ、と初期的には見て取れるわけですが、鉄拳の漫画の特徴をとても活かした、うまい起用だと思った
    • 鉄拳の漫画は、ほのぼのするハートフルな内容。素朴で、スッと、受け手の心の中に入ってくる。朝ドラにマッチした特性を持っていると思うわけ
  • 御法度禁止なシーン満載
    • 朝ドラは、関西が主体となっている階は、ドタバタ劇で笑いあり涙ありに仕上げる傾向があるのだが、NHK的に(?!)節度は保っているのかなと思う
    • しかし、顔芸、と言って良いくらいの表情での感情表現、ギャグかと思う様な回想シーン、宮藤官九郎ドラマによくある映像早回し、等等これまでのNHKの朝ドラのステレオタイプを壊している
朝ドラって、こんなに自由だったのか!!!と思わせる型破りな構成なわけですね。見ていて全然飽きることがなく、とても新鮮に見ていられます。


2. 宮藤官九郎脚本の新しい魅力
宮藤官九郎脚本のドラマは勿論見たことがあるが、「あまちゃん」はその中でもとても面白い。何が面白いのか、と考えてみると、宮藤官九郎の特徴を存分に活かしている要素と、朝ドラだから新しく宮藤官九郎が生み出した要素が絡まり合って面白いのかな、と思う。
  • 宮藤官九郎のこれまでの特徴
    • スピーディに物語を展開させ、視聴者を物語に引き込む。あり得ない展開必至。視聴者の期待を良い意味で裏切り続ける
    • 主役や脇役に細かいこだわりを持たせ、キャラを立たせ、お気に入りを創る。神は細部に宿る、とはこのこと
    • 巧みなセリフ回し。一人だけのセリフも面白いが、複数人の掛け合いのテンポの良さは秀逸。素で腹を抱えて笑えるっす
  • 宮藤官九郎の朝ドラ特有の特徴
    • 朝ドラは、毎日15分だけ放送される。この制約のメリットは大きいかな、と思う。宮藤官九郎のドラマは、若干くどく感じることがある。個性が強すぎるのだ。しかし、15分というコンパクトな時間は、その個性と良い距離感を創る。お腹いっぱいになる前に、一話が終わるのである
    • 朝ドラであり、東北を舞台としていることもあり、丁寧にキャラを描いているような気がする。色々な年代の人の色々な目線を丁寧に描いていて、元々ある特徴である軽快さとの触れ幅は大きく、物語に重層性を生んでいる

3. 主役も脇役も光る役者陣
主役の能年玲奈から、脇役の小泉今日子、宮本信子、杉本哲太、と、一人ひとりが非常にチャーミングなキャラに仕立てられている。

能年玲奈は、ほとんど新人なのだが、彼女の素の魅力を根底に、宮藤官九郎の脚本にガチで勝負している様に共感できる。ドラマでは、喜怒哀楽があり、主人公が成長していくが、喜怒哀楽の一つひとつの表情がチャーミングで、見ていて、引き込まれる。そして、非常に透明感があり、まさに、「あまちゃん」にぴったり。docomoのCMに出たての広末涼子を思い出した。彼女は、ブレイクするだろう。

脇役をはっている、小泉今日子、宮本信子、杉本哲太は、存在感を発揮しまくっている。彼女彼らがいないとこのドラマは成立しない。他にも渡辺えり、片桐はいり、吹越満等もいて、彼女彼らの個性が絡まりあうことで、このドラマの魅力は何倍にもなっている。

加えて、荒川良々、皆川猿時、村杉蝉之介、等の宮藤官九郎に頻出の役者陣が細かい演技で笑いという花を添え、加えて、小池徹平等の宮藤官九郎ドラマ初顔の役者陣も体当たりで演技をしており、全体として、ドラマは一秒たりとも油断できない魅力さで満ちている。


まさに、日本を元気にする15分のドラマ。とても面白い仕上がり。ドラマはまだまだ序盤で、今後の展開が気になるところ。更なる盛り上がりを期待したい。

2013年5月4日土曜日

仕事をすることの頂(「お金という人生の呪縛について」松本大)

確か、MONEXを創立した時に、松本大氏の存在を知った。なんでも、35歳で、当時のSONYのCEOである出井さんを口説いて、出資してもらい、MONEXを創立した、と。そして、キャリアを見てみると、外資系金融機関を渡り歩き、世界最年少でパートナーに上り詰め、所属企業の上場に伴い莫大な利益(10億以上)を手に入れる予定だったのを蹴って、MONEXを創立した、とのこと。カッコよすぎるし、凄すぎる、と当時思ったものだった。

過去にも、何冊か本が出ていて、読んだりしていたのですが、久し振りに本が出ていたので、読んでみました。タイトルは、なんだか難しい話なのですが、タイトルに関する記載も勿論あるのですが、基本的には、彼の仕事観や仕事術について書かれています。

幾つか、ひっかかった点について、本書から引用・加工しておきます。
  • 仕事の優先順位方法
    • 優先順位をつけることなく、思いついたところから手をつけていく
    • 慣性、あるいは勢いやノリがあるかどうかで仕事の処理スピードは極端に違ってくる。優先順位を考えているだけでは慣性は働かない
    • 目の前の仕事を片付けているうちに、どんどん勢いがついてくる。それが仕事の効率を更に上げ、気がつけば随分先に進んでいる
  • 仕事の整理法
    • 仕事の整理法を考えたこともないし、仕事を効率的に終わらせて早く帰宅しようなどと思ったことはない
    • 時間の効率を考えないわけではないが、今まで2時間かけてやった仕事が1時間になれば、あとの1時間で別の仕事ができる。あくまで、効率とは、より長く、より沢山の仕事をすることにある
  • 仕事は直列
    • 目の前にある仕事を「嫌だな」と思うことはある。しかし、それ以上のことはなく、難しく考えない様にしている。この仕事が嫌いだと思う時間がもったいないし、嫌いと考えると出力が一気に下がる
    • 仕事はシーケンシャル、すなわち直列に並んでいる。どんなに小さな仕事でも、どんなにつまらない仕事でも、仕事は直列に並んでいるので、その一つひとつを順番にこなしていかなければならない
  • 仕事は少ない人数でやる
    • 単位時間当たりの経験値を増やせば、全体的な経験値も増える。だから、仕事はできるだけ少人数で回した方が良い
  • 一日を20時間だと思う
    • 仕事のある日は一日ほぼ20時間を仕事に充てている
    • 有限な時間を有効に活用するにはとにかく長く働くしかない。10時間働くところを9時間にしてしまったら、結果的に私の「出力」は10%落ちてしまう。それは、「私」の能力が10%落ちたのと同じこと
    • 一日20時間を仕事に使い、さらにその20時間で処理できる仕事を増やしていけば生産性はどんどんあがっていく

ちょっと引用・加工が多くなりました。一般的な人の一般的な仕事の仕方、もしくは、仕事術やら何やらの本に出ている内容と真逆の内容が結構あったりして、超一流の人の仕事観や仕事術て、突き抜けているな、と思いますね。

上記の内容は、本書の中から良いなと思った点なのですが、仕事は直列、と、一日を20時間だと思う、が特に良いなと思いました。

結局、仕事はブレイクダウンをしていくと、幾つかの分岐や分担がなされることにはなるが、基本的には、一つひとつのタスクが直列に並んでいて、それらを一つひとつ片付けていかないと目的を達成することができない。しかしながら、多くの人は、嫌な仕事があると、出力が落ちたり、他の仕事に手をつけたりしてしまう。そうすると、仕事達成の速度が落ちてしまう。だから、とにかく、目の前の仕事を片付けて行くしかない、と腹をくくって、嫌だ好きだ等を考える余地もないくらいに、仕事に没頭すべし、なのですよね。

一日20時間の仕事は・・・なかなかできないですね。せいぜい16-18時間だと思うんだけど、松本大氏は20時間フルに仕事をしている、とのこと。移動中も電話で仕事、1分の隙間時間にも1分でできる仕事(普通5分とかの例を出すものだと思うが・・・)、出張中は昼は現地で仕事、夜は時差を利用して電話会議やメールで仕事(多分20時間を余裕で超えている)。しかし、こういったトップノッチな方が、他の追随を許さない量と質で仕事をしているのだから、もっともっと仕事をしないといかんな、と思いました。

超一流の仕事観や仕事術を垣間みたい方、そして、仕事の仕方に課題感のある方、または、仕事は順調に取組んでいるが更なる高みに行きたいという向上心をお持ちの方は、ご一読下さいませ。

2013年5月3日金曜日

至高・思考の数え歌(「いたちのたぬき」ピタゴラスイッチ)

子供とお風呂に入ってて、それでは数を10数えてからお風呂を出よう、ということになり、子供が歌うのが、ピタゴラスイッチの「いたちのたぬき」。歌詞はこちら(「いたちのたぬき」より一部引用)。

---
いたちのたぬき
かにのかとり
さんまのまぬけ
おはしのおはなし
たまごとるタマ
ふろくふとる
バナナのバトル
はちまきまきとる
きゅうりのリトル
ジュースのストロー
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はて、何のことだろうか、と思った人もいるのかもしれない。10数えていないではないか、と。これには続きがあって、こんな風になっている。

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いたちのたぬき「いち」
かに の かとり 「に」
さんま の まつり 「さん」
おはし の おはなし 「し」
たまご とる たま 「ご」
ふろく ふとる 「とく」
ばなな の ばとる 「なな」
はちまき まきとる 「はち」
きゅうり の リトル 「きゅう」
ジュース の ストロー 「ジュー!」
---

ということなのですね。ということで、後半の部分だけを読み上げて、10数えて、お風呂を出ているわけですが、実は、私はその歌詞の本当の意味がわかりませんでした。なんだか10を数えている歌なんだな、いたちとたぬきが出たりがありつつで、と。でも、この歌って、なぞなぞうたなのですよね。

例えば、
いたち の たぬき 「いち」
は、
「いたち」から「た」を抜いて(たぬき)、「いち(1)」
といった流れ。他のも全て、同様になってます。

こちらの映像を初めて見てみて、まぢかー、となりました。これを創った人はとんでもない人だな、と。調べてみると、電通で、「ポリンキー」や「ドンタコス」等のCMをつくった佐藤雅彦さんによる歌詞。やはりただ者ではなかった!

ということで、最近は、映像をイメージしながら、「いたちのたぬき」を100%数えて歌っております。こちら↓の3曲目〜。

2013年5月2日木曜日

子供との贅沢な空間と時間(Tokyo Baby Cafe)

 「今日は、どこで、子供と、遊ぼうか?」

休日になると、近いトコ・遠いトコ、遊び路線・学び路線、新しい系・古い系、などなど色々と、子供と一緒に行く場所を考えるもの。私自身、土日のどちらか、または両方とも、子供とどこかに行くようにしているので、常にどこか面白いところはないか、と目を光らせていたりします。

そんな中、結構前に行ったのが、青山にある"Tokyo Baby Cafe"。世界的にも著名になってきたデザイナー 佐藤ナオキ氏のnendoがプロデュースした、小さな子供のいる家族向けカフェ。子供が遊ぶプレイスペースは、大きなソファーで。このソファーだけでなく、中のインテリアは、トップインテリアメーカーのカッシーナーの特注品で構成されているのが大きな特徴。




行ってみた結論としては、とても良かったです。また行こうと思います。ご参考になりそうな良かった点を少し書いておきますねー。
  • カフェ全体の空間デザインが秀逸
    • カフェの中心となるのは、カッシーナーの巨大なソファーでできたプレイスペース。ソファーの上には、玩具があって、子供と親が一緒に遊べる様になっている
    • ソファーは大きいわけだけど、上品な薄青の色合いと造りになっていて、落ち着いて遊ぶことができる
    • 他にも、授乳室やオムツ替えスペースも、薄青で統一されていて、やさしい仕上がり
  • ゆったりとした贅沢な空間と時間
    • このカフェに行く目的は、休日に子供とゆったりとした時間を過ごしたい、ということ。席数は少なくて、カフェにはそれほど人が入れない構造になっている
    • 他方で、価格は若干高めなのだけど、青山の地で、贅沢な空間と時間を過ごすことができるならば、逆に安いかも、といった感じ
  • センスのある玩具と絵本、そしてママ用の本
    • 海外製の玩具が適度にあって、カッシーナーのプレイスペースにおかれていて、トータルでセンスが良くなっている。これって、子供の感性にも通じるのでは、とか。玩具自体も機能性が高い欧州系玩具が揃っているし
    • また、仮に、プレイスペースで遊ばないでも、絵本が十分にあるので、それらを読むのでも良い
    • そして、ママ用の本も適度にあるので、ママのちょっと一休みな時間にも配慮していて、うれしいトコロ。

ちなみに、ご飯は高くも安くもない価格(例えば、950円で、カレー+スープ+デザート)ですが、適当な味だと思います。(子供の離乳食は、カフェで注文もできますが、自分で持ち込んで、食べるのも有り。)ただ、少しお茶は高目かもしれませんね(アイスコーヒーが550円)。

価格面は、子供(7歳未満)+親1人で500円/30分、追加大人1人で250円/30分。ランチを食べたら、2人で5,000円前後かかるイメージですね。ここの部分で、他のキッズカフェと、玩具施設や保育士の面で比較すると高いと感じると思いますが、先述した通り、保育園的な要素も含む他のキッズカフェとは、利用目的が全く異なるものなので、比較しても仕方ないかな、と。

なお、土曜の昼前後に行ったのですが、予約席が多く、ギリギリ席を確保できたという感じ。もし、友達の親子数組と一緒に遊びに行く、という場合には、事前に予約した方が無難だと思います。ということで、今度は友達と一緒に行こうと思います。

大きなカッシーナのプレイスペース
絵本や本もあるカフェスペース
おむつ替え台もカッシーナー

2013年5月1日水曜日

二宮金次郎ではなく(「世界のエリートはなぜ歩きながら本を読むのか?」田村耕太郎)

タイトルからして、世界のエリートは、貧しくて、仕事をしながら、歩きながら、本を読むことで、知識を得て、機会を狙って出世してきた。

という二宮金次郎な話ではなく、コンディショニングの話。世界のエリートは、朝早く起きて、ジムで汗を流し、ウォーキングマシンで歩きながら、iPadで電子書籍を読んでいる。というシーンをタイトルに起こしたものである。

世界のエリートは、コンディショニングをする、つまり、エクササイズや適切な食事を採ることで、身体や脳のメンテナンスを行い、常に、自分の能力を発揮し、パフォーマンスを最大化する、という。著者が、世界各国のトップノッチなエリートについて直接ヒアリングを行い、事実を集めて、立証している。

30歳を過ぎた頃だろうか。朝から晩までストレスフルな環境下で、デスクワークをし続けると、肩や首の凝りが本当にひどくなってきた。加えて、最近は、腰も痛くなってきた。長時間椅子に座り、デスクワークをすることで、腰って痛くなることに最近気づいた。腰が痛い、等と言う人のセリフなんて聞き流していたのは、少し前の頃に過ぎないのに。

対症療法として、腰を痛めない座り方とか、肩や首が凝らない姿勢とか色々試してみたが、それほど良くもならなくて、うっすらとエクササイズをしないといけないかな、とは思っていたのだが、この本は、そんな考えの背中を押すような内容であった。

エクササイズであり、コンディショニングをしないと、自分の身体と脳を最大限に発揮し、バリューを出すことは出来ない。一日の内の幾らかの時間を使ってでも、コンディショニングをするべきだろう。これから先はもっと年をとっていくのだから。コンディショニングの必要性は増すばかり。

ということで、朝30分程走る様にしました。30代以上の方々には必読!

2013年4月30日火曜日

入門書のお手本 (「経営戦略論入門」波頭亮)

波頭亮氏の本を読むと、毎回腑に落ちる。本当にこの人は頭が良いのだな、と思うのですよね。複雑で入り組んだ難しい内容を実に簡潔にまとめ、その構造は洗練され、結晶化されていて、網羅的であるが、無駄が無く、具体性も織り込まれており、十分な奥行きがある。読み手の様々な理解度に対して、適切なアクセスがされていて、実にすんなりと腑に落ちて行く。毎回そんな感触を得るのが、波頭亮氏の本なのですよね。

特にこちらの本は、非常に素晴らしくて、頭を使うことが仕事であったり、うまく頭を使いたいと感じている人にはオススメの本ですね。とはいえ、小手先ではなく、本質的な内容が詰め込まれていて、ちょっとハードル高いかもな内容なので、色々な本をかじった後に、読んでみると良いかもしれませんが。




さて、この本は、題名の通り、「経営戦略論」の「入門」書になっています。「入門」書というものは、幅広く奥深い沢山の複雑な情報がある領域の入り口としての位置付けを謳っているわけですが、その要件として、当該の領域に関する全体像が俯瞰できて、その要諦を掴めること、と思っています。

そういう意味で、この本は、入門書のお手本の様な内容になっています。冒頭は、経営戦略論の変遷が書かれ、なぜ経営戦略が生まれ、どのような進化がなされてきたか、ということが、経営における歴史的な背景と、各経営戦略論の間の相関関係等が簡潔に記載されていて、その全体像を論理的に時系列的に理解することができる。

そして、時系列的な目線だけでなく、経営戦略論に関するパターンについても、方法論と強さの根拠の二軸で4パターンに分類されており、数多有る経営戦略の冠を持つ方法論やコンセプトについて、簡潔な整理がされているので、経営戦略論の全体像とその特徴を、体系的に理解することができる。

これらの内容が、本書を通じて、簡潔に記載されており、一文一文に無駄がなく、突っ込みどころもなく、文章が詰まっている。さらに、各章でポイントのようなパートがあるのだけど、その内容も更に結晶化された内容になっている。そんなわけなので、入門書としてのお手本でもありつつ、文章を書くこと、そして、まとめることのお手本でもあって、ダブルな良書だな、と思う訳ですね、これが。

と、ちょっと脱線したけど、そもそも経営戦略論とは、という全くの知識が無い人が、まず読んでみる本としても有りだと思うし、色々と経営戦略をかじってきた人が、構造的に整理し、その後、ミッシングパーツを認識して補充していく、といった整理の位置付けとして読んでみるのも有りだと思います。良い本です。

2013年4月28日日曜日

Webにおけるパーソナライズのあり方 (Gunosy)

一、二か月前のことだろうか。複数の情報源から、「Gunosy」というアプリサービスの存在を知り、早速iPhoneにダウンロードして、使ってみた。「Gunosy」とは何か?

 「スマートなパーソナルマガジン」
 「使えば使うほど、あなたの興味が学習し、より良い記事を推薦する」

こんなことがHPには書かれている。なんだか先進的なサービスのようだ。

と思った人も多いのかもしれないが、10年程前のことだろうか。SONYにCoCoonというチャンネルサーバーというカテゴリの商品があった。テレビの録画を繰り返していくと、自分の嗜好を分析・把握してくれて、その情報のストックが溜まっていくと、自分が録画していない見たい番組までサーバーが勝手に録画してくれるというもの。人口知能、つまりは、機械学習やデータマイニング等の高度なデータ分析を施すことで、これらのサービスを実現している。昔からあるアプローチなわけだ。

SONYのCoCoonは、大容量のサーバーも安くなっていき、他方で、デジタル放送等も増えていき、見れるテレビ番組数は増えていく。そんな時に、既存のテレビ番組表の枠に縛られるのではなく、自分「だけ」の番組表があったら、ステキじゃないか、というコンセプトが基点になっている。勿論、このコンセプトの実現には、既存の多領域にまたがるビジネスモデルのパラダイムを変えるものであって、難易度は非常に高かった。

他方で、「Gunosy」もそれに近い。ポータル、検索、SNS、とネットのサービスの主軸は変わっていき、より、ユーザーを中心とした世界になってきていると思われるが、一人ひとりが、ネットの世界で、自分にとって最適化された情報を閲覧できているか?というと、否、だろう。やはり、一人ひとりに最適化されたサービスを提供したいし、すべきである、といったコンセプトが基点の模様である。

個人的には、ネットのパーソナライズというのは、とてもステキな考え方で良いと思うのですよね。私自身そんなサービスを数年前から妄想していたりするし、で。で、そんな中で、「Gunosy」て、素敵なコンセプトなのだけど、どれくらい成長していって、プレゼンスを得ることができるのだろうか、と。

結論としては、イノベーター層にしか受け入れられないかな、とか思う。不便なんです、確かに、SNSの情報て。情報が洪水のようにあって、キュレーションて概念があって、そんな人がいても、自分が好きな情報だけをフォローしたとしても、情報が洪水であることには変わりなくて。その多くは、好きな情報でも、その時点で価値があると思える情報はごく一部で。でも、人は、そんな雑然さを求めるし、最適化してます、と言われて送られてくる情報を読むだけでは、十分だとは思えないのだろうな、と。実際に使ってみて、物足りなさが否めない。

そういう意味で、タイトルの内容についてですが、ある前提に基づくと結構難しいと思っていて、それとは異なる前提に立ってみると、結構可能性があるのかな、とか思っているわけです。なんのこっちゃですね、これ。まあ、置いておいて下さい。

ということで、「Gunosy」難しいな、と現時点では思うわけですが、このような技術を基点としたサービス展開というのは、個人的にはすごく応援したいと感じてるのですが。やはり、如何に、サービスの前提を日々疑い、刷新しながら、サービスを磨いていけるか、というトコロですね。もう少しウォッチしたいと思います。

 

フローだけど、ストック (Twitter)

最近、Twitterをやっている人がどれくらいいるのだろうか。ひと頃流行ってから数年経って、ログインすらしていない人が多いのではないだろうか。私自身そうなのだけど、最近、ちょこちょこTwitterを見たり、つぶやいたりしている。

やはり著名人や芸能人がいるから、彼ら彼女らの一次情報を収集できるというのは、大きな一つ。Facebookもできるようになっているけど、やはり出自が異なっていて、基本は現実的な知り合いがつながる世界であることを考えると、著名人や芸能人について、Facebookでフォローするのには少し違和感があるし、タイムラインに、そんな情報が混在するのにも若干違和感を感じるのよね。そういう意味では、著名人や芸能人の一次情報というのは、時が経ち、Twitterのトレンド具合が落ちたとしても、それなりの魅力があったりするわけなのですよね。(他方で、そんな潮流を見て、著名人や芸能人のTwitterでのつぶやき量が減っているのかもしれないけど、その人数がおそらく元々多いから、あまり気にならなかったりする。)

で、他方で、情報発信ツール、自分がつぶやく、という文脈でのTwitter。リアルな友人があまり活動していないせいか、結構好き勝手に、「つぶやいている」。まさに、という感じで。基本、目に入り、耳に入った情報はすぐにどっかに行ってしまう。それが、少し心や思考にひっかかったことだとしても。そんなフローな情報をつぶやく、ことに少し意味があるのではないか、と思ったりするわけですね。一時期、Twitterで書いたことを、Blogに書こうかな、とかとも思ったけど、それとも少し違うような気がしていて。思考を見える化するということ、そして、一応パブリックなトコロに出すことで、人に見られている感を前提として、文章化してみること。それを千本ノックのようにすることに、ちょっと価値があるような気がしているわけですね。

ということで、ちょっとそんなTwitter使いをしてみようかな、と思っています。ちょこちょこ、と。

2013年3月31日日曜日

一目でわからせる (「図解表現のルール」ドナ・M・ウォン/村井瑞枝)

ビジネスという文脈では、「あるテーマについて、自分が考えたことを、相手に伝えて、理解してもらって、動いてもらう」、ことが必要となる。しかし、この一つのセンテンスを純度高く実践することは非常に難しい。

そもそも、「あるテーマについて、自分が考える」こと自体難しいのだが(謙虚に最高を目指す人にとっては)、その大きな山を超えたとして、「相手に伝えて、理解してもらって、動いてもらう」ことも同様に難しい。そのためには、相手の置かれている状況を論理的にも感情的にも政治的にも分析した上での伝え方というものが必要になるわけで、この純度を高めるというのも実に難しい行程と言えると思う。

そんな中、本書は、伝え方にフォーカスしていて、特に、ドキュメントでの伝え方について記載されており、更に言えば、グラフと表を用いた伝え方についてのみ書かれた内容になっている。グラフと表を使うことで、こちらが伝えたいことを、一目でわからせるための伝え方について記載されている。


本書の正式なタイトルは、「ウォールストリートジャーナル式 図解表現のルール」。世界的な経済誌であるウォールストリートジャーナルでグラフィックエディターを務めている方が著者であり、訳者はJPモルガンやBCGで、相手を資料で説得する仕事をしてきた方である。

定量的な分析内容について、いかに正確に意図する内容を伝えるか、といった「ルール」が書かれているのだが、なかなか参考になる。私も結構資料は作成してきたが、定量的なデータの見せ方という文脈では、まだまだやりようがあるかな、と思っていたところで読んでみて、実に良い内容だと思った。最終的には、シンプルで美しさを備えていたりするものなのよね、この領域て。とても共感するところ。

ルールは、無視しない方が良い。勿論、局面局面で最高となるように考えていくわけだが、ルールを無視すると、無駄に考える量が多くなり非効率になるので。勿論、ルールを理解する過程で、ルールが存在する論理的な背景を確実に理解し、遵守するルールと、遵守しないで良いルールを層別しておくことが前提だが。

ちなみに、グラフと表以外も含めた、ビジュアル ドキュメンテーションについては、こちらもどうぞ。

2013年3月17日日曜日

広告系企画?(「発想の技術」樋口 景一)

否。広告だろうが何だろうが、何でも同じですね。基本的な企画のプロセスは同様。電通のコミュニケーションデザイン・ディレクターによる本書から引用すると、こんな感じ。
  1. そもそもの課題とは、いったい何か
  2. 本当の敵はなにか、本当の味方はなにか
  3. どういう価値軸を持ち込むのか
  4. 世の中にどう伝わるかたちをつくるのか
3, 4が、広告代理店出身の方の色が入っていますが、広告のプランニングについて誤解されているような、思いつく、ではなくて、考える、ことの大事さを一貫して説明している内容になります。具体的な内容は本書を読んでもらえれば良いのかなと思いますが、色々な角度から、観察して、考えて、見つける、といったことが、企画には大事です、ということが書かれています。



で、ちょっと思い出したのが、ガウディの言葉。こちらも、引用しておきましょう。考えること、創ることに対して、謙虚にさせられますね。
  • 世の中に新しいなどない、あるのはただの発見である。
  • 創造的たろうとして脇道にそれてはならない。
  • 通常なされていることを観察し、それをよりよくしようと努力すればそれでよい。
  • 私たちが心を開いて、努めて読むのに適切な書物は自然である。
  • 自然が創り上げたものこそ美しい。
  • 私たちはそこから発見するだけだ。

と、引用してみて、IDEOのイノベーションプロセスも思い出しました。こちらは、非常に好きな本質的なアプローチ。

2013年3月2日土曜日

「キャスト」の本当の意味を知る (「ジュビレーション」ディズニーランド)

33歳にして初めて、ディズニーランドのパレードを見た。最前列を確保した、という連絡がきて、開始までワクワクしながら待ち、パレードが始まった。パレードが始まって5分程経った頃だろうか。私の頬に一筋の涙がつたい始めた。楽しさはあっという間に通り過ぎていて、感動で涙が止まらなくなっていた。

ディズニーランドで働く人たちのことを、「キャスト」と言う。ディズニーランドそのものが舞台であり、そこで働く人たちは、各人の役割を演じているため、「キャスト」という。昔、経営学の授業か何かで知った内容だ。働くことに関するコンセプトメイクは非常にユニークで、記憶に刷り込まれてはいたのだが、私は、その本当の意味を理解していなかったようだ。

私が感動したのは、パレードにダンサーとして参加されていた「キャスト」の方々に対してだ。
  • ダンサーの方々のどなたをどの角度で見ても、目は活き活きしていて、表情は大きく豊かで、まさにチャーミング
  • ダンスの動作は大きくてわかりやすい。しかし、みなのダンスは確実に揃っていて、ダンスの単体・全体のレベルは高い
  • ダンサー3-5人程度で、一グループになっているのだが、グループ内で役割分担がなされ、曲に合わせて、ダンスだけでなく掛け合いがあったりして、そこには物語が存在している
  • ストリートを存分にフルに使っている。パレードが始まるまではただの道でしかなかったのに、物語の一部であろう全く違う世界が存在している
パレードは20分間続き、その間、上記の内容から外れることは一度もなくて、完成度は極めて高い。「夢の国」がそこには在って、その舞台で魅力的に演じている「キャスト」がそこにはいた。

「誰か」に「何か」を提供するために「真剣に」取組んだことがあるだろうか。商品・サービスでも、余興でも、プレゼンでも何でもいい。「誰か」を「真剣に」考えたとき、「誰か」の置かれている状況を、持ち合わせた事実の分析と、可能な限りの想像をして、その「誰か」が「何か」を受け取る状況について、あらゆる想定を置いてみる。そして、その「誰か」に最適な「何か」を創り込んでいく。その創り込みは、God is in the details.の世界。何度も考え、創り、そして、壊し、考え、創るをエンドレスに繰り返していく。最高の提供を目指したとき、それは、5分のプレゼンでも困難な取組みだったりする。

その難しさを考えたとき、20分間の「夢の国」を創ることは困難を極めることは想像に難くない。パレードの完成度の背景として存在しているだろう果てしない準備に、キャストの方々はどれほどの時間を費やしたのだろうか。

加えて、キャストの方々は、AKB48やジャニーズのように一人ひとりにスポットライトが浴びられることは決してなくて、パレードという一つの総合エンターテイメントを創り上げる、という純粋な想いが、先の果てしない準備を可能としていて、結果、「夢の国」を創り上げているという事実があったりする。

私は、「夢の国」の素敵な時間を体験するとともに、20分間の「夢の国」を創るキャストの方々の準備の大変さと、根底にあるだろう純粋な想いを感じてみて、感動し、涙を流さずにはいられなかった。

なかなか言葉では表現しきれない素敵な時間でした。また、パレードを、キャストを見に、ディズニーランドにいきたいと思います。

2013年2月26日火曜日

「戦略」にガチ (「良い戦略 悪い戦略」リチャード・P・イメルト)

「戦略」という言葉が氾濫している。例えば、今日受信したDMの中に、「戦略」という言葉が幾つあったか数え知れない。この世の中は、それほどまでに「戦略」を求めているのだろうか?ある意味、それは、正、なのかもしれないが、ただ、使われている「戦略」の意味合いが異なっているだけなのかもしれない。「戦略」という言葉は、バズワードになっている。結果、本書によれば、こんな現象が散在している。
  • 戦略を野心やリーダーシップの表現とはきちがえ、戦略とビジョンやプランニングを同一視している
  • 例えば、とあるCEOは、「勝つまで続ける」のが戦略、と言った。興奮と熱狂とノリをこね合わせた様な「戦略」が悲しいかな次第に一般的になっている
  • 「実行面に問題がある」と嘆く経営者は、たいていは戦略と目標設定を混同している。戦略を立てているつもりで業績目標を立てているケースは珍しくない

非常に「あるある」な現象で、戦略立案に携わる/携わったことのある人には、上記の様な現象の遭遇したことがある人が少なくないのではないだろうか。

そんな中、本書は、巷に流布する曖昧な戦略の立案と実行の現状に対して、ガチで切り込んでいる。戦略を立案するとは何を意味するか?良い戦略の論理構造に含まれる要素とは何か?数多ある戦略の本が取り扱わなかった厄介なトコに切り込んでいる。そういう意味で、この本そのものが戦略的なのだな、と読みながら思ったのであった。戦略の立案に関わる全ての人に。

2013年2月23日土曜日

違いの根本は、使命感、なのかもしれない (「結果を出すリーダーはみな非常である」富山 和彦)

経営共創基盤の富山氏のリーダー論。この人は、ハンズオンで企業再生に携わるケースが多いことから、現場感のある現実的な論調で良いですね。上滑りしていない。会社を変えるための具体的なアプローチが詰まっているわけです。

加えて、この人は、なかなか知性が豊かな方なので、ビジネスだけでなく、歴史や政治等の多面的な観点から、メッセージングを導出してくるので、内容に厚みがあって、読み応えがあるわけですね。

そういった変革を起こすリーダーにおける現実的な要諦について、最前線の経験論を文章レベルで理解する、加えて、現実に関する多面的な分析に関する一つのアプローチを実感する、といった観点で、一読の意味があると思われる。



ただ、30-40代のミドルクラス向けに書かれているのだが、中でも、有名大学を卒業し、重厚長大企業に勤めている方々がメインターゲットになっていて、優秀なのだろうが、会社や社会を変えるために能力を使っていない/使えていない人たちの考え方を変えるための内容がかなり展開されていたりするので、個人的には今更感がある内容も多く、物足りなさも残る。

逆に、それが、一般的なエリートの現在の立ち位置ですか、それって、随分前から全然変わらないんですね、という時代の変わらなさにびびる、っていうのがあったりで、読んでて、ちょっと物悲しくもなりました。

2013年2月11日月曜日

ビターな下積みは隠し味に (Sadaharu Aoki)

昨日、テレビで、Sadaharu AOKIの特集がされていた。元々3-4年前から丸の内の店舗には度々足を運んでいて、当初持っていた勝手なイメージとしては、若いうちから成功を収めていて、女子アナ(元TBS 雨宮塔子)と結婚してて、ちょっと調子にのった方が、Sadaharu AOKIという人なのだろうな。でも、そんな勝手なイメージとは違って、色鮮やかかつ繊細な造りであるケーキはオサレかつ美味しくて、幾つかあるオサレ系スイーツの中では、特に好きなブランドの一つ。って感じだった。

しかし、テレビ放映は、そんなイメージを裏切る内容であった。実は、結構な苦労人で、パリに23歳で渡ってからは、6年間皿洗い。その後、3つ星レストランで働いても、自己主張が激しくチームで動けない、という理由でクビになる、など厳しい経験をしてきた。最終的には、パリの自宅で焼いたパンケーキを日本で通販的に販売することで、300万円貯め、33歳で自分のお店を出店。そこから努力を続け、店舗を増やすと共に、パティシエだけでなく、ショコラティエにもなって、最近はパリで名誉ある、パリ市長賞や最優秀パティシエ賞等を受賞している。

(余談だけど、雨宮塔子と結婚したのは、彼が有名になる前の2002年(やっと一店目を開業した頃)のことなので、彼女目線で言えば、パリのトップパティシエと結婚したわけではなく、そこから、立派なパティシエ&ショコラティエを育てたっていうことになるわけで、スゴイ目利きと言えるかも。無駄に「チューボーですよ!」の初代アシスタントではない、っていう)

テレビ特集を通じて、思ったのは、ネアカで、苦労を全然見せない感じ。他方で、健全な上昇志向は強くて、良い意味で結果に固執していて、非常に努力家。苦労しただけあって、商売気質でサービス精神もあって、結果を得るためにはなんでもやる、という行動的・情熱的な部分を持ち合わせている模様。そして、全体的にとてもチャーミングな印象であった。

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ということで、早速、久し振りに丸の内の店舗に行ってみた。テレビ放映があったせいか、カフェスペースは今日は営業されていなくて販売だけになっていて人が溢れていた。9割が30代前後の女性客で、テレビでフォーカスされていたせいか、ショコラを買う人が多い模様。彩り鮮やかなBonbons chocolatなどが売れに売れてましたな。

私たちは、ケーキを購入。写真はこちら。デリケートに複数の味や素材が甘く混ざり合っていて、大変美味しゅうございました。とてもハッピーな時間を過ごすことができました。洗練されたロゴが好きなんだけど、加えて全体的に曲線で形作っているステキなパッケージも一緒に掲載〜。やっぱSadaharu AOKIは鉄板だわ、これ。