2013年1月26日土曜日

メガネ × マーケティング (JINS)

買物をしていたら、こんな広告を発見。非常にわかりやすいコミュニケーション。JINSのHPにはクリエイティブディレクターの佐藤可士和が出ているので、この広告も、佐藤可士和の作品だろうか。このメガネの機能と享受できるベネフィットが実にわかりやすく表現されている。



このメガネは花粉を最大93%カットするのだとか。そもそも普通のメガネではどれくらいの花粉カットの効果があって、JINSの眼鏡との違いはどの程度か?というのが気になるところだが、一応こちらで検証がされている。科学的な根拠と数字(カットできる理由や、数値の測定方法など)が曖昧なので、いまいち腑に落ちないのだけど。



さて、JINSの業績だが、最近の成長は著しい。売上前年同月比を既存店ベースでみてみると、こんな感じになっている。
  • 2012年9月:154.8%
  • 同10月:117.8%
  • 同11月:168.3%
  • 同12月:169.8%
これらの好業績を牽引しているのは、JINS PCだ。PCやスマホなどのデジタルディスプレイが発光するブルーライトを防ぐ機能を有するメガネ。PCを一時間以上する人は、この眼鏡をかけることで、目の疲れを予防することができますよ、とのこと。

通常のメガネは、視力が悪い人が対象であり、視力を補強する機能を有するレンズのメガネを提供することが基本的な価値であり、加えて、オシャレな眼鏡であったり、利便性の高さ(軽い)などの付加価値を提供している。

しかし、JINS PCは、視力が悪い人がターゲット顧客ではない。PC等で目が疲れている人がターゲット顧客なのである。視力が悪くなくても、このメガネを買って良いのである。彼らが対象とする「PCを一時間以上する人」なんて、仕事をする人はほとんどだし、学生の多くが当てはまる。スマホも加えるとなると更に対象人数が増える。

通常のメガネとは違うのである。メガネの位置付けを再定義して市場を創っている。先の花粉症カットのメガネも同様。目が悪い人ではなく、花粉症で困っている人をターゲット顧客とすることで、メガネの位置付けを再定義している。



元々、ワンピースとのコラボモデル等の提携型、オシャレ×安価なモデルといったカスタマーイン型、加えて、Air Frame等のプロダクト機能へのフォーカス型などなど、元々マーケティング力を活かした商品展開をしていたのだけど、先のリポジショニングな商品展開は鮮やかだったかな、と思う。

直近の動きを考えてみると、JINS PCは、競合も沢山出てくるのだろうが、市場自体が高い成長性を続けて行くだろう中で、先行者利益は多大だろう。花粉症カットの メガネは、先の93%という数字ではなく実感値として花粉症対策の効果があるかどうか。使い手がちゃんと効果を感じれるようならば、口コミで一気に広がり、春先にかけて、爆発的に売上を伸ばして行くのだろう。

まー、この会社は顧客視点というモノをちゃんと理解して、おさえている。私は目の疲れもそうなのだけど、目のクマが最も気になっているのだが、JINSのHPを見てみたら、「女性の美容と健康を考えるクマ研究所」なるモノもあったりする。なかなかベンチマークするのが面白い会社のようですな。



2013年1月20日日曜日

はい、そこは愛知県 (コメダ珈琲店)

数年前だったろうか、愛知県のプロジェクトでメンバーの方々と話している時に、コメダ珈琲店の存在を知った。愛知県の人にとっては、ドトール以上の喫茶店が存在する、と。そういう地域ユニークな話は結構好きで、行きたいなー、と当時も思っていたのだけど、どうも行く機会を創れなくて、記憶も少し薄くなっていた。

そんな中、最近買い出しにイオンに行ってみると、コメダ珈琲店があるではないか!これは入るしかない、と思い、並んで入ってみた。11時過ぎから名前を記載して並んでいたのだが、11時までは、モーニングサービスでゆで卵とバタートースト半分がつくので、結構混むみたい。私が入ったお店は結構店内が広くて、10-15分位待つだけで、中に入れた。

店は、こんな感じ。概観は昭和を思い出すレトロな作りで、恐らくは愛知県の一端から店を始めたのだろうコメダ珈琲店が、当時立ち上げていた頃から大事にしているだろう、独特のフォントと色使いの看板が掲げられている。古くさい訳でもなく、地方が発信地であるという周知な事実とも相まって、独特なロゴ感を醸し出している。


店内は、総じてレトロな雰囲気。私が入ったお店は、天井は高くて全体的に木材を中心としたインテリア。隣の席との仕切りはやや高く、パーソナルな空間に配慮がなされている。機能性からは少し距離を置いたようなイスや照明がこれまた独特な雰囲気を助長し、コメダマーク?!なるモノがそこかしこにあったりする。






キッチンスペースは、オープンになっていて、お客さんがキッチン内を見ることが容易にできて、清潔感を大事にしている。ちなみに、雑誌も借りれて、随分昔になるだろう街の喫茶店的な落ち着き感を、東京にまで進出する様になった今でも大事に残しているようだ。




注文したのは、下記の品々ぷらすコメダ特製ピザ。注文してから食べ物が届くまでが早くて、他方で、カツなどは揚げたてだったりするので、作り置きなどのトレードオフはしていなさそう。トヨタ式なのかしらないが、かなりオペレーションが洗練されていることが推察される。

そして、写真ではわかりにくいだろうが、全ての品のサイズが非常に大きい。クリームコーヒーやら、ホットサンドやらも、一人で食すにはかなり多い。ヒレカツもミニで十分な程で、コスパが高い。

ちなみに、コメダ珈琲を有名にしているモノの一つが、先にも書いた、午前11時までに入店することで付くモーニングサービス。私たちは、恐らく午前11時を回って並び出し入ったと思うのだが、店員さんからはモーニングサービスが付きます、とのこと。これは、きっとサービスのサービス。そんな店側のはからいを察知しつつ、色々頼んでしまったが、モーニングサービスもつけてもらった。勿論、モーニングサービスとして付けるゆで卵とバタートーストも含めた値付けをしているのだろうが、やはりなんだか得した感はあるのよね、これ。そして、美味しゅうございました。


クリームコーヒー

 
ミニヒレカツ

 
ホットサンド網焼きチキン












ミニシロノワール












噂に聞いたコメダ珈琲店。適度なホスピタリティと群を抜いたコスパと、和む雰囲気。愛知県人は毎日こんな食事をとり、時間を過ごしているのか!(日本人が毎日寿司を食べている的アレ)かなり気に入ったので、割引チケット買って、また行こうと思います!



結果を出すリーダーの条件 (吉越 浩一郎)

下着メーカー トリンプの元社長 吉越氏のリーダーシップ論。彼は、「デッドライン経営」のコンセプトを訴求して、有名になったのだけど、この本を読んでみると、外資系の鬼軍曹様、といった感じ。

リーダーシップやマネジメントは、日本的とか外資的とかで様々な観点があるかもしれないけど、試行錯誤して良いトコ取りをして、自分でスタイルを作っていくしかないですね。

個人的には、合理性を前提としたコミュニケーションがベースとするが、他方で、個人個人の人間らしさによる遠心力も存在する、みたいなのが良いかな、と思うのですよね。色々なマネジメントスタイルの中で仕事をしてみて。

ということで、鬼軍曹の吉越氏のリーダーシップ論の一部をまとめておこう。
  • リーダーとは
    • リーダーの評価は結果が全て。部下に好かれよう等と余計なことを考えていたら、肝心の判断軸がぶれてしまう
    • 組織運営とはトップダウンだ。リーダーに自ら決めたという当事者意識があるからこそ、最後まで責任をもってやり抜こうという気持ちが湧いてくる
  • 上司の役目
    • 部下にはデッドラインを付けて仕事を与え、その結果を見て評価を下す。これが上司の立場であり、役割である。それ以外は余計なこと
    • デッドラインを徹底させる。悪者が仕事にスピードを要求するリーダーではなく、デッドラインにする
    • 成長したい人間は、自分で学ぶしかない。そして、部下にその学習の機会を用意するのが上司の役目である
  • 個々の部下のやる気を高めるために
    • これに関して、リーダーのできることは、ない
    • 職場のやる気モードを高めるには、まずリーダー自身が自分に厳しく、高いレベルで仕事をしている姿を部下に見せる。また、苦しくても、辛そうな顔をせず、リーダーがその苦しさを楽しんでいるということも大切
    • 上司を筆頭に、全員が高い目標に向かって努力し、達成した喜びを分かち合う。そんな雰囲気をチーム全体で作れたら最高
  • 理想のリーダーになるためには、
    • うまくいかなくても強い意志をもって、何度も何度も挑戦する。試行錯誤を繰り返さないと成長できない
    • 私利私欲を捨てることや、高い倫理観を持つこと、部分最適ではなく全体最適で考えること
    • リーダーを優しく迎えてくれる部下など、この世にいるはずがないではないか。部下から信頼されないとか、部下がついてこないなどと言っている暇があったら、ひたすら自分を磨く
極端な論調も目立つのだが、19期連続増収増益、という「結果」を出してきた吉越氏の経験から抽出した上記は、一つの参考としないわけにはいかないだろう。

2013年1月19日土曜日

頭が冴える15の習慣 (築山 節)

毎日を過ごす中で、「やりたいこと」や「やるべきこと」が沢山ある。それらの事項を遂行していく間、いかに頭をクリアにして取組めるか?は結構重要だったりする。そういった時間を長くすることで、より沢山のことに取組むことができるので。

頭がクリアであるためには、精神的な要素が関係することもあれば、肉体的な要素が関係することもあるだろう。この本では、科学的な根拠を基に、頭をクリアにするための「習慣」を提示している。「習慣」に落とし込むことで、労力を最小化しつつ、継続的な効果に繋ぐことを図っている。

この本に書かれている習慣は、本質的かつ気軽にできるモノが多い。幾つかは既に私の習慣だったりするのだが、こちらのモノについては、今後の習慣にしていきたいと思います。
  • 脳のウォーミングアップとして、朝に下記を実施
    • 部屋の片付けを5分
    • 一駅分歩くことによる軽い運動
    • 挨拶に一言加える
  • 脳の回転数を上げるため、「試験を受けている状態」を三回/日作る
  • 夜、本を中心としたインプットを大量に雑にする
  • 前頭葉を強化するため、毎日の雑用を面倒くさがらずに片付ける

上記に関する科学的な背景、加えて、他の習慣については、本書を読んで頂ければ。なかなか参考になる本でした。

2013年1月6日日曜日

四季を楽しもう♪(「くらし歳時記」伊藤美樹)

日本における、一年の年中行事及び風習についてまとめた本。


実家を出てしばらく経つ。最近思うのは、実家では日本に古くからある行事を大切にしていて、自分を含む家族でそれらの行事を経験し、楽しむことが多かったな、という点。自分が新しく家族を創っていく過程で、それらの行事をなかなか実施できていないという反省もあったり。

この本では、日本の習わしについて、月ごとに主だったモノについてまとめていて、それらを読んで日本の伝統や習わしを学ぶことができるし、実際に、自分達で実践することもできるように、丁寧でシンプルな解説が書かれている。ある意味、読むことと、体験することが繋がる本ということができるかもしれない。

簡単レシピもあって、すぐに実践できる


ちょっとした蘊蓄も


絵がゆるくて、好感がもてる



この本を読んでいると、日本は、四季を持ち、四季を持つが故に、ステキな習わしが毎月あることを再認識する。日本て季節を楽しむ国なんだな、と。ということで、早速明日は七草がゆを食べよかな、と思います。