2012年2月19日日曜日

商品開発者の熱い想いを知った上でアイスを食す (もっちりしっとり)

年末に大学時代の友人達と忘年会をしていました。その一人は、とある食品メーカーに勤めていて、最近では商品開発をしているとのこと。そこで、紹介されたのが、首題の「もっちりしっとり」のアイスなのです。イメージは、こんな感じ。


昨年末には、購入できるお店が、ポプラやミニストップ、と言っていて、好評につき、年明けから、セブンイレブンの東京西地区でも店頭販売されると話していました。でも、近くのミニストップにはモノが置いてないし、ポプラは近くにないし、セブンイレブンの西地区も遠いしで、結局食べずじまいだなー、と少し忘れていたのですよね。

しかし、最近中央区のセブンイレブンに行くと、あるではありませんか、そのアイスが。ということで買って、食べてみました。通常、パッケージから少しずつ出して食べるところ、このアイスでは、一度に全てを出してから食べる、つまり、アイスを掴んで食べられるようにビニールが包装されているつくり。触ってみると、もっちり感があって、デザートを食べる時に沸き上がる食欲をそそり、食べてみると、歯触りがしっとりしていて、オレ好みの印象を頂いたのでした。

年末に話したときには、商品の概要としては、こんな感じの話をされていた。
  • 誰に:OLや主婦
  • 何を:スイーツアイスで、一日のちょっとしたご褒美を
価格は、150円であり、アイスの中では上位モデル。パッケージも少し高級感があるつくりになっているので、納得な感じでした(すげー関西人のヤツで、パッケージがそいつを想起させる風でした。ターゲットが女性なので、もう少しかわいさがあってもいいかな、と思いましたが)。友達が開発した商品に実際にお金を払って、食べてみるのってなんだか感動するね。

一言で言うと、商品力のある商品なんでしょうね。コンビニの店頭商品は、POSデータによる定量分析で、週次で入れ替わる厳しい世界。しかし、ポプラやミニストップ等での販売から始まり、POSデータでの上位結果を受けて、セブンイレブンの一部地域で導入、そしてセブンイレブンの中央でも導入、ということで、順調にカバレッジを増やしています。昨今の小売業界では、パワーディーラーとのタフな交渉が伺えるわけですが、売れる商品だったら、店頭に置いてくれるのですよね。ディーラーは売上を増大させるためにPOSデータを駆使しているわけですから、非常に自然な話ですわ。

あと、プロモーションがゼロという話も面白い(メーカーHPで商品を探しても見つからないっていう)。SNS的な投資コストの低い取組みも含めて、プロモーションゼロ。それなのに、前述の様な順調なカバレッジの拡大を果たしているというのはとても興味深いですな。SNSをコントロールしようとしなくても、商品が良ければ勝手に口コミしてくれるやん、ていう。SNSがない時には普通にあった話で、コンビニの食品のように、ついで買いを誘導するような特性の商品の場合は、リアルな口コミの流れで購入というケースも多いのかもしれないですね。

真の顧客のニーズを満たす商品をちゃんと開発することができれば、売上は拡大できるのか。なんだかシンプルな話になりました。当然背景として、開発や営業における様々な部署が地道な取組みをしているのだけど、モノを売ることの複雑性が高くなっていると言われる中で、このような成功事例をみると、はっとさせられるな、と思ったわけです。