2012年2月29日水曜日

その一言一動が心を動かす (築地 寿司清 新店)

ということで、毎週築地に食事に行くことにしております。今回行ったのは「築地 寿司清」。こちらは、色々な街に店舗があるので、何を今更、という印象を持った方もいらっしゃるかもしれない。私自身、渋谷や銀座等にある店舗には何度も行っている。でも、店舗名称にある「築地」にある寿司清に行ってみたかったのだ。

行ってみると、結論としては、良かった。味も美味しい(7段階評価で5.5くらい)のだけど、ホスピタリティ(気配り)面が大きく寄与している。例えば、こんな感じだ。
  • 客引きの段階で違う。築地場外の道を歩いていると、20代前半の女性が店前で客引きをしていた。私たちが子供連れなのをみて、座敷で直ぐに座れるメッセージを的確に発する。子供連れの方ならわかるが、バギーを押しながら混んだ道を行き交うのは容易ではない。そのメッセージを聞いて、私たちは直ぐにお店に入ることを決めた
    • ちなみに、客引きは、お客さんがあまり入っていないからするケースがあるが、この場合は異なる。11時過ぎにも関わらず、カウンター席は満員で待っている人が沢山いた。入り口のドアを自分で確認すると、入れないと通常判断してしまうが、実は座敷席が空いていたというわけだ。この座敷席をちゃんと埋めて、席の稼働率及び回転率を確実にするためには客引きは必要。座敷席分(未埋)×回転数を考えても、社員一人を客引きに張り付かせるのはROI的にも悪くないのだろう
  • 座敷は、通常座布団がしかれている程度だが、殿様のように座るイスがある。中座?!とでも言うのか、普通に座るのではなく、ちょっと座る様なイス。足を伸ばせるので、畳に直接座るよりも断然楽だ
  • 子供分として注文したかんぴょう巻の到着が早い。これは意識的に早くしていると思う。大人分の握りよりも、子供分の巻物を優先的に作ったということ。これにより、子供が待ちきれずに駄々をこねることを防ぎ、快適な食事時間を実現している
  • お店の人のアドリブもバランス感覚の優れた絶妙な加減を有している。最初のメニュー配布段階で、仲居さんが軽く子供に触れる(「男の子?女の子?あらー、そうなのー。みたいな」)。会計はカウンター付近であったが、職人の方がすかさず子供をいじる。会計でのクレジットカード処理時間すら退屈させないのだ
好きです、「築地 寿司清」。特別高くない価格帯でありつつ、十分な美味しさと、期待を超えるホスピタリティを有しているわけですな。これは、選んじゃうことになります。




関連記事:40年の歴史を食す (築地 井上)

2012年2月26日日曜日

青春の中にいる彼女らが青春を歌う (GIVE ME FIVE !)




先週のMステのAKB48"GIVE ME FIVE"を見た。去年の8月から、忙しい中密かにずっと楽器を練習してきて、演奏し、歌っている映像がステキでしたね。卒業シーズンに送る青春の歌、という位置付けなのだろうけど、彼女ら自身が今青春の中にいるのだろうな、と映像を見てて、思ったわけですな。

秋元康の歌詞も良かった。卒業を期に、一歩踏み出していく時の前向きな内容だ。高校生の頃を思い出させる様な瑞々しい光景が想起される、リアルな言葉が紡がれている。友達との距離感とか絶妙。歌詞がキラキラ光っているんだよね。なかなか良かったです。

それにしても、最近AKB48は応援してしまう。AKB48は、彼女達自身の成長を皆が見ていくことができるドキュメンタリー、みたいな話を秋元康が言ってた気がするけど、その通りにはまっている気がする。彼女達の挑戦に感情移入し、成功に喜んでしまうのだ。一部のAKB48ファンだけでなく、私の様な一般人でもそのような人が多いのでは?

なぜ、AKB48はドキュメンタリーとして成り立つのか?彼女達が努力し、挑戦している姿に胸を打たれるのです。それらが無いとドキュメンタリーとして成立しない。芸能界という華やかな舞台で華やかな姿だけでなく、その裏でとても努力している姿を見て、心が動くわけですね。

例えば、指原莉乃(さしこ)が代表格。最近、笑っていいとも!のレギュラーになったり、ソロデビューが決まったりしている。秋元康が、「最近の押しメンは、さしこ」と言ったらしいが、ただのえこひいきではなく、ちゃんと理由がある。

さしこは、2009年の総選挙で、選抜落ちを経験する。これにより、テレビになかなか出れなくなった。そんな状況の中、彼女がしたことは、例えば、こんなことだ。
  • 自身のブログで1日に100回更新することを挑戦し、アメブロで歴代一位の3,500万PVをたたき出した
  • 選抜落ちしたが故に、誰かが他の仕事で出れない時にさしこが出れる様に、「ポニーテールとシュシュ」等の曲の全ポジションをこなせる様に踊りを全て覚えた
その努力と結果の結実具合は、カラヤンが病欠した時に代役で指揮をやり、拍手喝采を得た小沢征爾を思い出させる。自分からチャンスを創ったし、目の前に来たチャンスはモノにしてきたのだ。これは、AKB48のメンバーの努力の一端に過ぎない。AKBの多くの人が、一人ひとり、自分のチャンスを掴むために、芸を磨き、チャンスを掴むために、積極的に活動している。

少し話が変わるが、私は、企画屋目線で、秋元康が凄い人だなと思うので、彼の本やぐぐたす(Google+)はかなりチェックしている。そこで思うのは、AKB48のメンバーは、身近な存在であり偉大な存在である秋元康の哲学を学んで、実践しているということだ。
  • みんなと同じくらい努力したくらいじゃ勝てない
  • 夢が叶う、叶わないを誰かのせいにしてはいけないということです。夢が叶うから続ける。夢が叶わないからやめる。そんなに甘くないです
  • 夢の方が背を背けることはない。あきらめるのはいつも自分から
  • 信じなきゃいけないのは、誰かのことではなく、自分自身に対して

 

そんなわけで、AKB48には目が離せない。ちなみに、冒頭の"GIVE ME FIVE !"の映像を見ていると、彼女らの完成度が高いレベルまで来たな、と思う。直近3年の間、5-6月にAKB総選挙をしているわけだが、今年あたりは、独り立ちできるメンバーは巣立たせるというのもアリかなと思った。まだまだ人気のピークを継続できるし、派生グループも含めて活発が激しい状況なので、来年あたりかなとも思うが、予定調和を崩す秋元康ならば、今年に動いてもおかしくないかなー、なんて思いました。

ちなみに、私の推しメンは、大島優子、篠田麻理子、さしこです。え、一人じゃないとダメなの?

2012年2月24日金曜日

セブンイレブンのプリンが好き。。。 (セブンプレミアム)

セブンイレブン、ローソン、ファミリーマートと、大手コンビニ3社。各社が工夫をしてて、個人的には、3社とも許容範囲に入っているのだけど、弁当やパン等の食品類になると、セブンイレブンが一番いいなー、って思ってしまう。そんな人は多いのでは?ちなみに、私は、最近プリンがお気に入りだ。

コンビニ大手の一店当たり平均日販(2011)は、日経MJトレンドによるこちら。
  • セブンイレブン:62万円
  • ローソン:50万円
  • ファミリーマート:50万円
セブンイレブンは、ローソン、ファミリーマートよりも、一店当たりの平均日販が10万円(+20%)以上高い。冒頭のように、食品類の購買選択において、セブンイレブンを優先しているから?セブンイレブンの歴史と共に、もう少し見てみてみた。

まずは、セブンイレブンの一店当たり平均日販の経年推移を見てみる。
  • 1970年代:40万円
  • 1990年代:70万円弱
  • 2011年:62万円
他方で、セブンイレブンが取組んだ仕組み構築の変遷も見ていく。
  • 1970年代後半:多頻度小口配送
  • 1980年代:POSデータを活用した仮説検証型発注
  • 1990年代:取引先と商品開発するチームマーチャンダイジング
両者だけ(事業環境の内外の変化は乱暴に無視する)を紐付けて考えてみると、1970年代から1990年代にかけて、一店当たり平均日販を+75%まで増加を可能とした仕組みとして、多頻度小口配送と仮説検証型発注があると考えられる。POSデータで細かく分析し、仮説検証をしながら、適切な製品をきめ細かく発注し、販売するわけだが、これらを可能としているのが多頻度小口配送というわけだ。

しかし、1990年代以降、コンビニ店舗数は増加し、同一地域内の競争が厳しくなる。そんな中、範囲の経済として、他コンビニも含めて、情報端末や物流端末等の多機能化がはかることで差別化をしあっていく訳だが、セブンイレブンは、チームマーチャンダイジングにも取組んでいくことで主要な機能である商品販売を強化していった。要は、プライベートブランド(PB)の開発・販売だ。

POSで緻密に分析してみて、顧客の顕在・潜在ニーズにミートした商品を取り揃え、売上を増加させたいといった時に、既存のナショナルブランドだけでは不十分と考え、自分たちが主体的に商品開発をする必要が出てきた、というわけだ。また、一緒に開発することになるメーカー側も、セブンイレブンの販売力により可能となる工場稼働率の向上により利益増が見込めることは悪くない話であり、各領域で有力なメーカーが協力している。例えば、こんな感じ。
  • パスタ:日清フーズ
  • 牛乳系食品:オハヨー乳業
冒頭に、私はプリンがお気に入りだと書いたが、上述の通り、オハヨー乳業が製造している「じっくり直火の焼プリン」。オハヨー乳業は、モンドセレクションで金賞を連発している知る人ぞ知る乳業メーカー。この製品は、4つで198円のパッケージで、一つ50円弱の計算。通常1つ100円強のプリンが多いと思うが、この製品を知ってしまうと、他プリンはオーバーシュートしている製品としか思えなくなる。量は若干少ないのだが、オハヨー乳業の質の高い味でこの価格ならば、完全に満足できる量であり、これよりも量が多くても満足度はそれほど上がらない。POSデータを基にした緻密な分析により可能となる商品と言えるのではないだろうか。

他のコンビニも同じ様な取組みをしているのでは?勿論しているが、できるかどうか、どのレベルまでできるかは、トヨタ生産方式と同様に、別の話。セブンイレブンは、事実上の創設者であり会長である鈴木敏文氏により仮説検証型の仕事の仕方が染み付いているのだろう。こういった根本的な能力がなければ、例えアプローチが頭でわかったとしても、実行ベースではなかなかマネできない。

 

勿論商品開発はコンビニ経営の一側面であり、他の側面での闘いも意味はある。他コンビニ各社は、強みと弱みを両にらみしつつ、セブンイレブンに勝てる取組みが必要であるし、実際に取組みが見られる。そういった意味で主要3社の動きはとても面白いし、彼らの取組みを見ていくのは、結構好きなのですよね。


2012年2月22日水曜日

アラサーのあなたへ (トヨタ ReBORN ドラえもんのCM)

日本で車が売れない、と言われて久しい。自工会のデータによると、国内新車販売台数はこのように変化している。直近はさらに減少しているだろう。
  • 1990年:778万台
  • 2007年:535万台(1990年比 ▲31%)
そんな中で、自動車減税等が実施される等、経済面だけでなく、多面的な取組みがなされているわけだが、トヨタ自動車によるこちらのCMは、みんな印象深く認知したのではないだろうか。


漫画・アニメの「ドラえもん」の実写版のCM。のび太が30歳のときの。
  • のび太:妻夫木聡
  • ドラえもん:ジャン・レノ
  • しずかちゃん:水川あさみ
  • スネ夫:山下智久
  • ジャイアン:小川直也
  • ジャイ子:AKB48 前田敦子
個人的には、のび太、スネ夫、ジャイアンは、イメージ通り。ドラえもんとジャイ子はイメージ外し目的としてはアリ。でも、しずかちゃんは、イメージ通りのキャスティングを狙っているけど、石原さとみ、が適任なんじゃねの?と思った次第。



このCMの目的は、自家用車の「ReBORN=再生」だ。脱線が続いてしまうのだが、同じコンテキストで、同名のプロジェクト(eが小文字ではなかったが)を、新卒の電機メーカーでやった。かれこれ10年近く前。勿論規模は違うし、事業環境も異なる部分はあるのだが、基本的には同じコンセプトだった。うーん、誰もが同じ様なことを考えるのだなぁ。

CMの目的に戻ると、このCMによって、自家用車の販売台数を増加させたいと考えている。このCMが30歳ののび太ということで、アラサーの若者にもっと自動車に乗ってもらいたいのだ。アラサーの自動車保有率の数字を持っていないが、他のセグメントと比較して相当低いのだろう。CMを通じて、自動車の基本的な価値を認知してもらって、「まずは免許をとろう」「アウトドアには自動車で行きたいな」等と思わせて、自動車購入に繋げたいわけだ。

これらの目的に対して、効果はどれほどあるのだろうか?と考えた時、結論としては、このCM単体で考えるとなかなか難しいものがある。そもそも、なぜ、最近では自動車があまり売れていないのか?と考えた時、色々な要因が絡み合っている。例えば、こんなものがある。
  • 昔は、車を所有する家庭があまり無かったから、所有欲求が強かったが、最近は皆持っているので持つモチベーションが低い
  • 都心では公共交通が張り巡らされている中、自動車を利用することは、経済的にも、時間的にも、環境的にも、必要性が低い
  • 可処分所得や可処分時間のシェア争いの目線で見ても、スマホ、ゲーム等、車のライバルは強力かつ多様だ

ということで、他の施策との合わせ技が必要だ。結局、このCMは、ReBORNプロジェクトの一要素ということだろう。自動車保有の魅力への認知度で言えば、のび太と変わらない、アラサーの人々に、自動車保有の基本的な価値を認知してもらう。それが、このCMのゴール到達を意味する。実際に購入してもらうまでには、まだ幾つもハードルがあって、それらへの取組みはまた別ということだ。認知向上だけの目的に対しては、それなりに効果があるのではないだろうか。他にうまく繋がるかが重要だが、そこはどうなのだろうか・・・

このCMでは基本的な価値にフォーカスしているが、これからは、色々な面で自動車が変わっていくだろう。その頃には、私も再び自動車を持つのだろうか。

 

2012年2月21日火曜日

40年の歴史を食す (築地 井上)

めちゃイケのナインティナイン矢部のダイエット企画で、フジテレビのプロデューサーのガリタ氏と美味しい食事をしまくって、太るってものがあるのだけど、そのどの食事も本当に美味しそうで、みていると、こちらも本当に食べたくなる。



ということで、本当に食べに行ってみました、の第一弾。テレビでは、オールナイトニッポンの後の朝方に、ニッポン放送がある有楽町からほど近い築地に移動し、築地場外市場での二つのお店で、ラーメンと肉豆腐を食していた。今回は、ラーメン「井上」に行ってみた。

11時くらいに行ったら、既に結構並んでいる。20人強くらい。海外からの観光者もいれば、日本人の旅行者もいるし、頻繁にくる人もいる様だ。一度に10人弱のラーメンを作って待ち人数が減っていくので、結局待ち時間は15分程度(10人弱で5分の計算)。結構寒い日だったので、少し待ったなと思ったが、実際にはそれほどの時間でもないか。

食してみての特徴はこんな感じ。
  • 味は、醤油のさっぱり系
  • 麺は縮れ麺で、おつゆとよく絡む
  • 普通のラーメンしかメニューはないが、薄くて大きいチャーシューが4枚
  • 価格は650円
なかなかコスパが高い一品である。ちなみに、チャーシューはかなりお腹にくる代物で、ほとんどの人が1枚分を残していた。もはや3枚にすればいいのではないか?という風で。ちなみに、写真はこんな感じ。ラーメンと概観。ラーメンは、4枚のチャーシューで埋め尽くしている。概観左下の方が、おやじさん。

  

実は、並んでいる最中に、後ろの人が私に話しかけてきた。何でも、彼は、40年間、この井上に通っているらしい。別に近所に職場があるわけではなくて、自動車で付近を通りかかった時には立ち寄ってしまうという(自動車が鬼止めされていて、ミニパトに捕まらなければいいけどなぁ、とも話してきた。。。)。彼が言うには、
  • 40年前は価格が500円で、今が650円だから、本当に安い!こんなにうまいのに。もうけがないだろうなぁといった具合だ。なるほど、実感値だけでなく物価上昇率を考えても、相当安いなぁ(日銀HPにある消費者物価指数によると、2010年 / 1965年 = 3.94倍なので、単純計算で2,000円するはず)
  • 立ち食いのスペースの一部は、元々別のお店だったのだが、築地も競争が厳しく、閉店し、結局井上の食事スペースになった。安い価格なのに、井上は客が途絶えないので、順調な商売をしているのだろうね
  • おやじさんは、40年間皆勤賞で働いている。もう身体が染み付いちゃってるねぇ。飽きねぇのかなぁ(と言いながら、下町的な親しみに満ちた顔をしている)
といった具合の話が色々とされていた。私も、せっかくなので話を合わせて、色々と聞いてみた。常連ならではのなかなか面白い話であった。

めちゃイケのデブエットで紹介されたお店は全て興味深い。ガリタ氏は相当グルメだ。それらのお店を当たってみるのは面白いと思う。

そして、今回築地に来てみて、築地の活気と新鮮な食材による食事はなかなかステキであることに気づいた。引き続き、築地一帯を開拓しようと思う。こちらの本は、築地の場内・場外に関する食べ所と買い物スポットが地図と共に網羅されていて、かなり使えると思う。




2012年2月19日日曜日

商品開発者の熱い想いを知った上でアイスを食す (もっちりしっとり)

年末に大学時代の友人達と忘年会をしていました。その一人は、とある食品メーカーに勤めていて、最近では商品開発をしているとのこと。そこで、紹介されたのが、首題の「もっちりしっとり」のアイスなのです。イメージは、こんな感じ。


昨年末には、購入できるお店が、ポプラやミニストップ、と言っていて、好評につき、年明けから、セブンイレブンの東京西地区でも店頭販売されると話していました。でも、近くのミニストップにはモノが置いてないし、ポプラは近くにないし、セブンイレブンの西地区も遠いしで、結局食べずじまいだなー、と少し忘れていたのですよね。

しかし、最近中央区のセブンイレブンに行くと、あるではありませんか、そのアイスが。ということで買って、食べてみました。通常、パッケージから少しずつ出して食べるところ、このアイスでは、一度に全てを出してから食べる、つまり、アイスを掴んで食べられるようにビニールが包装されているつくり。触ってみると、もっちり感があって、デザートを食べる時に沸き上がる食欲をそそり、食べてみると、歯触りがしっとりしていて、オレ好みの印象を頂いたのでした。

年末に話したときには、商品の概要としては、こんな感じの話をされていた。
  • 誰に:OLや主婦
  • 何を:スイーツアイスで、一日のちょっとしたご褒美を
価格は、150円であり、アイスの中では上位モデル。パッケージも少し高級感があるつくりになっているので、納得な感じでした(すげー関西人のヤツで、パッケージがそいつを想起させる風でした。ターゲットが女性なので、もう少しかわいさがあってもいいかな、と思いましたが)。友達が開発した商品に実際にお金を払って、食べてみるのってなんだか感動するね。

一言で言うと、商品力のある商品なんでしょうね。コンビニの店頭商品は、POSデータによる定量分析で、週次で入れ替わる厳しい世界。しかし、ポプラやミニストップ等での販売から始まり、POSデータでの上位結果を受けて、セブンイレブンの一部地域で導入、そしてセブンイレブンの中央でも導入、ということで、順調にカバレッジを増やしています。昨今の小売業界では、パワーディーラーとのタフな交渉が伺えるわけですが、売れる商品だったら、店頭に置いてくれるのですよね。ディーラーは売上を増大させるためにPOSデータを駆使しているわけですから、非常に自然な話ですわ。

あと、プロモーションがゼロという話も面白い(メーカーHPで商品を探しても見つからないっていう)。SNS的な投資コストの低い取組みも含めて、プロモーションゼロ。それなのに、前述の様な順調なカバレッジの拡大を果たしているというのはとても興味深いですな。SNSをコントロールしようとしなくても、商品が良ければ勝手に口コミしてくれるやん、ていう。SNSがない時には普通にあった話で、コンビニの食品のように、ついで買いを誘導するような特性の商品の場合は、リアルな口コミの流れで購入というケースも多いのかもしれないですね。

真の顧客のニーズを満たす商品をちゃんと開発することができれば、売上は拡大できるのか。なんだかシンプルな話になりました。当然背景として、開発や営業における様々な部署が地道な取組みをしているのだけど、モノを売ることの複雑性が高くなっていると言われる中で、このような成功事例をみると、はっとさせられるな、と思ったわけです。


   

骨太なメッセージを創る(アサヒ16茶のCM)

新垣結衣のボブがかわいい。これほどボブが似合う人がいるのだろうか?と真剣に考えさせられる程のかわいさだ。CM等で出くわすと時間が止まるんだよなー。んー、まいったまいった。

と、いきなり脱線から入ってみました。新垣結衣も色々とCMをやっているわけですが、今回は、アサヒ16茶のCMの話。最近変わりました。新垣結衣が、子供たちと一緒に16茶を飲んで、踊っているCMに。まずは、こちらを見てみてみてください。


メインメッセージが、「まっすぐしみこむ元気ブレンド」となりました。古くは、16茶の成分を全面に出して、身体に良いよ、というメッセージだったり、朝に飲むと良いよ、等のメッセージがあったのですが、前述のように変わったわけです。

コミュニケーションにおけるメッセージは、誰に、何を、言うかが最重要であり、ここがしっかりとしていないと誰にも何も伝わらない、そして売れない宣伝になります。今回は、その両者を明確に変えた形になります。
  • 誰に:子供
  • 何を:元気さ(≒健康)
これらの背景としてあるのが、CM中でも訴求されている機能である、「ノンカフェイン」という部分です。カフェインのデメリットとしては、主にこんな要素があるようです。
  • 不眠
  • 興奮状態が続く
  • 落ち着きがない
カフェインの分解能力が弱い子供には、これらの影響を顕著に受けることが科学的に言われているようです。これは、子供だけでなく、妊婦や授乳中の母親にも同様のことが言え、これらのセグメントの人たちにはカフェインをとらないようにする人がとても多いというのが一般的です。

実は、私の家もまだ小さい子供がいるので、ノンカフェイン飲料を意識的に選択して、飲んでいます。しかし、ノンカフェイン飲料は少ないのですよね。お茶、紅茶、コーヒー等、基本的にカフェインが含まれています。そういったわけで、私自身、ノンカフェインである16茶をバルクで買っていたので、このCMを見て、おぉ、16茶もやっとそんなコミュニケーションをとるようになったか、と思ったわけです。

ということで、先に、このメッセージの対象を、子供と書きましたが、実際には、このようなカスタマーセグメントが対象になるでしょう。
  • 間接的ターゲット(16茶を買わないけど、飲む人)
    • 一桁歳程度の子供
  • 直接的ターゲット(16茶を買う人)
    • 一桁歳程度の子供を持つ親
    • 授乳中赤子を持つ親
    • 妊婦
最初、小さな子供とその親をターゲットセグメントにすると、スコープは狭いのかな、という印象を受けるかもしれませんが、厚生労働省の発表数値によると、平成21年度の出生数は約107万人。一桁歳程度の子供と妊婦の人数は、ざっと1,000万人程度が最大数と考えていいでしょうか。

そういったターゲットセグメントを前提としたとき、ノンカフェインの競合製品があまりないことを考えると、冒頭のようなノンカフェインを通じた、元気ブレンド、の訴求による購買喚起は、かなり強いメッセージングになり、数字に結びつきやすい打ち手なのかもしれませんな、と思ったわけですね。


2012年2月17日金曜日

メッセージで新しくする(サントリーなっちゃんのCM)

最近、松田翔太が「サントリー なっちゃん」のCMをやっている。元々は、田中麗奈が「なっちゃん」という仮想女優の成長ストーリーが始まりで、その後堀北真希等何人も同じ様な成長物語的な構成の下、CMが作られていた(7代目まで)のだが、松田翔太が出てくるっていう展開には、かなり意外感を持った人も多いのではないだろうか。え、なっちゃんなのに、なっちゃんがいない!っていう。そんなCMはこちら。





CMで着目されたのは、このコピーだ。


え、「今」ではなく、「2年前」においしくなっていたの?2年前の話を、今、大声でCMで宣伝しているのだから、意外感というか裏切られた感というか。まあ、とにかく惹き付けられてしまった、という人は少なくないのではないだろうか。

なぜ、2年前の味を今頃CMでつかっているのか?恐らくは、こんな感じの背景からなのではないだろうか。
  • 消費者テストでテイスティングをしてみて、評判が良かったのは、2年前にバージョンアップした味の要素
  • しかし、宣伝に関する定量指標を見てみると、味に関する認知度が低い
  • では、今一度、味にフォーカスしたCMをうつことで認知度を高め、購入に繋げよう
あるある、な話だと思うし、普通にアリな話だろう。コカコーラなんて、リマインド的な宣伝を継続的にうっているのだから。同じ飲料カテゴリであるサントリーなっちゃんで、近しい宣伝をしても何らおかしい話ではない。しかし、それを全面に出し過ぎな所にユニークさがある。

この宣伝がうたれた背景として、直近の市場調査が前述の通りあったという推察もありつつ、他方で、商品開発は継続してやっているが、大きなバージョンアップは、タイムライン的に少し先になるので、ひとまず、市場調査ベースの宣伝で購買を喚起、といった中長期的な位置付けも込みなのではないだろうか。そんな一つの打ち手にも、面白さをこめるところが、サントリー!って感じで好感が持てた、という話。


  

「たけしの華麗なる消費生活」 とは

4年程前の話。大学の先輩で、ユニークかつ優秀な人がいた。彼は、大手出版社で編集の仕事をした後に、親の会社を継いで経営者をしていた。非常に広範な知識と経験から、ユニークな話を繰り広げる方だった。

私と彼は、元々サークルが一緒だったのだが、活動時期はかぶっておらず、彼の噂を聞きつけ、私から彼のホームページにアクセスし、アポイントをとり、かわいがってもらうに至ったわけだ。私も結構ユニークなのだろう。

そして、4年程前の話。彼と二人で、青山の飲み屋で飲んでいて、夜中の27時を過ぎたくらいだったろうか。勿論色々な話をしていたわけだが、ふと私の耳に残った言葉があった。

「消費は感性である。」

なるほどそうかも知れない。消費とは、自分の生活の断面で、何かの商品やサービスに気づき、何かの機能に惹かれ購入し、一瞬なのか一生なのかわからないが、時間を共にしていく。その過程全てで、自分の感性にインプットとアウトプットが繰り返され、また次の消費につながっていく。何か、腑に落ちた言葉であった。

ということで、前置きは長くなったが、このブログは、そんな消費に関するブログであり、たけしこと、私の華麗なる消費生活の一面をエントリーしたものなのである。モノやコトに始まり、時間や場所等、色々な消費があるわけだが、できるだけ具体的でユニークな話が書けたらと思っている。

ちなみに、以前はこちらで同様のタイトルで書いていたので、お時間ありましたら、お読み下さいませ。宜しくお願いしまーす。