2012年9月1日土曜日

「気づく」のグループ的方法論 (「気づく仕事」 博報堂 研究開発局)



ビジネス、特に、企画という仕事では、「気づく」ことが重要である。ビジネスで収益や利益を上げるためには、顧客にとっての新しい何かを創造する、他の企業や商品・サービスとは違う何かを創造する必要があるわけだが、その源泉は、「気づく」ことから始まるからだ。

しかし、なかなか「気づく」ことはできない。予定調和に流され、毎日の忙しさにさらされ、何の違和感も感じず、いや違和感を感じたとしても対峙せずに、過ごしてしまって、何かに「気づく」こと、それを基点とした創造活動をしている人は少ない。

この本では、どのように「気づく」か、について、かなり考えられている。通常、「気づく」ことにフォーカスした本は少なくて、代わりに、クリエイティブシンキング等のアイデア創出の方法論に関する本が多い。

しかし、「気づく」ことは、何かを想像する際のタネなので、そのタネがないで、タネの育て方(アイデア創出方法論)を知ったとしても、良質なアウトプットはできない。片手落ちになってしまうのである。

よって、やはり「気づく」ことは極めて重要だと考えるわけだが、「気づく」ことに関する方法論がないわけではない。しかし、通常、観察法等による商品・サービスの潜在的課題・ニーズの特定といった、個人的なアプローチに依存しているモノが多い様に思う。これは、IDEOの本を読むと、あるパートで非常に詳しく書かれているので、別途そちらを読んで頂きたい(この本は、その内容だけに留らない良書だが)。


他方で、この本は、グループで「気づく」ことを促進する方法を提示している点で新しい。本中では、「共同脳空間」と言っている。人が何人か集まり話あうことで、「気づき合う」ということを方法論化しているわけである。

読んでみると、コンサルタントによるファシリテーションやブレストの方法論に類似しているように思われる(ホンダのワイガヤもこんな感じ?)が、「共同脳を駆動するさまざまなことば」として、人が集まって話をするときに、どのような言葉を使って話をすれば、話が広がり、深まり、「気づく」ことができるか?が具体的に書かれているのが、博報堂的なトコロ。

「気づく」ことについて、なかなか考えられていて、結構良いよ、この本。

2012年8月30日木曜日

心を動かすコミュニケーションの本質 (「広告コピーってこう書くんだ!読本」 谷山雅計)



多分、コピーライターになりたい、っていう気持ちが僕のどこかにある。数文字、数行で生活者の心を動かす仕事であり、マーケティングという機能の結晶化された仕事であるように思うからだ。

しかし、実は、仕事をしていて、同じ様な感覚を持つことがある。結局、「要は、XXXです」と言って、納得してもらって、相手に動いてもらう、ということをする時がそれだ。何かのテーマに対して、考えて、資料を作成してみて、そこで何を言いたいのか、をExecutive Summaryでまとめる時や、各チャートのヘッドラインを書く時といったビジネスのコアコミュニケーションが類似していると思うわけだ。制約する諸要素は多分に異なる訳だが。

脱線すると、プロジェクトのプロジェクト名を考えるときがちょこちょこある。プロジェクト名は、プロジェクトの内容を如実に表現して、そのプロジェクトに属す人や関係する人たちにそのプロジェクトの内容を明確に理解してもらうと同時に、そのプロジェクトへの共感を持ってもらったり、エンハンスする力も内含してある必要があるわけだが、色々な観点や要素から名称を考えて絞り出してみて、私の考案したプロジェクト名称が採用されたりもしていた。それって、更にコピーライターに近い仕事だな、って思う。

そんな風に仕事をしている時に、思う時もあるし、道を歩いていて目に入るコピーやCMの結晶化されたメッセージングを見て、色々考えることもありつつ、自分でもコピーを書きたいなー、って思ったりする。勿論自分で勝手に書いているわけだが、誰か、コピーを書いて欲しい人いません?Twitter経由のメールでご連絡でも頂けたら。お気軽にご連絡頂けたらと思います。

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と、そんな中、読んでみたのが、博報堂出身で、コピーライターやクリエイティブディレクターをしている谷山 雅計氏の本書。代表的な作品はこちら。
  • 資生堂 TSUBAKI「日本の女性は、美しい」
  • 新潮文庫「Yonda!」
  • 東京ガス「ガス・パッ・チョ!」

本のコンセプトとしては、良いアイデアを出すためには、良いアイデアを発想するための体質を創る必要がある。発想法を知っても仕方ない。というもの。フレームワークやら何やらと色々とそこらへんに転がっているわけだが、毎日のアクションに結びつく習慣を身につけないと継続的に良いものを創出できないよ、という本である。

全体の総括としては、実に本質的な内容であった。物事を考えることについて、どのように考えるか、伝えるか、について本質的に具体的に考えられている。コピーに限らず、何か新しいことを考えること、つまり、企画する、ことに関する本質的な内容であった。そういう意味で、企画に携わる人は読んだ方が良いと思う。幾つかのポイントについて、取り上げてみたい。

「なんかいいね」禁止
何かのモノやコトに遭遇して、「いいね」と言うことがある。「カワイイね」とかも同様に。でも、何が良いのか?何がカワイイのか?を具体的に併せて発言する人は少ない。それは、感情の動きを示していて別に悪いことではないが、そのモノやコトの「受け手」でしかないのである。もし、「作り手」になりたいのだったら、なぜ良いのか、何が良いのか、を考えていかないと、何か良いモノ・コト、何かカワイイモノ・コトを自分たちで創造し、提供することはいつまで経っても出来ない。これは、コピーだけではない、企画の人全てに通じる話。

「たくさん」コピーを書く背景
コピーライターは、一晩で100本等のコピーを書いたりする。よくそれだけ書くなぁ、というのもあるけれども、ただ書くだけではダメである。それぞれのコピーに根拠が必要である。なぜ、そのコピーが存在するのか、という問いへの答えが。コピーの対象は、それが一つだけこの世にポコッとあるのではなく、色々な人やモノとの関係を色々と持っている。よって、これらの関係を明確化し、それらに対応付けたコピーができる、ということになる、フレームワーク的には。ただ、ここでは関係がどれだけ見えるか?対応付けたコピーを考えられるか?で論理では片付けられない観察力、洞察力、その前提となる感性やらのハードルがあるわけだが。

意味で書いて、生理でチェック
根拠を持って、先述の様に沢山書いていくのだが、最終的には、そう思っている人が本当にいるのか?という顧客目線での問いにしっかりと答えられないといけない。結局、生活者の心を動かす何かを創造しないと意味がないわけなので、一次的には論理で書いたとしても、最終的には生理で判断しないといけない。そうしないと人の心は動かせない。

2012年8月4日土曜日

気づくヤツだけ気づくライン (PLAY COMME des GARCONS × JACKPURCELL)

靴って、自分がイメージしているモノがなかなか無かったりする。だから、もし、欲しい靴に出会った時には、直ぐさま買わなければならない。

さて、そこで出会ったのが、PLAY COMME des GARCONSとCONVERSEのJACKPURCELLとのダブルネーム。














実は、ALL STARとのもあって、ローカットだけでなく、ハイカットも。













さて、私は、どれを買ったでしょうか?

賢明な人ならお分かりの通りのPLAY COMME des GARCONS × JACKPURCELLなのではあるが、内、黒の方、というのが正答である。生地黒に黒ハートていう。

冒頭に書いた通り、渋谷西武で見つけたのが、サイズがなくて、近隣店舗の在庫状況を調べてもらい、渋谷PARCOで即買いした感じ。

恐らく、ALL STARのローカットの白を買う人が多いだろうが、私は、これらの理由からの選択。
  • 何気にJACKPURCELLのシルエットが新鮮だったのに加えて、巷で流布されているALL STARのシルエットは避けたい
  • フィリップ・パゴウスキーのデザインによるハート型オブジェの赤は、如何にもギャルソンて感じで避けたい。そこら中のオサレ求道者が付けてるよ、それ。ポロシャツとか絶対着たくないって
  • 黒生地に黒のハート型オブジェは、暗闇に隠れている「魔女の宅急便」のジジっぽくてかわいいし、面白い
多くの人が選ぶようなモノを選びたくない、他のどこかに容易にあるようなモノは持ちたくないし、気づくヤツだけ気づくラインを狙う、というのがあるわけだ。代官山や原宿、表参道の敷居が高いショップに入って、直ぐに声をかけられれば良いよみたいな(ちょっとうまく表現できていない気もするが)。

何気に、この考え方には拡張性があって、色々な意味合いがあるのだけど、それはまたの機会に。

2012年7月28日土曜日

土曜昼下がりの原宿は、一人の男でつながった (「ミーハー仕事術」中村 貞裕)

学生時代から新社会人時代まで、代官山から新宿までを一日かけて歩いて、数多あるオサレショップを散策していて、その多くを、渋谷-原宿の明治通りと裏原宿で過ごしていたが、この1−2年は原宿には全く訪れていなかったようだ。

とある土曜の昼下がりに、久し振りに原宿周辺にいったら、知らない建物とか出来ているし、知っているお店も他の場所に移動していて、あ、やべ、オレ、ついていけてない、みたいな。まあ、原宿のターゲットセグメントからは外れているよね、オレ。と言い聞かせをしてみたり。

そんな中、特に印象に残ったスポットが二つ。一つ目は、「東急プラザ表参道原宿」。エントランスのインパクトが大。明治通り原宿の新しいランドマークになっている。

 

そして、もう一つは、「Egg Things」。パンケーキのお店。表参道から裏原宿に入ってちょっとしたところにあるのだが、表参道で既に50-100mとか並んでて、全部で150-200mの行列が。この暑い中、よくそんな並ぶなー、と。

 

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これらの印象深かった二つの新しいスポット。実は、一人の男で繋がっている。それが、Transit General Officeの中村 貞裕である。外苑前や代官山にある「Sign」を創った男と言えばわかりやすいだろうか。「東急プラザ表参道原宿」には直接的に企画で関与しているし、「Egg things」は、そもそものパンケーキのトレンドを創ったbillsを日本に導入しており、間接的に関係していると言える。私が印象深く感じたスポットは、彼がデザインしたモノであったわけだ。

そんな彼の本が、こちら。タイトルの通りで、なかなかユニークな内容になっている。昔から超ミーハーな私としては、非常に共感する箇所が多いのだけど、特に面白いと思ったのは、この二点。



彼はトレンドを創っているわけだが、スペシャリストではなく、ジェネラリストである。何かの専門性(例えば、空間デザインとか)を持っているわけではないのだが、
  • 時代を捉えるコンセプトデザイン
  • 広範なネットワーキングから実現可能である各領域のスペシャリストからなるチーミング
  • コンセプトを具現化する段階での全体のディレクション
といった所で尖った能力を発揮し、新しいトレンドを次々に創っている点。

もう一つは、時代の先を行き過ぎない、ということ。先の一つ目にある時代を捉えるコンセプトデザインに関連することだが、時代との距離感を見極めたコンセプトの設定が大事、ということ。何かを掘り下げていくと、ユニークなのかもしれないが、マニアックになっていって、時代・大衆から離れてしまう。この距離感の見極めは、相当難しいトコロだが。

2012年7月16日月曜日

セグメンテーションの難しさ (「入社10年目の羅針盤」岩瀬 大輔)

グローバルなトップノッチである岩瀬大輔氏の新著。本書は、タイトルの通りだが、入社10年目くらいのビジネスパーソンが直面するだろう課題の解決方法等に関して記述されていて、「入社1年目の教科書」が横展開された本である。



これらの本のマーケティング目線での目的は、彼が創業したライフネット生命の顧客獲得である。生命保険に初めて入るセグメントであろう、入社1年目の人たち。そして、ライフステージが代わり、入っている生命保険等の見直し等を図る機会が多いセグメントであろう、入社10年目前後の人たちである。彼らに対して、ライフネット生命の認知度を上げ、生命保険の選択又は見直しの際に、オプションに入れてもらえれば、というのが一連の流れである。

勿論、そのような企業側のマーケティング目線の内容を直接的に出しても仕方ないので、読者目線のベネフィットであり、筆者そして会社に関する信頼感を向上するだろうテーマとして、自己能力開発という課題に対する解決策の内容を詰めていったわけであるが、「入社1年目の教科書」は非常に良い内容が詰まっている。この本の実践を毎日継続すれば、1年で一人前のビジネスパーソンになるだろう。

他方で、「入社10年目の羅針盤」は、少し物足りなさがあった。それはなぜか?同じ様な形の同じ様な狙いの本ではあるのだが、10年目、というのは難しい。入社1年目よりも、入社10年目の方がセグメントの画一性が低いからである。10年もビジネスの経験を積んできただけに、その10年間の種類や質は多様であり、最大公約数的な課題を抽出して、わかりやすい解決策を書いたとしても、各人が納得感を得られる確度は低くなってしまうからである。

そういう意味で、横展開と言っても難しいのである。

と、なんだかマーケティング目線でレビューを書いてみたが、実際には、結構良いことが書かれているので一読の価値があると思う。個人的には、今よりも幸せになる方法、というのが引っかかった。
  • 他人と比較しないこと
  • 「慣れる」ことをやめて、いつも新鮮な気持ちを持ち続けること
一つ目は、幸せとは個人の絶対評価で決まり、比較評価から決まるものではない、ということ。二つ目は、当たり前のことを大事にして、幸せを実感すること。幸せとは回数を重ねることで色あせるものではないとも言えるだろう。

毎日の何かは、結局なんだか幸せであるという実感を自分が得るための何かなわけであり、もし、その総量を高める工夫ができたら、毎日がより良くなっていくだろう。そうした時の根本的な考え方としてとても重要なポイントだと思う。それらの考え方を基にして、毎日の色々にどのように対峙していくか、ともう一段階ブレイクダウンしてみる必要はあるが。

サヨナラ美容院難民 (mod's hair)

ということで、前置きが長くなったが、最近家の近くのmod's hairに行った。結論としては、次もこの店舗の彼女に切ってもらうことにしようと思っている。

なぜ、そう決めたのか?と考えたとき、仕上がりに満足した、というのと、良い時間を過ごせた、という二点に集約されるかな、と。つまりは、良いエクスペリエンスを得られた、と思ったわけ。

最初の仕上がりイメージの擦り合わせの時点で双方うまく話せた。普通顔合わせをした二人は多少は距離があるわけだが、彼女は外見と同様にナチュラルな話し方で話し始め、一気に距離を縮めてきた。その時点で、私は適切な情報を提供したいと思ったし、そんな中で彼女としてもよりイメージを具体化できるような情報の入手のためのやり取りをしようとしていたように思う。

加えて、ある程度高めの技術を持った人にしてもらったので、仕上がりも良かった。カットの仕方もちょいちょい自分の知っているテクニックが散見され、そのテクニックを見ることでこちらとしては安心したりともした。結果、なかなか満足がいくものであった。

mod's hairは、髪を切る、という 核となる提供価値だけでなく、ホスピタリティにも非常に力を入れているようだった。待合室には、iPadがあり、待ち時間を有効に過ごせる様にYouTube等を流している。美容室内は、幾つかのコンパートメントに分かれ、微妙にライトニングを変えている。シャワースペースのライトニングは青にしてあり、他とは異なる音楽をかけ、科学的なアプローチでリラックスを最大化する取組みをしている。

そういったファシリティ面だけでなく、店員のソフト面のコミュニケーションスキルも高い。カットしてくれた彼女だけでなく、他のスタッフのコミュニケーションスキルも高いように思えた。こちらが軽いジャブで提供したトピックに対して、掘り下げるまたは他に繋がるカウンタートークをした確率は高かった。豊かな時間を過ごしたと思う。

そんなわけで、僕は、次もmod's hairに行くわけですね。サヨナラ美容院難民。

 

2012年7月14日土曜日

永すぎた春・美容院難民・ドリフの雷サマ・また美容院難民・・・ (mod's hair)

髪を切る、というヤツはなかなか難しい。髪を切る人と、髪を切られる人との間で信頼関係が構築されないと、髪を切られる人が満足することはない。

では、信頼関係とはどのようになされるか?というと、所謂コミュニケーションてヤツの質に依存する。髪を切られる人は、どのような髪になりたいか、ということを明確にして共有しないといけない。他方で、髪を切る人も、髪を切られる人がどのような髪型にしたいのかということを自分なりに腑に落ちて切っていくために、具体的なレベルの確認のやり取りをする必要になる。

これらの関係構築をDay1から出来る二人は結構少なくて、とある美容院に行ってみて、髪を切られて、なんだか満足しないでサヨナラ、というケースは実に多いのである。少し満足していないけど、二回目、三回目、と行ってみるうちに、ある程度の信頼関係が構築されて、固定客になっていく、というケースが多いと言えるだろう。

かくいう私も、元々は後者のケースであった。大学の頃に友人の噂を聞きつけて、大学付近の美容室に行き出した。最初切られた時は、えらい短くなってしまったなぁ、と思って、それほど満足がいった記憶はない。しかし、二回目、三回目と行ってみて、次第にある程度の満足がいく様になっていったわけだ。

話はズレるが、なぜ、二回目があったのか?それは、美容師さんがオサレだったからである。私が彼女に初めて切ってもらったのは、20歳くらいの時で、彼女は21歳であった。お互い若かった。そんな彼女は、髪がピンクであった。オサレピンク。あぁ、オレはこの人に切ってもらえば、きっとオサレな大学生になるはずだ、と。そんな感じで、二回目があったわけである。

そんな彼女との関係は長かった。20歳くらいから、29歳くらいまで続いただろうか。その間に彼女の髪型は、アニーヘア、ツイスト、アフロ・・・と色々と変わっていったが、20代後半になると結構落ち着いていった。そんな中、彼女の勤務するお店が大学付近から、原宿に変わったこともあり、オレも原宿へ。オレはオレで無理な注文をしては、ある程度の満足を得つつ、通い続けたわけである。

しかし、転機があった。彼女が妊娠して、子育てで引退したのである。まあ仕方ない。そこからが美容院難民である。青山、表参道らへんのお店に幾つか入ったものの、一回目のハードルを超えられない。

そんな中で出会ったのが、ドリフの雷サマ(頭爆発気味のヤツ)であった。少し小太りで雷サマなパーマ頭の彼は、十分とは言えないオレのイメージコメントを咀嚼し、イメージ以上のものに仕立てたのである。所謂Day1の成功である。その後、数年の間、雷サマに切ってもらった。

それにしても、髪を切るといった文脈でも、信頼関係というヤツはなかなか難しいもののようだ。ある時期から、なんだか我慢ができなくなってきた。ちょっと流してないか、んー、なんだか満足がいかないな、といった不信感の積み重なりである。何度かそんなことを感じた後、私は雷サマを離れたのであった。

その後、家から歩いて3分のお店にしばらく通った後、最近引っ越しをしたので、私は、また美容院難民になったのであった。そこで入ったのが、Mod's Hairなのである。

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と、もともとMod's Hairのことを書こうとしたのだけど、長ーい美容院遍歴になったので、前編・後編に分けることにします!


信じる力 (バクマン。20)

"バクマン。"が終わった。先程最終巻である20巻を読み終わった。あぁ、終わってしまったという寂しさと、最高の終わり方からくる爽やかさが共存した読後感。そんな読後感のまま、最後のレビューを書いておきたい。

最近はそれほど漫画を読まなくなったのだが、"Death Note"のコンビが書いている本という噂を聞きつけて、一巻を読んでみて、その完成度の高さに手応えを感じて、毎巻楽しみに読んでいた。その19巻のうち、18巻で期待を超えていた。そんなに続けて期待を超える漫画なんてなかなかない!僕は毎回夢中で読んだ。一巻読むのに1時間とかかけて。

"バクマン。"の何が良かったのか?

一つ目は、構成力。ストーリーの全体構成を緻密に考え抜いた後に、各細部を創り込んでいることが見て取れる。本作で、漫画家である主人公達が夢を叶えた漫画と同じだ。コンセプトだけを重視してヒットして、惰性で生き長らえる漫画とは違う。主人公の成長に併せたアップダウンを適切に設定し、本当に最高潮で最後を迎えるという構成だ。

なぜ、このような構成を創れたのか?と考えたとき、”Death Note”での失敗があったからではないか、と推察する。"Death Note"はわかりやすいキラーコンセプトがあっただけでなく、緻密なストーリーの創り込みによって、期待をかなり超えた漫画だったわけだが、正直、後半は間延びした。もっと早く終わって良かった。恐らく筆者達もそれを実感していて、"バクマン。"では同じことを繰り返したくない、と思ったからなのではないだろうか。

それは、先にも書いた様に、本作で主人公が夢を叶えた漫画と同じだ。出版社側が連載をどれだけ長く続けさせようとしようと、アニメ放映には連載継続がベターだとしても、元から決めた構成を崩さない。つまり、筆者たちは、主人公達に自分たちを重ね合わせた。



二つ目は、表現力。表現力には二つある。一つは、画の表現力。人物の画は勿論、背景の画のクオリティも極めて高い。そして、人物描写の表現力。登場人物一人ひとりを丁寧に描いていく。立場の異なる一人ひとりに魂をこめて、各所で各人の目線で一つの物語を表現していく。物語は重層的でリアルで豊かなものになっていく。

また、これら二つの表現力において、細部が徹底的に描かれている、その妥協の無さに心が打たれる。考えて考えて考え込まれたその表現は、一つひとつの画とその一部、一人ひとりのセリフの各センテンスから、筆者らの妥協のない完璧を目指す息づかいが聞こえてくる。読み手である私は心を動かされる。

三つ目は、物語力。この漫画は、夢を叶える物語だ。夢は二つから成り立っている。一つは自分の仕事である漫画において、トップに立つこと。そして、もう一つは、好きな人と結婚することだ。二つの夢は密接な関係になっている。

夢を叶える道程には、挫折と成功の繰り返し、その中でライバルとの勝負や友情等が積み重なっていく。それは、決して平坦なものではなく、これでもかという試練に出くわしていく中で、主人公達が一歩一歩成長していく様があり、我々の感情は多分に移入されていく。そんな主人公達や他登場人物とのやり取りから創られる大小の物語は、先に記述した表現力も相まって、実に読み応えがあるものに仕上がっていく。



と、なんだかもっともらしい感想文を綴ってみたが、この漫画の良さの10%も表現できていないような気がする。ここまで読んでくれた方、ごめんなさい。

結局、僕は、この漫画の何に心を動かされたのか?

信じる力なのかな、と思う。自分の夢を信じる力。自分の能力の無限さを信じる力。友人を信じる力。パートナー(編集者)を信じる力。そして、好きな人を、好きな人が自分を想っていることを信じる力。そこに、圧倒的な純粋さを感じたし、他の何モノにも負けない圧倒的なブレない強さを感じた。現実を超えた、圧倒的な信じる力に心を動かされたのかもしれない。

ということで、一つの素晴らしい漫画が終わってしまった。この二人の著者の次回作に期待。きっと、"Death Note"、"バクマン。"を超える作品を創ってくるに違いない。この漫画の主人公たちのように。

2012年7月1日日曜日

「有言実行」できるか? (HONDA「負けるもんか」)

最近俄に話題になっているCMが、HONDAの「負けるもんか」。今年4月に公開されたCMのようだが、私はTVでは見たことが無く、とあるサイトでこのCMの存在を知った。まずは、Youtubeとそのナレーションを引用してみたので、ご覧頂けたら。

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頑張っていれば、いつか報われる。
持ち続ければ、夢は叶う。
そんなのは幻想だ。

たいてい、努力は報われない。
たいてい、正義は勝てやしない。
たいてい、夢は叶わない。

そんなこと、現実の世の中ではよくあることだ。

けれど、それがどうした?
スタートはそこからだ。

新しいことをやれば、必ずしくじる。
腹が立つ。
だから、寝る時間、食う時間を惜しんで、何度でもやる。

さぁ、昨日までの自分を超えろ。
昨日までのHondaを超えろ。

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HONDAのコーポレートメッセージは、「The Power of Dreams」だ。CM等のコミュニケーションの機会がある時に必ず出てくるメッセージである。創業者である本田宗一郎が大事にした言葉であり、その夢の力を基に、様々な困難に挑戦し、まだこの世にないモビリティを創り、新しい市場を創り、世界中の人たちを感動させた。夢を叶えるための力こそが、HONDAのアイデンティティなのである。

夢の力について、綺麗ごとではなく、厳しくて現実的な困難さへのチャレンジにフォーカスしているところに、このCMの良さがある。戦後日本が復興し、世界的な企業に成長してきたHONDAという会社に対して、共感している人は多いだろう。これまで本田宗一郎の本にもある通り、HONDAの成長は決して平坦ではなく、幾多もの困難を死にものぐるいで超えてきたところにあるということを、上のメッセージで思い起こさせるし、そういったがむしゃらな努力に対して、親近感を感じ、自分たちを重ね合わせる人も多い。このCMには、HONDAという会社に本来備わっているコーポレートブランドを今一度呼び覚ます意味合いがあるのではないか、と思う訳である。


他方で、このCMは、HONDAの社員に対するメッセージでもあるのではないか、とも思う。過去、幾度も不可能を可能にしてきたHONDAという会社に期待し、自分たち自身も同じ様な経験をしようと考えて入社してきた社員に対してだ。正直、先にあるようなHONDAのコーポレートブランドに反して、最近のHONDAの商品に魅力的な部分を感じることが少なくなっているからだ。リーマンショック後に様々な商品上のリストラをした今、ただのリストラではなく、筋肉質になった企業体質であるが故に、過去を超える様な新しい商品を世に出していくことができるのではないか。そういったポジティブな見方を敢えてしてみて、今後のHONDAの商品展開に期待していきたいと思った。

さて、このCMを見て、APPLEのCMを思い出したのは、私だけだろうか。ダウンサイドであった状況から、商品も業績も上向かせた契機になった「Think Different」のCMだ。メッセージ自体は異なるのだが、自分たちのアイデンティティを社内外に思い出させるという狙いは同じ様に感じる。そうした時に、HONDAは、APPLEのように、「有言実行」をすることができるのだろうか?綺麗なコーポレートコミュニケーションをするだけで終わる他の多くの会社とは違う会社ではないか?私は、結構期待しているんですよね。

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2012年6月24日日曜日

勝つことのみ善 (リーガルハイ)

ドラマ「リーガルハイ」が面白すぎる。最近のドラマの中では、群を抜いて面白い。ドラマというよりかは、創り込んだ舞台か映画を見ているかのようだ。ちなみに、4-6月クールのドラマの視聴率はこのようになっている。
  • 平均視聴率:10.1 %
  • 最高平均視聴率 「鍵のかかった部屋」:15.8%
  • リーガルハイ 平均視聴率:12.4%
今クールの中で、概ね4-5位に入っており、大衆受けを狙っていない尖った内容なのにこの視聴率は、及第点を与えて良い点数と言えるだろう。

一度も裁判で負けたことの無い弁護士と人情派の新米弁護士が、法的な難関に挑み、必ず勝っていく水戸黄門的(?!)な法律ドラマだが、面白さが詰まりに詰まっている。一体、何が面白いのだろうか?

主人公の強烈なキャラクター
主演は、堺雅人である。早稲田大学時代に舞台を立ち上げ、舞台を中心に活躍した後、NHK大河ドラマ「新撰組」に出演し、お茶の間でも知名度を上げ、以降は、ドラマやテレビで堅調に活躍している役者の一人である。温厚な中でも熱さがある、という役が多い様に思うのだが、このドラマでは、これまでの彼のイメージを裏切りまくる大違いだ。一度も裁判で負けたことのない彼は、頭は切れるが傲慢で、ウソをつき、トラップをかけまくる。特異な髪型と巧みな台詞回しは、そんなキャラを助長し、非常に面白いキャラになった。脚本時点で相当面白いキャラだったのだが、堺雅人の細かい演出によって、そのキャラクターを完成させたと言って良いだろう。

論理と感性のアウフヘーベン
主人公の論理力は高い。その論理力を強みに裁判に勝っていくわけである。この世の中は、論理とは別の軸で動き、決まっていくことが多い。所謂常識や偏見である。常識や偏見に対して、精緻に事実を把握し、それらの事実を積み上げて、ほとんどの人が元々は考えていなかった様なことに対して、納得をさせていく。これは、論理力によって為せる技である。しかしながら、論理力があっても、その論理力を使うための事実がないと、常識を覆す様なことは起きない。そこで、出てくるのが、新垣結衣である。彼女も弁護士役なのだが、論理力というよりかは、感情や人情等の感性を大事にして、行動している。それらの考動によって得られる事実によって、主人公は常識を覆す論理的なストーリーを創り上げるのである。

大きくは以上の二つなのかもしれない。他に、新垣結衣が奮闘しているとか、生瀬勝久と小池栄子のチープなやり取りが良いとか、里見浩太朗が良い距離感でドラマに好感触な刺激を与えているとか、色々あって、それらが全体のクオリティを上げているとも言えるのだが。

クオリティ的には、ダントツに1位な内容だ。クオリティを考えるともっと高い視聴率でも良いのに、と思うがそれも致し方ないだろう。クオリティが高すぎて、内容についていけない人も多いだろうからだ。今視聴している顧客層はある意味コア人たちなので、それらの人向けに続編を早くリリースしてほしいものである。

さて、次回は最終回のようである。主人公は勝ち続けるのだろうか。最後に、新垣結衣にやられてしまう、というのは有りな話であるが、私は、主人公は勝ち続けるという展開を期待している。実に楽しみである。

2012年6月16日土曜日

着こなし力の見分け方の一つ (UNIQLO)

洋服については、何を着るかも重要だが、どう着るかも重要だ。全身ブランドで固めていても似合うわけでもカッコよいわけでもないし、とあるパーツ一つを取ってみても、サイズの選び方や他のパーツとのトータルコーディネートで似合うかどうかは変わってくる。そういう意味で、ある洋服の料理の仕方、つまりは、着こなし力というのは重要だ、と思う訳である。

自分の着こなしを振り返ると、大学辺りから洋服にはそれなりにこだわって、向上してきたように思う。オサレ友人と、代官山から新宿まで、明治通り沿いを中心に洋服を見まくって、選んでは失敗しつつ、自分が着たい服と自分に似合う服の両方を兼ね備えたモノを選べる様になってきたように思う。

他方で、バイトや大学で結構オサレな連中に囲まれていたせいか、見る目もなかなか鍛えられたような。バイト友達とか、欧州旅行で靴を十何足とか買ってるとか、服飾系の大学で自分で作るとか色々いて、そういった面でも毎回行くのが楽しかったものだ。

そして、大学の頃の友人も。四年時に配属された研究室はなかなか面白い人が揃っていて、90%以上は大学院に行く学科だったのに、30%しか行かなかったという強者揃い。そして、彼らはなかなかオサレだった。その中でも、ベンチマークしていたのは三人で、一人は自分に近い代官山や原宿のお店が多い系、もう一人はマルタンマルジェラしか着ない系、そしてもう一人は安い系だ。

この安い系というのがなかなかのもので。原宿系等の洋服も着るのだが、UNIQLOをうまく合わせてくるトータルコーデが非常にうまいというタイプ。例えば、UNIQLOのカーゴパンツを着ているのだが、それを9分丈で着る、とか。男だけど、ジーンズをストレッチで着て上にパタゴニアのショッキングイエローをダフッと着る、とか。
「それ、どこで買ったの?」
と聞くと、
「え?UNIQLO!」
という回答。ここに、着こなし力がある、と考えるわけですね。UNIQLOだけど、どこかのオサレブランドのモノではないか?と考えてしまうっていう。

実は、最近同じようなことがあって大学の頃を思い出して、このエントリーを書いてみた。とある海外出張先の週末に、尖った同僚と観光を。
  • ボブなんだけど、その内側は数ミリで刈上げ。ツーブロックどころではない雰囲気
  • 多面的な色遣いとシルエットを混在させた、世界の99.99%の人は着ない服を着る
  • でも、人間的にちゃんとしている
っていう面白い方。色々と話していて、ギャルソンが好きだとのこと。その日も上着はギャルソンを着ていて、靴は現地で買った現地っぽい靴を履いているのだが、これまた結構似合っている。さて、このストレッチのジーンズは、どこのだろうか?
「で、このジーンズはどこの?(x-girlだと勝手に思いながら)」
と聞くと、
「え?UNIQLOです!」
と・・・。着こなし力。そういうことなんですよね。


2012年6月3日日曜日

大人のツモリ (cat's TSUMORI CHISATO)

「ツモリチサト」というブランドを聞いてみると、やはり女のコのブランドだなー、って印象を持つ。店舗の作りであるとか、色遣いでデザインを見てみると、とてもカワイー感じでステキだ。大学生くらいの頃だったら、こんな服を彼女に着てもらうのもあり、とか思ったものだ(勿論合うコにはである)。

2003年から、「ツモリチサト」にはメンズのラインがあるのだが、自分には合わないブランドだと思っていた。女のコのラインを踏襲してて、中性的な男が選ぶブランドであって、決して自分には合わないブランドだと思っていた。

そこで、最近知ったのが、「cat's TSUMORI CHISATO」である。
  • フェミニンでハッピー、大人のためのファンタジー溢れるブランド
というコンセプトの下、2011年から新しく発売されたラインである。

実は、最近までその存在すら知らなかった。夏物のシャツを買おうと丸の内の路面店街に買い物に行った際に、zuccaの横のカフェがなくなっていて、ツモリに変わっていたのを見て入ってみて、このブランドに気づいたのである。

  • かわいさもあるけど、遊び心がある。そして、かわいすぎない、色遣いやデザイン
という第一印象であり。その30分後には色々な検討をした後に、二つのシャツ購入に至ったわけである。恐らく数年前なら買っていなかったのだけど、子供が出来て、ちょっとした可愛さにより敏感になったのと、このラインのデザインが子供に受けそうだなと思わせたのも購入決定要因に入ったようだ。

ブランドの展開て、結構難しくて、ファミリーブランドを幾つも作るけど、違いがわからないとか、そもそも違うブランドになってしまっている、とか元々のブランドとの位置付けが難しかったりすると思うのだけど、このブランドについては、元々のブランドとは異なるセグメントをうまく掴んだ商品展開をしているのでは、と。即買いした者として、それほど説得力もなく、結論付けさせてもらっちゃうわけですねー。


2012年3月29日木曜日

水筒を再発明する (THERMOS)

大げさな首題をつけてみました。要は、ユーザーのエクスペリエンスを大きく変えることができたら、再発明と言って良いのかなと思いますけど、THERMOSの水筒もかなり変えているのではないかな、と。

元々は、スタバのタンブラーと同様に、経済合理的な観点から、導入を決めました。私は水分を非常に取る人で、缶コーヒーを一日に3本とか買っていました。なぜ缶コーヒーを一日に3本も飲むのか、と考えてみた時に、その1-2本くらいは削減できるな、削減しても良いな、と思ったわけです。

そんな中で、当時のオフィスの同僚の方が、THERMOSの水筒をお持ちで、
  • デザインがミニマルで、水筒を持つことが恥ずかくない
  • コンパクトでスペースを取らず、収納及び持ち運びが容易
と見てて思っていたのですよね。あぁ、これは今までの水筒が有していた課題を解決しているのだな、と。ということで、THERMOSを購入しました。利用してみて思うのは、こちらの点です。
  • 保温機能が優れており、長時間経過しても、冷たさ / 熱さ のレベルが落ちない
朝に冷たいお茶を入れて、夕方にそれを飲んでも、全然冷たいままです。だから、例えば、熱い飲物を飲む時は、火傷の注意が必要なくらい。通常しばらく時間が経つと、生温く感じてしまうのが、逆に、油断して火傷してしまう可能性があるっていう。保温機能が実に優れていることがわかると思います。一般に、飲物を携帯したとしても、冷たい / 熱いものを飲みたいですから、これまで諦めていた潜在ニーズにミートする、付加価値の高い機能を追加させている、ということができると思います。

以上を勘案すると、水筒を再発明した、と言っても良くないですか?言い過ぎかな?!まあ、エコというキーワードと、先のデザインと機能で優れた商品性とが共鳴して、売れに売れているわけですよね。再発明かどうかは置いておいて、優れた成功事例であることは間違いありません。

2012年3月28日水曜日

正しい資産形成の在り方 (「なぜ投資のプロはサルに負けるのか?」 藤沢 数希)

著者は、ブログ「金融日記」を書いている藤沢数希氏。彼のブログは、最近知ったのですが、ファクトベースで切れ味鋭い情報を発信しています。優秀なコンサルタントの様な多面的かつ論理的な展開をみせています。

元々、理学部博士卒で研究者であり、その後外資金融機関のクオンツ(高度な数学的手法を基に投資戦略や商品開発をする職種)に転身したということで、物事の根本まで定量的に突き詰める論理思考力を持ちつつ、自然科学だけではなく、社会科学にも柔軟な思考も持ち併せている、といった感じでしょうか。ブログもこの本も、とても面白い。


家族が増えたり、年をとってくると、中長期目線で住居や教育等の多大な支出がリアルに想定され、資産形成の方針を考えざるを得ないという人も多いのではないでしょうか。本書では、お金持ちになるため/お金に苦労しないためには、何の投資をすれば良いか?という疑問に対して、シンプルに回答しています。
  • 投資をしないこと
  • 自分の仕事を一生懸命取組んで、給料を上げるべき

非常にわかりやすい結論です。投資の最前線で働いている人による、ファクトを基にした結論なのでとても腑に落ちます。「よい投資法が必ずしもむずかしいものである必要はありません」とも。
  • 投資はリスクに満ちあふれている。どんなに優秀なファンドでも破綻する可能性がある(投資のスタープレイヤーで構成されたLTCMが好例)中、儲かる投資先を継続的に見つけることは、困難
  • 仮に、期待リターンを得ることができても5%程度(株式投資の場合)である。例えば、100万円を投資した場合、5万円でしかない。逆に、年間300万円を投資で稼ぎたいならば、6,000万円が必要
  • よって、目の前の仕事に一生懸命に取組んで、年収を上げる方が近道。リスクも非常に少ない

しかし、ある程度の資産が積み上がっている、または、積み上がったときを見据えて、投資をするならば、下記の投資が良いということも論理的に結論付けられています。
  • インデックス投資をする(TOPIX : MSCI Kokusai = 15 : 85)
これは、山崎元氏の下記の本の結論と一緒です。日本株と海外株の比率は異なりますが、記述の時期も異なることが関係しているでしょう。インデックス投資は、投資自体の面白さはないが、着実な投資方法として、両者に触れられています。



以上が、正しい資産形成のサマリーです。本中には、資産の構成要素と、各要素の重点項目についてシャープに説明されているので、一読をオススメします。日常生活の経済合理性を高めるには良い内容が詰まっています。

最後に、コラムの一部として書かれていたフィナンシャル・フリーダムについて、メモします。非常に共感ですね。
  • フィナンシャル・フリーダムをなるべく早く達成するには、経済合理的に賢く行動し続けることです
  • 長時間続けても苦にならない好きなこと、自分の得意なことをなるべく仕事にしてキャリアを構築し、起業等の機会をうかがい、これはというチャンスに出会ったらそのリスクに賭けます
  • そして、稼いだ金を効率よく投資に回します
  • 地道に自分の能力を磨き、時として人生に訪れる大きなチャンスをつかみ取れるように、いつも感性を研ぎ澄ませないといけません
  • 要は、「人事を尽くして天命を待つ」ということです

2012年3月26日月曜日

素晴らしきビジネスモデル (CANON PIXUS MG6230)

久し振りにプリンターを買いました。上述のを。親の分も買ったので、2台まとめて。結構良い買い物が出来たと思います。購入時の条件の主なところはこんな感じ。
  • 新生活への準備期間にあたり、最もプリンターの販売が盛り上がる、つまり、高まる需要に対して売り負けない様に、価格が下がっている3月末に購入
  • 更に、店頭販売が激化し、近隣店舗間で価格を下げ合う土日に購入
  • 商品を見極めたと同時に、既に安くなっている店頭展示価格から、更に値引きを交渉
  • パソコンとのセット購入を通じて、更に値引き
ということで、結果として、このような価格になりました。
  • プリンター単品価格:18,100円+10%ポイント → 実態価格:16,290円
  • パソコンとのセット購入による割引:2,000円 → 1台当たり1,000円割引(換算の必要もないが)
  • 結果、プリンターの本当の購入価格:15,290円
価格.comで調べてみると、最安価格はこちら。
  • 最安価格:16,099円
色々駆使した結果ではあるものの、全国の最安価格よりも800円くぐった価格で購入できた、というわけです。一つひとつの要素をつぶすことが必要ですね。




まあ、そういった買い物上手話も良いのですが、プリンターのビジネスって美味しいな、って話。

プリンターは、元々、消耗品ビジネスといわれ、プリンター本体を購入した後に、継続的に利用して行く上で必要になる、つまり購入されるインクで儲けているビジネス。継続的に購入されるのでそれだけで結構な金額に及ぶし、価格もプリンター本体に比べて、下落しないので、利益率も高いビジネスということですが。今回の買い物では、企業目線でのビジネスモデルの素晴らしさ、消費者目線ではあまり嬉しくない一面を見たのでした。

今回、自分の家分も購入したのは、数年前に購入したプリンターを使い続けることをやめる選択をしたためです。それは、このような経緯からです。
  • 長期間利用しなかったため、印字ができなくなった(インクが固まった模様)
  • 仕方なく、4,000円以上のインクも購入し、色々と操作を施したが、印字はされない
  • ろくな印字ができないにも関わらず、この時点で、半分以上のインクが消耗
  • 仕方なく、コールセンターに電話した結果、
    • まず、近くの修理センターに、現物を持ち込まないといけない
    • 修理可能な場合は、修理代が発生し、インク代は返らない
    • 修理不能な場合は、インク代は返ってくるが、修理代は発生
誰が修理するんですかね?という状況に陥りました。段階的に、コールセンターの方に交渉をしてみようと思ったのですが、その内、自分がクレーマーになることを恐れて、インク代4,000円以上を泣き寝入りして、新しいプリンターを購入することにしたわけです。

店頭に行ってみて、店員さんにプリンターの最低限の要件を伝えて、ベストなモデルを聞きました。
  • 印刷は、Word/PowerPoint/WebからA4で、加えて、年賀状も
  • A3/4の紙をスキャン
  • 無駄な配線をなくすために、無線LAN接続
結果、店員さんは首題のモデルを提案してくれました。他の候補と比較することで、意思決定の妥当性を高めようと思い、他モデルの可能性について聞いてみたところ、高価なモデルは、不要な機能がつくので、自分にはtoo much。他方で、より安価なモデルは論外の結論、つまり、下記の仕様を有していることがわかりました。
  • インクは、単色毎に交換することはできず、6色まとめて交換しないといけない
当然、黒色の減りは、他色より断然速いことが想定される。しかし、黒色がなくなったら、他色が恐らく6-7割程度あるにも関わらず、全て交換しないといけないということを意味します。6色セットは4,000円以上するでしょうから、2,000円くらい捨てる計算になりますね。イニシャルコストが数千円安くおさえられたところで、ランニングコスト(主にインク代)が断然高くつく。結果、イニシャルコストとランニングコストの和であるトータルコストも高くつく訳です。

プリンター自体の仕様の違いによって、そのようなインクの仕様は仕方ないのかなんなのか知りませんが、中長期的に消耗品を買い続けなければいけない、という消耗品ビジネスの特性を利用した利益向上の一つの打ち手ですね。消費者には全くうれしくない話です。

怖いのは、私が話した店員は量販店の社員だったので、上の情報をインプットされ、首題のモデルを購入するという意思決定をできたのですが、もしメーカーから派遣されていた方に話を伺っていたならば、このようなフラットな情報は入らずに、トータルコスト高のモデルを買っていたかもしれないということです。

ということで、プリンターを購入する時は注意が必要ですね。少し時間がある時に、ちゃんと話を聞いて意思決定するほうが良いと思います。

2012年3月22日木曜日

除湿器のある生活 (Panasonic F-YZG60)

最近まで知らなかった。除湿器というメカを。。。私は乾燥肌なので、小さい頃は加湿器がある部屋で生活をしていたことを覚えてはいるのだが、その逆で、部屋内の湿度を下げるために、空気中の水を取り除く除湿器なるメカがあったなんて、といった素朴な驚き。それを感じたのが数週間前の話である。

最近引っ越したのだが、鉄筋コンクリートのマンションのせいか、部屋が暖かい。1年で最も寒い季節であるはずの2月に暖房をつけずに過ごせるレベルであった。しかし、その代わり、ひどかったのが結露である。外気温と部屋内気温との差が大きいことから、窓やドア周辺部の空気が冷やされ、窓やドアに水が溜まる現象が起きていた。

結果、カビが出る。これまでカビのない生活、人生を送っていたのだが、引っ越してからバタバタしてたせいか、結露対策をしていなかったら、カビが色々な場所に出てきた。これまでカビなんざほとんどお目にかかった記憶がないのだが、その拡大の速度は思いの他著しく、結露対策をばっちりしなければ家中がカビだらけになる、という恐怖から、除湿器を購入したのである。

除湿器を購入するということで見てみると、除湿器には2種類あるよう。
  • コンプレッサー式:コンプレッサーを通して、空気を冷やすことで湿気を水滴に変える
  • デシカント式:水分の吸着に優れたゼオライトで水分を取り除く
首題のモデルは、後者のデシカント式。両者にメリット・デメリットがあるのだが、後者の方が冬でも問題ない、振動音が小さい等のメリットがあり、それを選択した(逆にランニングコストは高くつくのだが)。詳しくはこちら。加えて、店舗での価格、店員さんとの交渉等を経て、当該のモデルに決定したわけです。

除湿器を利用するようになって、勿論結露は減りました。しかし、まーだ出ますね、結露が。朝には窓をさらっと拭く(除湿器が無いと水たまりができていたので随分まし)というメンテナンスが必要のようですが、相当楽になりました。カビもほとんど出ていません。

これまでの結露無し生活が運がよかっただけ、と捉えて、部屋の空気や他メンテナンスをちゃんとせにゃならんな、と学んだ出来事でした。

2012年3月21日水曜日

結婚してないけど、結婚ソングの名曲を創る (「家族になろうよ」 福山雅治)

リクルートの結婚情報誌ゼクシィのCMで流れていた、この曲を聴いたことがある人は多いだろう。CDを借りたのだが、通常の曲だけでなく、結婚式バージョンも入っていて、うれしいことになっています。


昨年から度々耳にしていて、良いな、と思っていたのだが、実際に聴き込んでみると更に良い。これは名曲でしょう。うーん、カラオケで歌いたいなぁ。ということで、歌詞の中から、特に良いポイントを拾ってみました。

  • 「100年経っても好きでいてね」 みんなの前で困らせて それでも隣で笑ってくれて 選んでくれてありがとう
ここは、ベタな所なのだけど、そのベタさがリアルさを演出する。彼女目線の歌詞であるが、彼女の直球な想いのこもったメッセージと、包容力のある彼との距離感が、純粋で爽やかな二人を想像させる。ベタだからこそ、それがリアルに伝わる。

  • どれほど深く信じ合っても わからないこともあるでしょう その孤独と寄り添い生きることが 「愛する」ということかもしれないから・・・
ここはとても深い。いくら相手のことを好きで、信じていたとしても、わからないことはあるのかもしれない。逆に、わからないことがあるから一緒にいるのかもしれない。その二人の間に存在する永遠の何かを「愛する」と結びつけるところに、福山雅治の深い洞察を感じる。

  • いつかお父さんみたいに大きな背中で いつかお母さんみたいに静かな優しさで (中略) いつかおじいちゃんみたいに無口の強さで いつかおばあちゃんみたいに可愛い笑顔で (中略) いつかあなたの笑顔によく似た男の子と いつかわたしとおなじ泣き虫な女の子と
これまで彼女が刻んできた歴史と、これから刻んでいく歴史とを表現している。家族になることは、いままでの家族に加わり、彼らとの歴史を背負うことであり、新たな家族を加え、新しい歴史を創っていくこと、と言い表すこともできるかもしれない。今だけでなく、過去と未来を、そして、自分たちだけでなく、親・祖父母と子供たちを盛り込むことで、結婚の深さや広さ、そして、曲の世界観が格段に広がって行く。

以上、歌詞の良いポイントをピックアップして、触れてみたが、福山雅治の歌声に情感がこもっていて、とても心動かされる曲だなぁ、と思ったわけですね。彼は結婚していない訳ですが、このような名曲を創るのはスゴイな、と。聴くと、どうしてもしびれてしまう曲ですな。

2012年3月20日火曜日

アプリサービスの成功モデル (LINE)

少し前にNTT docomo(ドコモ)で通信障害が度々起きたことは、大きなニュースになった。要因について、「スマートフォンの普及と共に通信量が増大し、パケット交換機の処理能力がオーバーフローした」とドコモは説明している。1時間当たりの信号量が想定の1.3倍に達したという。

なぜ、このようなことが起きたか?ドコモの方々もプロとして、スマートフォンの普及率とそれに伴う通信料の増大については、幾つかのモデルを作ってシミュレーションを行い、数ケースの設備増強計画・実行について弾力的な対応ができるようになっていると想定されるからだ。

その背景として、「LINE」の爆発的な普及と利用による、と言われている。LINEとは何か?
  • 無料通話:LINEアプリを利用するユーザー同士ならば無料で通話可能。よって、キャリアの違いを勘案せずにいつでもどこでも無料で電話が可能
  • 無料メール:通話と同様にキャリアの違いを勘案せずに無料でメールが可能
  • 翻訳機能:英語、中国語、韓国語に翻訳可能(メールで)
  • デコメが充実:メールにおける絵文字やスタンプが沢山有り、リッチなコミュニケーションが可能
これらのコミュニケーションは、SNSよりも身近な友人、つまり、これまで携帯電話自体で行っていた仲の良い友人とのコミュニケーションをスコープとしている。よって、facebookやtwitter等とはポジションが異なる。また、無料通話として、skype等と競合するが、デコメを中心としたユーザビリティに重きを置きつつ、CM投下等による大々的プロモーションで絶大な支持を得たようだ。

LINEは、昨年の4月に開発を決め、1ヶ月半でサービスローンチ、10月から無料通話機能を実装、というスピーディな展開。立ち上げ自体はやはり苦戦して、twitterやfacebookで地道に利用を拡大したようだが、ある程度利用者が増加したのと、無料通話機能を実装したタイミングでベッキーのCMで一気に普及したようだ。あとはネットワークの外部性で勝手に爆発的に普及した。ちなみに、1,000万ダウンロードまでの到達スピードはこのようになっている。
  • LINE:6ヶ月
  • mobage:26ヶ月
  • mixi:39ヶ月
業界関係者が、サービスの普及スピードとしてベンチマークしているだろうmobage等を一桁上回るスピードであり。ドコモとしては、そもそも最初はノーマークのアプリで、ある時存在に気づいたが、対応の可否、内容等を検討する間もなく、通信障害を起こすレベルまでに普及してしまったといった感じだろうか。

ということで、スマホ自体の普及率の高まりに合わせ、スマホの基本機能である通話とメールにフォーカスし、基本機能の無料化と、緻密なマーケティングにより現行のサービスには無いユーザビリティの高い機能をアドオンすることで、現行サービスの代替ポジションをとった勝ちサービスが、ドコモ通信障害の背景にあったわけですな。なかなか無い事例だと思う。

2012年3月18日日曜日

ミシュラン三ツ星のホスピタリティ (藤沢 幸庵)

昨年の夏に藤沢にある懐石料理の幸庵というお店でランチをした。所謂懐石料理なのだけど、そこまで重々しい料理でも雰囲気でもなく、料理はとても美味しいし、店員さんのホスピタリティが極めて高いお店だな、ここはまた来たいお店だな、と記憶していたのだった。

最近、久しぶりに鎌倉のお家に行って、話に上がったのだけど、幸庵がミシュラン(2012)の三ツ星に選ばれたとのこと。なんとミシュラン3つ星のお店だったとは!ミシュラン三ツ星は、フランスのパリにあるアランデュカスで、めちゃめちゃ重々しい雰囲気で、めちゃめちゃ重いフレンチくらいしか食べたことがないので、先の幸庵が三ツ星に選ばれたのは意外だなー、と。なんでも、湘南で三ツ星に選ばれたのは、幸庵だけだというから素晴らしい。

ちなみに、食べログの採点はこちら(N=26)。個人的には結構リーズナブル。
  • 総合:3.92
  • 料理・味:3.92
  • サービス:4.05
  • 雰囲気:3.71
  • 酒・ドリンク:3.55

彼はよく行くお店だったらしいが、ミシュランで三ツ星をとって以来、最近はなかなか予約ができないらしいお店になってしまったらしい。元々馴染みにしていた人には、ミシュランに選ばれてしまうのも、いいのか悪いのかわからないようだ。

既存顧客と新規顧客。毎年ミシュランに選ばれ話題になることで、新規の顧客が永遠に来続けるならば良いのかもしれないが、それにも程度があるような。やはり定期的に来店する既存顧客の維持も必要であり、限られた席数の適切な運用が求められるのだろうなぁ。



あと、ミシュランの選定基準て、どんなものなのだろうか。例えば、アランデュカスと幸庵が全く違うお店なので、両方とも三ツ星であるように。国やジャンルが異なると、比べることは困難なような。調べてみると、星の評価はこちらの通り。
  • 一ツ星:その分野で特に美味しい料理
  • 二ツ星:極めて美味であり遠回りしてでも訪れる価値がある料理
  • 三ツ星:それを味わうために旅行する価値がある卓越した料理
タイヤメーカーであるミシュランが、車での旅行を促進するためのグルメマップを発行したことが起源であることを考えると納得の内容である(これらを規定する詳細な評価指標があると思われるが不明)。確かに、パリにあるアランデュカスは、このお店のために旅行したと言っても良いくらいのインパクトがあったのよね。味も店も価格も。

そんなわけで、国やジャンルにおいて、色々なミシュランの星有りお店で経験してみるのも面白いかも、とか思ったのですね。

2012年3月16日金曜日

投資としてのタンブラー (Starbucks ロゴタンブラー)

行動の意思決定の際に、基本的に、経済合理性を基準の一つにするタイプ。そんな私が少し前に導入したのがスターバックス(スタバ)のタンブラーである。最もスタンダードなコレを。


元々、スタバでタンブラーを利用する人というのが信じられなかった。スターバックスの信者ですか?と。しかし、多分、本当のスタバ信者と経済合理性導入者とに分かれるのだろうと思う。それは、こんな事実があるからだ。
  • タンブラーを持参した場合、カップの代替として扱われ、20円値引きされる

いつ、私がこの事実を知ったかは忘れたが、この事実に加え、ある時、行動パターンとしてスタバの利用回数増加の傾向を感じた私は、タンブラー導入を決めたわけです。
  • 導入コスト:▲1,150円(470ml用)
  • 購入に伴うサービスチケット:340円(アイスコーヒー Tallの場合)
これらの初期条件に対して、1回当たり割引20円とした場合、利用回数との関係はこちら。
  • 利用回数40回以下 → 導入コストを回収できず赤字
  • 利用回数41回以上 → 41回で黒字転換。回数増加に伴い、効果も増加
週当たりの利用頻度が、1回だと約9ヶ月強、5回だと約2ヶ月弱で、導入コストの回収が可能である。勿論、スタバに行かない(低コスト)で、スタバで得られる効用と同様の効用を得る選択肢もあるだろうが、スタバに行くことを前提とした場合は、以上の投資対効果があるわけです。

しかし、これらの条件がある時に、効果が出るまで、本当にタンブラーを利用するか、という実行性が一つのポイントになる。なんか恥ずかしくない?つか、毎回カバンに収納するのって面倒じゃない?と。私も、少し前は、結構ハードルが高いポイントだったと思う。

これらの懸念に対する行動としては、2点あると思う。
  • まず、やってみる
  • 可視化する
まず、やってみる、と良い。私の場合、最初タンブラーを買うことも恥ずかしかった。なんでだかわからないけど。でも、タンブラーを選ぶ時に、店員さんにお話を聞いてみて、とても親切にご説明を頂いたし(スタバの優れている要素の一つ)、タンブラーで注文をする時も、タンブラーを購入してまでスタバを利用してくれるような、ロイヤルティの高い顧客に対する彼らのホスピタリティは、タンブラー非利用者のそれの20%増と思われる(超勝手な印象で)。ということで、一度やってみると、恥ずかしさは、ほとんど意味の無いものだということがわかる。

可視化する、は、自分の取組みが目的の実現に結びついているかを把握するための継続的な仕組みの構築と運用を意味する。仕組み自体は簡単で、エクセルの四則演算で費用対効果を計算する、だけ。しかし、タンブラーの利用が進むにつれ、費用対効果の数値がポジティブに変化していくのを見るのはモチベーションがわき、タンブラーをカバンに収納し、注文し、利用した後も収納し、洗うという面倒さへの有効な打ち手だと思う。黒字転換時は素でうれしい。

そんなわけで、スタバでタンブラーを利用する、のも投資対効果の側面で見ても、一度やってみると良いと思います。